緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ユミさんと桜(3)

2008年03月29日 | 医療
親戚の方に看護師さんがいました。
日々の定時治療薬、発熱時や嘔気時などの臨時薬を準備しました。
いざというときのため、情報提供書を書きました。
事前に温泉の近医に連絡をとろうかとも考えましたが
それは、ユミさんの希望から控えました。

5月の連休の前ころだったでしょうか。
福島の温泉で、露天風呂から桜を眺めることができたと聞きました。

露天風呂から遅咲きの桜を楽しんだと話してくれました。

このころのユミさんは
口から何も食べられない状態でした。
中心静脈栄養のカテーテルが鎖骨下から入っていました。
まだ、サンドスタチンが無かった頃でしたから
腸閉塞のユミさんが嘔吐しないように
点滴量を絞るしかありませんでした。
ですから、本当にやせてしまっていました。
夜の露天風呂に2人で入ったと後で話してくれましたが
ユミさんにとって
それはどんなに勇気が必要なことだったか・・

この旅行の後、ご主人は変わりました。
手を差し伸べ、いつも見守りの眼差しをそそいでいました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ユミさんと桜(2) | トップ | ユミさんと桜(4) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事