病院といった組織の外でも
疾病を持った人々の支援に当たれないか・・
と思い、二つのことを始めました。
一つは、親ががんになった子どもたちの支援の
コアラカフェ®
もう一つは、産業医となること。
まだ、産業医として活動は始めていませんが、
更新のための講習に
がん就労が含まれるようになってきました。
この週末の講習から。
専任産業医が配置された企業は
50人以上の従業員がいる規模になります。
そうした企業(ここでは大企業とよんでいます)
における実態調査では、
新たに病休となった職員(病休者)数は
一位 メンタルヘルス不調
約210人の組織で1人/年
二位 がん
約660人の組織で1人/年
三位 脳卒中
約2000人の組織で1人/年
と、がんは予想以上に多いようです。
(遠藤源樹;企業ができるがん治療と就労の両立支援 実務ガイド.日本法令,2017)
復職後の5年勤務継続率は
なんと、51.1%!
(同)
つまり、
がん患者の復職支援を充実させれば、
2人に一人は、がん治療と就労は
両立させることが可能と考えます。
がんの種類によって、
治療も異なるため、
この数字も変わってきます。
時短で勤務に戻ってくるまでに、平均80日(2か月半)、
フルタイムでは、201日(6か月半)。
でも、がん種でみると、
時短勤務は、
尿路系がん 52日
胃がん 60日
肝胆膵がん 194日
血液がん 241日
とかなりの開きがあります。
血液がんでは、寛解に入るまで入院化学療法が続く傾向にありますが、
固形がんでは、外来化学療法(薬物療法)での継続等となることが
その理由のひとつと考えます。
多くのがん患者さんは、
治療や受診などから時短勤務が必要で、
特に、胃がんと食道がん の患者さんには、
その配慮が必要という結果が出ていました。
(時短/フルタイムの数字が
他のがん種に比較して
大きい結果が得られている)
(Endo, et al; Journal of cancer survivorship, 2015)
一方、その復職後において、
5年間の再病休率は38.8%
5年間の退職率は 10.1%
特に再病休率は
復職から1年を乗り切れば 半数は両立が可能となっており、
復職から2年を乗り切れば 75%は両立が可能という結果でした。
つまり、
復職後2年間の支援が、特に、
大切ということでした。
(遠藤源樹;企業ができるがん治療と就労の両立支援 実務ガイド.日本法令,2017)
(つづきます。)
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