緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

呼吸困難感(3)しっかり吐こう

2008年03月04日 | 医療

オピオイドがなぜ 
頻呼吸タイプの呼吸苦に効果があるかを説明するために
有効な呼吸について書いてみました。

肺から出てきた呼気は、気管支を経て口に至ります。 
息を吐くとき、
この気管支分の空気を十分吐ききらないと
新しい空気が入ってきません。 

ジュースを飲むとき
ストローが気管支
ジュースが空気として考えてみてください。
ストロー分すって初めてジュースが飲めます。
ストロー分(気管支分)溜まっている空気を出してはじめて
肺から出したい空気が出て行き始めるのです。

浅くて速い呼吸をしていると、
気管支分の空気を吐ききることができないで、
二酸化炭素がたまった呼気を
喉の辺りで行ったりきたりさせているだけになってしまいます。 

運動時にハアハアしている時は、
十分胸郭が動き、有効な呼吸になっているのですが、
がんをもっていらっしゃる方は
そこまで大きな呼吸が出来ないのです。 
(つづきます)

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2 コメント

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肺理学療法 (でかり)
2008-03-13 11:28:09
こんにちは、いつも拝読しています。
元緩和ケア病棟勤務看護師です。

基本的すぎますが、
肺がんの呼吸苦の患者さんで、呼気に合わせ背部肋骨圧迫などの理学療法をするだけでかなり楽になる方がいました。呼吸苦でパニック時などでも、タッチング効果もあり不安軽減にもつながると思います。
呼吸苦でふざぎ込みがちだった方でしたが、リラックスして話もしてくださりました。
薬でのコントロールにプラスするのにお勧めです。
思い出したのでコメントさせて頂きました。
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でかりさん (aruga)
2008-03-13 23:19:42
コメントありがとうございます。
本当に理学療法って大切だと思います。ご指摘の通り、理学療法のみならず、ただ、触れるだけでも効果がありますね。大事なポイントありがとうございました。
返信する

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