緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

がんばれ!セイコさん(2)

2009年11月21日 | 医療

今日、明日は大阪です・・・
仕事ですが、天気がよくて、気持ちは軽やかです。

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(前回からつづきます)

紹介状には採血データが入っていなかったので
すぐに採血と腹部単純レントゲン写真をとりました。

採血は、そう問題ないことがわかりましたが、
写真は、すでに二ボーと小腸ガスが認められ
イレウス一歩手前でした。





最近、ハタと気がついたことが一つ。

オピオイド(医療用麻薬)は
もともとがん性腹膜炎の腹部の張り感を
緩和する作用があります。
ですから、便秘になっていても
腹部の不快感は
オピオイドで打ち消されてしまっているのです。

よく、病棟などの記録をみると
「排便なし。でも、腹部の膨満感はないので、経過観察」
といったものを見かけます。

オピオイド投与中の場合
この“膨満感はない”は
“溜まっていない”のではなく
貯留してるにもかかわらず
不快感がオピオイドでマスクされている
だけなのです。

なんで、今までこんなことも気がつかなかったのだろう・・

ああ・・オピオイドはやっぱりよく効く・・

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3 コメント

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モルヒネ (fiorentino)
2007-05-08 23:05:17
モルヒネの効果!忘れていたことを思い出しました.ありがとうございました.患者さんのケアをしていていつもこれで良いのかと考えています.もっと良い方法はないのか.先生のブログを拝読していますとはっとさせられます.
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素人ですが・・・。 (ぴょん)
2007-05-09 09:40:46
素人ですが、よく解る・・・。
そうそう。排便はないが、膨満感はない。イコールガスがたまっていない、腸閉塞ではないと言うことになならぬ。主人の看護の経験上、解ります。
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Unknown (aruga)
2007-05-09 22:20:30
fiorentinoさん、本当に盲点でした・・
ぴょんさん、よくわかっていらっしゃいますよね・・
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