緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ついに英国も安楽死の法律可決間近なの?!

2025年01月12日 | 医療
新年早々、衝撃的なニュース

安楽死法案が英国議会で委員会審議されていて、まもなく可決されそう・・と。

出典は The Lancet
IF203 驚異の雑誌なので
その信頼度は極めて高く、世界からの注目に値するもの・・

その最新号に

Libby Sallnowal.∙ Beatriz E Dorsey-Riverab ∙ Christian Ntizimirac ∙ Nezamuddin Ahmadd ∙ Suresh Kumare
 Volume 405, Issue 10473p103-105January 11, 2025

筆頭は英国の緩和医療の研究者
共同執筆者も緩和医療ででルワンダやインド、バングラデシュなどの方を含んでいるようです。

2024年11月、英国議会に
死を避けられなくなった人が
自死のために幇助要請をして
その意思をかなえることを
可能にするための法案が提出された。
今、委員会を通過していて
間もなく議会で可決されるだろう
と、記述されています。

つまり・・
英国議会で安楽死の法律が可決されそうだと・・


なんと・・
英国でも、ついに・・・


 

今、複数の国で
安楽死が認められています。

が・・

英国で安楽死が認められると
世界中が大きな影響を受ける
とその懸念を述べています。

1960年代にホスピス運動が市民の間に広がっていったのは英国でした。
 よりよい死にあり方に取り組んでいる国のランキング1位も英国です。

英国は死に関する医療では
モデルであり、
世界のリーダーなのです。
緩和ケアと終末期ケアに影響を与え続けています。

この論文の中で
死を選択できたり
Good deathの概念を適応できたり
するのは、高所得国。
低中所得国には適応できず、
死に対する世界の格差も広がっている。

この英国の安楽死の法律が
低中所得の国を含む世界全体に
影響を与えていくことに
注意が必要だと指摘しています。

新年早々のランセットに驚き、
英国での安楽死法
注目していかなければ・・と思っています。

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

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2 コメント

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Unknown (しましま)
2025-01-12 19:58:12
「死に対する世界の格差も広がっている」との一文、今まで考えたことがなかったので驚きました。

こちらのブログを拝見していると、人の死について誠実に向き合っておられる姿から、学ぶことが多いです。
人の死は、まさに生きること、と思うようになりました。
「自分はどう生きたいのか」まずはそこから考えていこうと思う、年頭のブログでした。
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Unknown (aruga)
2025-01-12 21:16:09
しましまさん

格差に着目してくださるとは、なんと深い見識をお持ちなんだろう!と、感服しました。

誰にでも等しく訪れる死にまで、格差が生じていること立ち止まって考えたいことですね。

頂いたコメントのお陰で、さらに明確になりました。

感謝です!!

aruga
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