医療者、特に看護師さんに
やりがいを感じる場合はどんなときか尋ねると
やりがいを感じる場合はどんなときか尋ねると
患者さんが良くなって退院する時
治癒したと感じられるとき
苦しかったことが良くなったと実感してもらえた時
ありがとうと言ってもらった時
などの答えが返ってきます。
新型コロナウイルス感染症などで
人工呼吸器治療を行う場合、
自発呼吸(患者さん自身が自らする呼吸)と
人工呼吸器から送り込もうとする呼吸とが
ぶつかってしまうことをファイティングと言います。
これを防せがなくては
送気ができなくなり、よい呼吸状態を
維持できなくなってしまいます。
そのため、筋弛緩薬と鎮静薬を投与し
患者さんの筋収縮が起こらない状況にして
人工呼吸器管理を行っていきます。
つまり、
人工呼吸器を装着している患者さんは
全身の筋肉を動かすことは出来ず
意識がない状況になっています。
患者さんはその時は、意識がないので、
苦痛は感じてはいないのですが、
ただ、物言わぬ患者さんが横たわり
人工呼吸器の作動で時間が流れているように
目には映ります。
そのような状態であっても
聞こえているかもしれない
感じているかもしれない
そんな気持ちで
医療スタッフは言葉をかけ続けます。
それは、人工呼吸器管理下にある患者さんに限らず
End-of-life(いわゆる終末期)で
意識が低下している患者さんに対しても同じです。
朝の挨拶はもちろん、
「今日は晴れていて桜はもう終わりましたよ」とか
診察を行う前には、「聴診器当てますよ」とか
ケアをする看護師さんは、「体を拭きますね」とか。
患者さんがどんな状況になっても
生きている大切な人であり
尊厳がある人として
丁寧に、礼節をもって接します。
緩和ケアのこうした原則は
医療の基本的な姿勢として
どの分野でも共通しています。
特に、
看護師さん達の日々のケアには
こうした姿勢が貫かれています。
声をかけること
清潔を保つこと
そして、
孤独にしないこと。
古典的な緩和ケアは、十字軍の遠征の時にもありました。
帰郷できず、死の淵に合った兵士が孤独の中で死を迎えないよう
古典的な緩和ケアは、十字軍の遠征の時にもありました。
帰郷できず、死の淵に合った兵士が孤独の中で死を迎えないよう
ホスピスを作ったことが知られています。
そんなことは古き遠くのことと感じていましたが、
そんなことは古き遠くのことと感じていましたが、
コロナは家族や大切な人から離し
同じような孤独を作り出しています。
集中治療室の医療スタッフはそれでも、
集中治療室の医療スタッフはそれでも、
患者さんが孤独にならないよう配慮をしてくれます。
コロナの波の度に
重症のこのような場面が増えているようです。
私自身は、後方支援や周囲のサポートにすぎません。
最前線のスタッフ、
特に、日々のケアに当たってくれている看護師さんは
どれほど、大変なことだろうかと思います。
治ること、退院できること、
ありがとうと言ってもらえることを
やりがいにしていたスタッフほど
決定的な治療がなく
物言わぬ治療の先に亡くなっていく場面が増える毎に
無力感が強くなっているのではないかと・・
何もできなかったわけではなく
無力ではなかったと思います。
治らなくても、その人の人生に関わり続けたこと
治らなくても、その人の人生に関わり続けたこと
どんな状況であっても、大切に関わってくれてありがとう。
皆さんのお陰で、患者さんは孤独の中の死ではなかったよ。
その中(忙しい)でも医師、看護師の優しい声かけに患者はどれほど心休まる事か。
昨年夫が呼吸不全で入院した際、医療に携わる方々の暖かい声かけにうれしく感じたものです。
arugaさんのブログを拝見して医療従事者の思いが伝わってきました。
これからも患者の側に立った医療を続けていっていただけると嬉しいです。
こちらこそ
ご主人の体験をシェア下さり、そして、温かいコメント、胸熱くなります。
本当にありがとうございました。
aruga
お母様、yoyoさんの声に最期の時間を過ごされたこと、目に浮かぶようです。
今はコロナのことで、緩和ケア病棟でもご家族の付き添いが制限されてしまって、yoyoさんのようにはいかないこともあるようです。
コメントに心温まりました。感謝です。
aruga
私も義母の最期を看取ったときに、声は最後まで届いていると聞きました。
亡くなる方は、周囲の方や愛する人たちの声を魂に刻んで、天国に昇って行かれるのでしょう。
先日の記事で、言葉の難しさを再認識させていただいたところですが、
生きているうちから、あたたかく、やさしい言葉をかけることを心掛けたいと思いました。
先生のブログを読ませていただくと、なぜかまた「がんばろう」と思えます。
言葉の中に、不思議な力があるのでしょう。
ご家族の看取りのご経験をここにお書き下さり、心から感謝申し上げます。とても優しさあふれるその昇天のイメージに祈りを感じました。
また、温かなコメントに書いてよかったという安堵と励ましを感じます。
ありがとうございました。
aruga
お書きくださるコメントを医療者の方が読んでくださったら、どんなに喜ばれるでしょう。
こちらこそ、ありがとうございました。
aruga