緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

key person は パートナーでもOKな社会が求められているようです

2007年09月10日 | 医療

いわゆるカルテには
幾つかの項目があります。
医療者の方にとっては
日常的なことだと思いますが。

key person といった項目
患者さんを支える方で
治療方針などをともに考えてくれる方。
基本的には、患者さんと
key personの欄に書かれた方を中心に
病状説明などをすることになりますから
医療にとって、重要な方です。

日本では、このkey personは
配偶者や親、もしくは兄弟姉妹といった
血縁者が書かれる事が大半ですし、
医療機関によっては
相続などの絡みも考えて
血縁者以外は認めない所もあるようです。

私のいる病院は
感染症に力をいれている病院です。

このkey personの項目も
こうした血縁者に限られず
パートナーとしての
同性愛の方であっても
性同一性障害の方であっても
患者さんご自身がkey personとして
この方と言われた方が
記入されています。

「終末期医療の決定プロセスの
あり方に関するガイドライン」
がこの5月に国から通達されました。
通達の前には検討会が開かれましたが
この検討会に先行して
一般から広くパブリックコメントを募集していました。

このパブコメには
患者の意思が確認できない場合には
家族に限定することなく
患者本人が指名する代理人
つまり、パートナー等が意思決定の
代理ができることを盛りこんでほしいとする
意見が多数あったそうです。

私の回りでは
普通にパートナーという言葉が使われますので
まったく抵抗はありません。
でも、社会的にはまだまだ認知されておらず
まだ、遅れているかなあと思います。

恋愛関係におけるパートナーからさらに越えて
社会として血縁にとらわれないで
支えあうというイメージが
まだ日本には薄いのかもしれません。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
内縁の妻はパートナー (Taichan)
2007-09-10 23:14:28
アメリカでは内縁の妻、夫から術前に承託書をとることを認めている州が多いと思います。うちの州でも内縁の妻から取ることは認めています。その時、フィアンセ、パートナーと医師によってカルテの記載が違います。日本でもそういう方向で話が進むのはごく自然だと考えます。
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遠くの親戚 (atusato)
2007-09-10 23:25:38
私も、本人が指定する人がよいと思います。ただ、日本の場合、まだまだ家族が決定しても、イザという時に遠くの親戚が出てきて、ごちゃごちゃにかき回されることがあります。それが、嫁の決定であっても血縁者が強くなってしまうことがある・・・ 嫁と血縁者が仲たがいしている場合などで本人が意思を言えなくなった場合によく起こります。ほんとに困ったものです地方はまだまだそんな状況で、挙句の果てには、医療者を訴えてやる~なんて・・・  法律で整備されるとありがたいですね。
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Unknown (FUMIKO)
2007-09-11 16:31:08
連絡お待ちしております(^〇^)
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コメントありがとうございます (aruga)
2007-09-11 22:29:38
Taichan先生
日本のkey pは、意思決定代理人として法的拘束力はないので、目安にすぎません。と言う点では、アメリカに比較すると気楽に記入できる(してしまっている)なあと改めて感じました。

atusatoさん
本当に遠くの親戚に悩まされることがありますね。本人と本人に近い人を十分に尊重してほしいものですね。

FUMIKOさん
連絡しますから~
返信する
私は同居人でした。 (マーボー)
2007-09-18 00:47:40
3月に同居人(内縁の夫とも言うのでしょうが)を肺ガンで亡くしましたが、彼には、別の所に家庭がありました。
でも、私は彼とその奥様の承諾の上、key personとして動いていました。 カルテには「同居人」と書いてあったはずです。
血縁者でなければ・・・なんて、そんな事一言もなかったので、この記事を読んで、「あら、ま」って感じでした。

亡くなった後で、看護師さん達に「最初は実はビックリしたんですよ~」って笑われましたが・・・。

記事を読んで、私達は恵まれていたんだな~と思いました。

でも、きちんと法整備出来ていると、やっぱり安心ですよね。
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それは・・ (aruga)
2007-09-18 21:56:06
まずは、彼の奥様の承諾があったから医療者も動くことができたと思うのです。ここを、越えられないと、カルテにはそう記載されなかったかもしれません・・
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それはそうです。 (マーボー)
2007-09-21 17:20:48
勿論奥様と息子の同意があってこそ…でしょう。

その点でも、私達は恵まれていたと思います。



ただ、病院も、その判断をすんなり受け付けてくれたのは、ひょっとして普通の事じゃなかったのかな?と思ったものですから……。



あの時点では「誰が」と言うよりも、とにかくその場の誰もが彼を助けたい!と言う思いでいっぱいでした。



そして誰もが、彼が一番安心して治療を受けられる事を希望した結果の判断でした。



それが私達(彼の家族、親戚も含めて)の中では、当たり前の事でした。



医療者の方達が、そんな事にまで気を使われている事を初めて知りました。

無知でごめんなさい。

本来の医療だけに専念したいですよね?



医療者の方達にとっても、本人と「その人がこの世からいなくなった時に、一番悲しむ人」にとって最善を尽くせる基盤が、今の世の中に必要みたいですね。



ただ、こんな脳天気な(?)患者&家族もたまには居るので、安心して下さいね。
返信する
探していました (miki)
2007-09-24 14:17:51
8月半ばに彼氏が33歳、肺癌で亡くなりました。
1月より病院へ通い、喘息といわれ治療していましたが、どんどん衰弱していくので喘息の専門医に転移をしようと5月半ば紹介状をもらいに行ったところ、本人が胃が調子悪くその旨伝え胃カメラをとると胃癌の初期発覚。その場で伝えられた。後どうか検査結果、肺癌末期、両肺ともリンパ転移。手の施しようがないことを親にだけ伝えられました。本人には、肺癌は伝えられず(本人がもし助からないようなことが合ったらいうなといっていたそうです)長期の肺疾患で胃の手術が出来ず、肺がよくなってからとのことで、入院。本人にもそういわれて、二人で悔しい思いをしながら、『早く治して、手術できるように』と1時退院や、晩は寝るまでと一緒にいました。ご両親とは別に住んでおり、本人父親とはうまが合わずでした。
告知せず、世話をしている私はいつどうなるかわからない彼とは知らず。
本人がしたいことも、どうしていきたいかということも、病院の人ご両親もわからないまま。治ってからねと二人半年に渡りいてました。
週末は1時退院してた8月12日腰の痛みを訴え病院へ戻り、戻っても主治医おらず。日曜で先生も1人。
看護師さん呼んでは痛み訴え。ざやくのみ。
結局、夜中にどんどん痛みまし、本人が『痛いゆうてるやろ、なんでせんせいこーへんねん呼んでくれ』
で、2時間後御両親先生こられ、人工呼吸の説明本人にないまま装着。
その時すべて話され、そのまま2日後血圧下がり心臓止まりますで、帰らぬひとになりました。
1番側にいて、おかしいこの病院と、入院前入院中もセカンドオピニオンを求めようと本人といっても否定され。本人もここに嫌われたらもどってこれへんとと言っていたが、自分の体なのに遠慮することどこにあるのといつでも動けるよう知り合いの方にお願いしていました。
結局人工呼吸もまだ早く本人にとって最期安らかに病気しらないでいけてよかったといわれました。
入院中、彼氏に両親を紹介されました。自分が成功するまでと言っていたのが、一緒になるという決心を実行に移す準備をしようとなったのです。
その意志もどうしていてるかも、決定する人たちがしらないままで。
1番わかっている人を加えて病名知らずでも意見を聞いてくれてたらと悔やまれてなりません。
緩和ケアもできなかった病院。終末期緩和ケアを患者を尊重できないならうけて欲しくなかった。
もっと違う最期があったと。
彼は、友達にも胃癌の手術のメドがたったらいうことを決め会わずに連絡とらずに『実は、入院しててん』とちゃんと出来てから言おうとしていました。
親友にだけはと、8月9日やっと会って、今の状況も気持ちも伝えると言っていたのも実現されず。
人工呼吸器いれたあとに『親しいご友人や親族よんであげてください』と病院側にいわれました。
本人の意思確かめてないのと、あのいきなり危篤の意識ない状態を本人が今見せたいかの判断が悩んだ末。
『元気になってみんなに会う』という言葉がと。
もし、良くなって勝手に友達に伝えたら怒るからと。
呼んであげたらと何度も言われて、傷つきました。
いまさらと、本人のこと何も知らないのにと。
友達には厚く、熱く。葬儀には100人近い友達がきました。葬儀には親族
として出で欲しいと。身の回りの事親御さん知らずで準備もしました。そして、仮通夜が2日になり、1日は親御さんに頼み、親友さんに頼んで、半年ぶりに友達だけで朝まで遊んでもらいました。
本人が会いたかった友といるため1日伸ばしたんだと伝わってきて。
乱文ですみません。
病院側とは結局何もはなせないまま、1人彼の死が無駄にならぬよう。
終末期緩和ケアがそれぞれの状況で変わることを祈ってやみません。
それと、側にいながら架空の状況におかれて、死と向き合えず、立ち止まっていてもどこにも言うことが出来ない自分のような思いをする方が無くなるように。
ここをおかりしてすみません。
こういうブログを見つけ本当うれしかった。
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コメントありがとうございました (aruga)
2007-09-24 23:25:41
読み進めるにしたがって心が絞られるようでした。本日の記事に返信になればよいのですが、記事をアップしましたので、お読み頂けると幸いです。お訪ねくださり、大変なこの数ヶ月のことをシェアしてくださり心から感謝いたします。
返信する
mikiさんへ (マーボー)
2007-09-25 00:57:52
mikiさん・・・

本当にパートナーとして、悲しくて悔しい思いをされたと思います・・・言葉もありません・・・。心が痛みます。

今は沢山泣いて下さいね。
悲しい涙、悔しい涙、寂しい涙・・・。

彼はきっと見てますよ。
mikiさんが一所懸命だった事も、自分の為に今「悔しい」と思ってくれている事も。

いつかmikiさんの心に彼が元気だった時の様な安らぎが訪れる事を祈っています。 きっとそうゆう日が来ますよ。

そして、本当にこうゆう事のない世の中になってくれる事を、私も希望します。

私の前のコメントがあまりにも脳天気なので、もしかしてmikiさんの気に障っていたら、ごめんなさい。






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