「頑張って」はとても難しい言葉

最近、
がん患者さんから言われたこと。

　白血病の水泳選手が
　素晴らしい成績を出したことは、

　とても素晴らしいことなのですが、

　家族に
　「あなたも頑張って！」
　と言われたのが、きつい・・

十数年以上前のこと。
がん患者さんが

自宅近くの病院で
人生歩み切りたいからと転院されていく時、

付き添っていた娘さん。

そのご家族に、転院された数か月後、
ご挨拶に来てくださった時に

お話しくださったこと。

　転院するとき、病院の玄関まで

　受け持ってくれていた看護師さんが見送りに来てくださり、

　「頑張って」って声をかけてくれたのです。

　ああ・・私達にはまだ頑張れる力があると

　その方は感じてくださっているのだ、

　頑張りを期待してくださったその言葉に

　どんなに励まされたことか・・

同じ「頑張って」です。

前者は、他の人と比較した言葉でした。

　あなた「も」

がそれを表しています。

後者は、その患者さん自身の内なる力を表現した言葉でした。

　あなた「は」まだ頑張れる力があるよ

この後者の話には、大きな気づきを与えられていました。

ですから、最近、前者の話を聞いた時、

すぐに思い出した出来事でした。

頑張ってという言葉。

使い方を誤ると、傷つける言葉になり、

上手に使うと、背中をそっと押す力になります。

何と難しい言葉でしょう。

前者は、Work harder

後者は、Good luck      

を含むメッセージなのかもしれません。

そこに鍵となるのが、

比較した使い方はしないということです。

これは、一般的にも言えることです。

子ども達に、

　〇〇さん、夜もずっと勉強しているんだって。

　あなたも頑張ってね。

などというと、重荷です。

　貴方なりに頑張っているなあと思うのよ。

とか、

　あなたの伸びしろに期待しているよ。

　頑張ってね。

だと、応援しているよという意味が含まれるように思います。

比較しないで

目の前の方にフォーカスして

使っていきたいと思います。

そして、応援しているという姿勢が伝わるよう

抑揚や、眼差しにも気を配って

心を込めて使っていきたいと思います。

コロナ、ここからまた、踏ん張りが求められます。

一緒に「頑張って」いきましょう

SimonによるPixabayからの画像