緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

インフルエンザの学級閉鎖が出始めました

2018年09月17日 | 医療

東京都では、
インフルエンザで学級閉鎖がすでに発生しています。
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/09/11/07.html

江戸川区のようです。






緩和ケアチームのブラッシュアップコンサルタントとして、
非常勤の立場である病院に関わったことがありました。

チームでは、
横断的に色々な病棟に入ります。
標準予防策であるマスク、アルコールの使用は
十分とはいえませんでした。
5つのアルコール使用のタイミングの絵だけは
良く見るものが張られていましたが・・

さらなる感染症対策を要する患者さんの
病床で、使ったものを捨てたいと思った時も
ゴミ箱は病室内にはありませんでした。
エプロンの外側を内にして丸め、
部屋から持ち出せないからと
チームの外にいたスタッフにビニール袋を
病室まで持ってきてもらったこともありました。






がんの病期がどこにあったとしても、
十分な予防対策は
しっかりと実施しなくてはいけません。
なおさら意識しなければいけないことです。

緩和ケアチームスタッフには
回診に出る前に、
患者さんの感染情報を確認し、
行く順番も検討すべきことや
アルコールを細かに使用すること
なども話し合いました。

でも、これは病院全体の問題でもあります。

依頼があった患者さんの中でも、
感染対策のあり方による影響が
ないとはいえない方もいました。





その病院を離れることを前提に、
院長、看護部長に強く伝え、
最後の一か月間、現場を一緒に見てほしいと主張して、
看護部長には緩和ケアチームラウンドに同伴してもらい、
現場の感染症に関わらず、
症状緩和、医療用麻薬管理、指示と指示受けなど
問題点と解決策を説明しました。
関わっていた以上、
見て見ぬふりをすることはできませんでした。

がんの症状緩和のスキルだけではなく、
患者さんのQOLを維持するための緩和ケアとして、
さらに、医療の基本的な姿勢として
必要なことと感じたからです。

感染症や医療安全は、まさに、
その病院の質を表していると思います。





所属する大学病院は、
感染症対策は徹底しています。
さらに、職位を離れて、
相互に指摘し合う文化を
ICTは作っています。

今月は、改めて意識する月として
数々の院内レクチャーが開催されています。
誇らしい気持ちになりますが、
これが当たり前であるべきことなのだと思います。



今年は、例年に先駆けて、
インフルエンザの流行が始まりつつあります。
予防接種はまだ始まっていません。
意識を高く持って、一人一人の患者さんを大切にしていきたいと思います。


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