新説百物語巻之五 9、薪の木こけあるきし事
薪が消える話 2023.8.5
因州(因幡。今の鳥取県)の人の語ったことである。
その人の伯父の家には、昔から代々奇異なる事があった。
薪を買って、十束を積んでおき、九束めを積んである部屋へ取りにゆくと、十束めの薪木が残っているはずであるが、帰え失せていた。
この事は、むかしより今に替る事はなかった。
二十束、三十束を買って置いていても消え失せるせる薪木は、必ず十束めの薪であった。
それで、考えて工夫をし、常時九束づつ取り置けば、何の変わったこともなく、薪が消え失せる事もなかった。
しかし、九度めの薪木を取り置きいた時の事である。しばらくして、九束の薪木が一つ残らず消え失せた。
仕方が無いので、今に至るまで、十束づつ買い取っているが、一束が消えるのは、そのままにしている、との事である。
怪しく不思議な事である。
薪が消える話 2023.8.5
因州(因幡。今の鳥取県)の人の語ったことである。
その人の伯父の家には、昔から代々奇異なる事があった。
薪を買って、十束を積んでおき、九束めを積んである部屋へ取りにゆくと、十束めの薪木が残っているはずであるが、帰え失せていた。
この事は、むかしより今に替る事はなかった。
二十束、三十束を買って置いていても消え失せるせる薪木は、必ず十束めの薪であった。
それで、考えて工夫をし、常時九束づつ取り置けば、何の変わったこともなく、薪が消え失せる事もなかった。
しかし、九度めの薪木を取り置きいた時の事である。しばらくして、九束の薪木が一つ残らず消え失せた。
仕方が無いので、今に至るまで、十束づつ買い取っているが、一束が消えるのは、そのままにしている、との事である。
怪しく不思議な事である。
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