緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

湯河原セミナー

2008年05月11日 | 医療
昨日は、星薬科大学薬品毒性教室の
湯河原セミナー研修に参加させて頂きました。

オピオイドの研究をはじめ緩和領域に深く関わっていらっしゃる教室です。

短時間に、最先端の現在進行形の研究成果をレビューして頂き
臨床現場で、アレッと思っていたことの幾つかが
マウスの実験をはじめとする結果に反映されており、
ワクワクした半日を過ごさせていただきました。

例えば、モルヒネとフェンタニルのオピオイド・ローテーション時の換算には
毎度毎度悩まされています。
一定せず、実際に現場では、100:1なのか50:1なのか、
それとも、まったく異なった換算でいくべきなのか・・

マウスの実験結果では、
炎症性疼痛モデルでは、モルヒネ:フェンタニルは、1:0.01 (100:1)
坐骨神経結索モデルでは、モルヒネは2倍必要としていました。
ああ・・やっぱり、痛みの質で2つのオピオイドの効果は異なるんだ・・

その他、色々ありましたがあまりにホットな内容だったので、
ここに書くことはできません。

IL-6が登場したときは
アメリカのラボで、緩和領域のキーインターロイキンになると15年ほど前に
直感していたので、何とも懐かしく、ラボワークへの郷愁が蘇ってきました。
次男が3,4歳の頃通っていたナーサリースクール仲間のお母さんは
STAT3で有名な仕事をしていますし
本当に、今回のセミナーは考えることが沢山ありました。

私からは、臨床経験をお話することでお許し願いました。

学生さん、院生の方々、葛巻先生、成田先生そして鈴木先生
素晴らしい場にお誘いくださいまして
本当にありがとうございました。
マニアックグループの方、スライドではお世話になりました。

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2 コメント

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社会人の学習~お礼 (miminneko)
2008-05-24 15:31:37
 遅くなりましたが、その節は御多忙な中、遠路よりお越し頂き、貴重なお話を賜りまして有り難うございました。
 私達社会人も、学びを継続することが重要な中、先生のお話をできるとは何とも光栄なことと楽しみにしておりました。

 学校の先生風な講義を楽しく聴かせていただきました。

 私自身、日頃の問題とくに緩和ケアの患者さんの救命救急センターとの連携については、疑問に思っていたところでしたが、やはり個々の患者さんへの指導をしっかりと行っていくことが重要ということが認識できました。

 先生もおっしゃるように薬理学は日進月歩であり、直感が証明され、夢が実現していくのを目の当たりにできる頼もしい教室であります。
 今後とも御指導のほどお願い申し上げます。
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ありがとうございました。 (aruga)
2008-05-25 23:19:09
継続的なスキルアップの場を設けられていることに、本当に刺激を受けました。素晴らしい大学をご卒業されたと思います。これからも、是非、よろしくお願いいたします。
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