緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ユミさんと桜(2)

2008年03月28日 | 医療
すぐにナースステーションに戻り
スタッフにこの出来事を伝えました。

通常、私達は
週単位で病状は変化するでしょうとか
月単位で節目節目をおいていきましょうといった表現をします。

しかし、このときばかりは、
月単位それも短めであり
2ヶ月前後から3ヶ月位の可能性が高い
と伝えたほうがよいという結論に達しました。
そして、私が伝えた後のサポートを看護師に依頼しました。

ユミさんに残された時間を伝えるために
再度、部屋に行きました。
月単位で考えていこうと話すと
ユミさん自身から
「それは、1~2ヶ月のこともあるということなのでしょうか」
と聞かれました。
「そういう可能性がゼロだとは言いきれません」

見る見る涙があふれてきました。
しばらく、一人にしてほしいと言われました。

その午後、ご主人がいらっしゃっていました。
そして、ユミさん自身から
「数泊くらいで温泉にいけないでしょうか
 桜を一緒にみたいんです。
 北に行けばまだ間に合うと思うので」

(続きます)


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2 コメント

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最期の時を・・・。 (ぴょん)
2007-04-03 09:15:38
最期の時を、いかにより良く、自分らしく過ごせるか。
そして、家族、親族、友人に、できるだけ伝えたいことは何か?
一致団結して、穏やかに過ごしたい物だと考えます。
100点満点とは言いませんが、なるべく・・・。その様に・・・。
本人は、ある程度覚悟しているのに、まわりが覚悟できなかった部分が多かったですが・・。我が家の場合。
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(1)と(2)へのコメント (aruga)
2007-04-04 22:27:13
ありがとうございます。
触れることの大切さ、ご本人を支える一番大きな力は家族であること、本当にそうだと思います。その中に、ご本人とは異なる葛藤が家族にはあること、忘れてはいけないことだと思います。
返信する

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