緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

照葉のように・・患者さんを想う

2020年11月15日 | つれづれ
Mabel AmberによるPixabayからの画像 

紅葉を見ると思い出します。



茶道では
枯れた葉を ”照葉”(てりは)と呼ぶ
ということを・・



自然に枯れていくことの美しさ。

それを枯れ葉と言わず、
日に照り、最期に輝き、
そして、落ちていくさまを
表す言葉なのだそうです。




患者さんご家族に教えて頂き、
初めて書いたのが2006年。
2014年の秋に侘寂について書いたものから抜粋ですが・・

***********
侘(わび)・寂(さび)にみる美意識。

わび という言葉の根元には、
      「思い通りにならない辛さ」
さび には、「生命の衰え」という意味があり

その否定的な感情が転じて、閑寂・簡素・枯淡の境地となり
日本の美意識となっていったのだそうです。
***********


最近、亡くなった患者さんのことを
ずっと考えていました。

本当に、あのプロせずでよかったのだろうか、
患者さんは、果たして、
よしとしてくださって旅立たれたのだろうか・・

答えのない問答でした。


そのような時、
秋晴れの中で
色づき舞い散っていく葉をみて、
この”照葉”を思い出しました。

枯れ老いて亡くなったというより、
確かに、
照り、輝き、歩み切った最期でした。




改めて、
ご家族にお声をかけてみようと思います。
どのように感じられているか・・
そして、
照葉のような幕の閉じ方だったと・・

老いや衰弱をも、
照る時として見つめられるように

ご家族とともに・・

コメント (7)    この記事についてブログを書く
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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Tristan)
2020-11-15 19:21:26
わび・さびにはそんな意味があるのですね!
まったく知らなかったので、大変便勉強になりました。
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Unknown (1day1smile)
2020-11-15 21:35:44
いつもご苦労様です。 照葉
わび、さび…
いい言葉です。勉強になりました。
子供達にも教えました。
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Unknown (わんずまま)
2020-11-15 22:22:14
医療とは、今まで出会った患者さんたちに教えていただいたことを、次の患者さんにお返ししていく、ということではないかと思っています。
緩和ケアはほとんどの患者さんが亡くなっていくため、よかったのかどうかの答えが得られず苦しい部分が多分にあると思います。
そこをきちんと考えることは本当に大切ですが、医療者もまた人ですから、ご自分を壊さぬよう、ご自分の気持ちも大切にしながらゆっくり前へ進んでいくのがいいのかと思いました。
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Tristanさん (aruga)
2020-11-18 17:46:28
いつも、コメントくださりありがとうございます!!
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1day1smileさん (aruga)
2020-11-18 17:47:22
素敵ですよね!
コメント、ありがとうございました。
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わんずままさん (aruga)
2020-11-18 17:51:19
あたたかなコメント、ありがとうございました!
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Unknown (aruga)
2020-11-18 17:55:32
(個人的な事務連絡です。)
リンク張って下さって、ありがとうございました。
照葉のお写真、素敵でした。
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