緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

人生の忘れもの

2010年05月16日 | つれづれ
先週書き物をしていて、
つい、自分の年齢を間違ってしまいました。

事務から、
「先生まだ、今年は誕生日来てないのですから、一つ引いてくださいね」
おっと・・、どうも、このところの無意識の反応が
こんなところに出てしまったようです。

このところ、何か人生の忘れものをしているような気がしていけないのです。

それが何だかよくわからず・・
落ち着きません。




今、本当に時々ですが、
恩師にお目にかかります。

血液透析と腎移植のパイオニアで
道なき道を切り開かれてきた方でした。

とても、お元気で、
卒業したての私を助手にして
血管シャント術を教えてくださるなど
達人技のお陰で、随分当時は上達しました。

お年をとられて、
ご自身の世界で飄々と過ごされている様子は、
充ち満ちて今日があることの表れだなあと感じました。

well-being (よりよく生きること、満ちて生活していること)という言葉がありますが
まさしく、この状態でした。




恩師はさておいて、

緩和医療・・学会は、ザワザワしています。
これは、まったくの別世界。

医師になったばかりのころ、
国際協力に海外に行きたいという気持ちがどこかにありました。
日本の中で、緩和医療分野でも十分気持ちを昇華できることに気がつき
これでもなさそうです。

今月、単著が発刊されます。
新しい切り口の本で、
これには、とても、わくわくしているのですが、
これとの連動はありません。




人生の忘れもの・・

なんなのだろう。
まだ、見つかっていません・・
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
journey (サジタリウス)
2010-05-17 10:40:24
こんにちは。

忘れもの、探しましたが思い浮かびませんでした。どうも悔いのない良い人生だったようです。したいことに臆せず挑戦しました。数多くの失敗もありましたが、今では、良い経験と思い出になりました。

私は今、まさに自分探しの旅の途中にいます。
人生を振り返って楽しんでいます。
また、ネットの中のあるフォーラムに参加していますが、そこは、誹謗・中傷・妬み・嫉妬などがまったくなくとても暖かい場所です。

話が合うのは、やはり同世代の人たちで会話の中にかならず共通のキーワードがあり、それらは私を過去の旅に誘ってくれます。

時たま、会話の中に緩和ケアというキーワードを入れたりもします。何人かは、興味を示してくれました。

ここの会員数は、30万人を越えています。その中には、書き込みはしませんが覗くだけの人が相当数いるようです。その人たちの心に、このキーワードが少しでも残ることを願っています。









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私なんか・・・ (himawari)
2010-05-18 13:38:15
いろんな事にチャレンジし努力してこられた先生でもそんなふうに思われるのですね・・・
逆にそういう人生だったから尚更思うのかもしれませんね。

私は先生と同じ年月を生きてきたのにチャレンジしにくい環境に生まれた事を言い訳にしてチャレンジすることなく生活の為に仕事をしながら、母・妻・介護とただただあわただしい日々が過ぎてきました。

先日長男の結婚式を終えました。親としての役目を終えつつある今、やっぱり何か大きな忘れ物をしているような・・・というか私自身に何も見に付いていない事も残念すぎる・・・

でも子供達にはチャレンジする機会を与えられたし応援もできた・・・子供達がそれぞれ社会の一員とし自立し(まだ途中もいますが)いろんな苦労を共にねぎらえる夫もいる・・・それはそれでよしとしますか・・・
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コメントありがとうございます (aruga)
2010-05-19 00:15:47
サジタリウスさん
忘れ物は・・出てこず、悔いはなく、これからも探しつつ、楽しみつつ。素敵ですね。
ライフレビューをどうぞ、さらに紡いでくださいますように。

himawariさん
ああ・・himawariさんらしいなあ・・いいなあ~って思いつつ、過去に書いてくださったことを思い出していました。

まだまだ不惑には至らないようです・・
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