ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

腹腔鏡下手術の診療報酬、大幅アップ

2006-04-11 | 腹腔鏡
今年度の診療報酬改正、婦人科腹腔鏡下手術について主なものをみてみる。

子宮全摘術29,300点→38,500点
子宮付属器腫瘍摘出術16,800点→18,600点
子宮筋腫核出術25,300点(変わらず、ただし子宮付属器腫瘍摘出術を併施した場合、
18,600点の100分の50が算定できるようになった。つまり34,600点)
子宮内膜症病巣除去術 17,100→19,100点
直腸切除術 27,000点→42,100点
主なものはアップしている。
ただし、子宮附属器癒着剥離術は若干下がってしまった。(18,300点→17,900点)

子宮全摘術の点数は驚きである。
たとえば、子宮腺筋症と卵巣チョコレート嚢胞で、腹腔鏡下で子宮全摘術と附属器摘出をすると、
38,500+18600/2=47,800点・・・なんと目が点になりそうだ。

開腹による子宮全摘術は17,600点しかない。
細かいところは覚えていないが若干下がったような気がする。
腹腔鏡下手術に関してはディスポ製品込みではあるが、
これだけ点数に差があれば腹腔鏡でやるほうがずっと収益が上がると思う。

結局、腹腔鏡下でできるケースは腹腔鏡でやってくれと言うことだ。
腹腔鏡でできるものを開腹ばかりやってきては収益があがらないようになっていくだろう。
何はともあれ、腹腔鏡下手術の点数が大幅に上がったのは朗報である。

しかし、残念なのは、子宮内膜症病巣切除が19,100点しかないことである。
ダグラス窩閉鎖を開放して深部病巣を切除して3~4時間のオペをしたとしても、
この点数では赤字になりかねない。
(直腸表面を削れば42,100点と大幅アップなのであるが…)

そこで、私の提案である。
子宮内膜症病巣切除術自体は、16,000点くらいでいいと思う。
しかし、ダグラス窩閉鎖開放術を8,000点、
子宮内膜症深部病巣摘出術(焼灼はダメ)を10,000点くらい加算させて欲しい。

そうすれば、フルコースの手術で34,000点となり、
数時間かけても、病院にとってもやりがいのある手術となるだろう。
ハイリスク、ローリターンの手術では誰もやりたがらないし、
病院から儲からない手術は止めてくれと言われかねない。
正当な診療報酬が支払われないのであれば、
子宮内膜症に対する手術は進歩も普及もしないと思う。
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