「日本の地位は躍進したが、日本は、個人も国家も、謙譲なる態度と努力とによってのみ大成するものである、という極めて見易き道理を忘却してしまった。これは余りにも、日本的でないのであるが、物質文明の滔々たる濁流に流されて、実際寸前の利益感情に捉われ、個人及び国家の永遠の安寧や理想を顧みる良識を欠くに至っていた。これは昭和の動乱の原因でもあり、また動乱を通して見得る不幸な現象であった」(重光葵「昭和の動乱」より)
日中戦争から第二次世界大戦という厳しい状況の中、外交官・外務大臣として戦争回避、和平工作に紛争した重光葵がA級戦犯として巣鴨拘置所に拘留されている時に戦後の日本に向けて書かれた書物ですが、今この時期に一読すべき書物だと思います。
日中戦争から第二次世界大戦という厳しい状況の中、外交官・外務大臣として戦争回避、和平工作に紛争した重光葵がA級戦犯として巣鴨拘置所に拘留されている時に戦後の日本に向けて書かれた書物ですが、今この時期に一読すべき書物だと思います。