第56回日本癌治療学会学術集会が終了しました。
一年前に学会として、
初めての女性の理事として
ご指名を頂き、
社会連携・PAL委員会委員長として
運営に関わらせて頂いてきました。
それまで、2代の委員長が
立ち上げられ、
発展させていらっしゃった委員会です。
なすべきことが
ある程度決まっている他の委員会とは異なり、
人と人が関係する委員会のため、
意見を聞き、最善を話し合うプロセスは、
運営はほぼ男性で行われてきた外科系の学会でしたから、
委員の医師の皆様には、
やり辛さが当然あっただろうと思いますが、
本当に丁寧に接してくださいました。
今、東京医大や昭和大学の入試の不正というか、
ジェンダー差別のことが取りざたされています。
そうした報道の中で、
医学部入試が就職医師の確保につながるため、
激務に対応できない女性医師を前提に、
女子学生は一定数を超えて入学してほしくない
というコメントも、耳にすることがあります。
特に、外科などでは・・・というコメントを
少なからず聞きます。
日本癌治療学会は、
がんを取り扱う学会の中では
外科系ー中でも、消化器外科や泌尿器科が多く、
265名の代議員の中で
女性は私を含めて2名程度でした。
でも、その数のことを除けば、
入試をめぐるジェンダーの差に関するような圧迫を
学会の中で感じたことはまったくありません。
今年の学術集会の中で、
委員会企画として、
がん教育のシンポジウムを持ちました。
学術集会の中では比較的小さな会場ではありましたが、
満席となり、外にはモニターを設置し、
立ち見の方や患者アドボケイトプログラムの方のために
椅子を準備するなど事務局のご配慮を頂きました。
文部科学省からのご登壇も頂き、
前委員長や好事例として岡山から
医師、教員、教育庁の方もご発表くださいました。
来年も、これに続くことを企画し、
学会の役割を探索すべく、
議論の場を持って行こうと
昨日の委員会でも話し合ったところです。
また、下部組織のPALワーキンググループが
学術集会の中にプログラムを設け、
ポスター発表、一般プログラムへの参加、
また、模擬IRBによるラウンドテーブルミーティングによって、
どのように研究審査が行われるか、
患者さんの立場で出席した時に
どのような視点で質疑対応をすればよいか
体験することができました。
PALの皆様の熱気は、
明日の診療の活力になります。
患者さん達のこの年々の成長に、
私達も負けないように頑張らねば・・です。
社会におけるジェンダーの問題には
根深いものがありますが、
当事者にとって困ることはなく、
声に耳を傾け、誠実に取り組んでいれば
皆の助けを得て、最後は、大きなエネルギーを感じ、
何時の間にか前に進んでいることを実感できた
そんな学会でした。
重鎮と言われる複数の理事の先生から、
「先生が入って、理事会、とても雰囲気いいです。
やっぱり、(女性が入ることは)必要ですね」
と言ってくださったことは、
この上にない嬉しさでした。
本当に、ありがたいことです。
来年の第57回日本癌治療会学術集会は
2019年10月24日(木) ~ 2019年10月26日(土)
場所は、福岡国際会議場です。
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