瀧川鯉八…『新聞記事』
春風亭笑松…『ちりとてちん』
春風亭笑好…『ぜんざい公社』
春風亭柳之助…『肥甕』
《お仲入り》
春風亭昇乃進…『課長はつらいよ』
春風亭鹿の子…『蝦蟇の油/奴さん・姐さん』
春風亭小柳枝…『抜け雀』
末広亭や池袋演芸場の定席という選択肢もある中、大好きな小柳枝師匠の一門会があるというので池袋の東京芸術劇場まで足を運びました。
一昨日、柳之助師匠にチケットをお願いしておきましたが、6時開場の15分前には東京芸術劇場の地下一階は既に長蛇の列。
何とか最前列席を確保し開演を待ちますが、その30分の間に304ある席はほとんど埋まりました。恐るべし、小柳枝一門!
開口一番は小柳枝師匠の弟弟子である鯉昇一門から鯉八さん。
いわば伯父さんの会に甥っ子が勇躍登場!という感じです。
最初は静かだった客席も、鯉八さんの落ち着きある高座に笑いがおき始め、最後は大きな拍手が送られていました。
鯉八さんは前座の任を見事に果たしました。
五番弟子の笑松さんはマクラが長すぎたのか、後半が駆け足気味でした。
もう少し時間配分を考えて、特に「ちりとてちん」を食べる場面はもっと粘りを見せて欲しかったと思います。
とはいえ、笑松さんは私と同じ“近鉄バファローズファン”の同志ですから、今後も末永く見守って行きたい方です。
いきなり噛んじゃった四番弟子・笑好さん。公社内の1階から10階を階段で行ったり来たりという、ちょっと現実から遠い設定のためかリアリティに欠けた感があります。
落語にリアリティを求めてもと思いますが、せめて6階ぐらいまでの往復だったら良かったのにと感じた噺でした。
ここからの3人は春風亭柳昇師のお弟子さんで、柳昇師没後に小柳枝師匠の預かり弟子となった、いうなれば小柳枝師匠の“兄弟弟子”。
入門順でいえば一番弟子となる柳之助師匠。
一昨日にお話をした際、10日の広小路亭で「肥甕」を聴いたことを伝えると、
『実は一門会で「肥甕」をかけるんですよ。いいですか?』
いいも悪いも肥甕は大好きな噺ですから、またまた聴けて大喜びです
広小路亭は20分で、サゲもご飯を食べてむせる男に兄貴分が『水持ってきてやんな』まででしたが、今日は30分高座で最後のサゲまでしっかり聴かせていただきました。
場内は年配の、それもご婦人が多かったのですが、とにかく陽気に笑う客席に柳之助師匠もフル回転でした
お仲入り後は二番弟子にあたる(?)昇乃進師匠。
新作派で普段なかなか拝見する機会がないのですが、今回も6人中唯一の新作。
現代の若者の言葉と生態を巧みに表した内容で、こちらは若い女性にウケていました。
ヒザは三番弟子(?)鹿の子さん。紅一点の登場で高座が明るくなります。鹿の子さん自らも
「メタボな一門の、一服の清涼剤」・・・確かに…
縁日の見世物小屋から浅草・奥山通りでやっていたという「蝦蟇の油」
初めて浅草で鹿の子さんの“蝦蟇口上”を聴いた時は衝撃でしたが、今回も見事な言い立て!
刀で腕や頬を切る場面がちょっとわかりにくい(柄を持つ部分が遠い)のと、最初の言い立てで満足感が出てしまったのは残念ですが、噺の後には高座上で寄席の踊り(奴さん姐さん)を披露。
華やかな高座を一層引き立てて師匠につなぎました。
「待ってました!」の声があちらこちらから掛かる中、小柳枝師匠がいつものように腰をかがめた独特のかたちで登場。
今日は黒の紋付姿ですが、これぞ江戸言葉の、
粋で様子がいい
ですね。
柳昇師が亡くなったのが4年前の6月16日。3人の兄弟弟子を預かり、柳之助師匠と昇乃進師匠が昨年真打昇進。鹿の子さんも2~3年後には真打になるだろうと話し、柳昇師の祥月命日の3日後に初めての一門会を開けたことに感慨深げの様子です。
私は「青菜」か「船徳」を予想していたのですが、海外旅行が身近になったが、江戸時代は船や駕籠で旅をしたとマクラで言ったことから「船徳」?「蜘蛛駕籠」?
まさかねぇ…
「東海道・小田原の宿」と聞いて、
『“抜け雀”だ』
そこからはもう“小柳枝の世界”にドップリと浸りました。
素晴らしい噺で、もう感想を書くのが失礼に思えます。
噺が終ると場内割れんばかりの拍手!
300人のお客さんも皆、満足げな顔ばかり。
5人のお弟子さんに見送られ、柳之助師匠にご挨拶をして池袋の街を後にしました。
春風亭笑松…『ちりとてちん』
春風亭笑好…『ぜんざい公社』
春風亭柳之助…『肥甕』
《お仲入り》
春風亭昇乃進…『課長はつらいよ』
春風亭鹿の子…『蝦蟇の油/奴さん・姐さん』
春風亭小柳枝…『抜け雀』
末広亭や池袋演芸場の定席という選択肢もある中、大好きな小柳枝師匠の一門会があるというので池袋の東京芸術劇場まで足を運びました。
一昨日、柳之助師匠にチケットをお願いしておきましたが、6時開場の15分前には東京芸術劇場の地下一階は既に長蛇の列。
何とか最前列席を確保し開演を待ちますが、その30分の間に304ある席はほとんど埋まりました。恐るべし、小柳枝一門!
開口一番は小柳枝師匠の弟弟子である鯉昇一門から鯉八さん。
いわば伯父さんの会に甥っ子が勇躍登場!という感じです。
最初は静かだった客席も、鯉八さんの落ち着きある高座に笑いがおき始め、最後は大きな拍手が送られていました。
鯉八さんは前座の任を見事に果たしました。
五番弟子の笑松さんはマクラが長すぎたのか、後半が駆け足気味でした。
もう少し時間配分を考えて、特に「ちりとてちん」を食べる場面はもっと粘りを見せて欲しかったと思います。
とはいえ、笑松さんは私と同じ“近鉄バファローズファン”の同志ですから、今後も末永く見守って行きたい方です。
いきなり噛んじゃった四番弟子・笑好さん。公社内の1階から10階を階段で行ったり来たりという、ちょっと現実から遠い設定のためかリアリティに欠けた感があります。
落語にリアリティを求めてもと思いますが、せめて6階ぐらいまでの往復だったら良かったのにと感じた噺でした。
ここからの3人は春風亭柳昇師のお弟子さんで、柳昇師没後に小柳枝師匠の預かり弟子となった、いうなれば小柳枝師匠の“兄弟弟子”。
入門順でいえば一番弟子となる柳之助師匠。
一昨日にお話をした際、10日の広小路亭で「肥甕」を聴いたことを伝えると、
『実は一門会で「肥甕」をかけるんですよ。いいですか?』
いいも悪いも肥甕は大好きな噺ですから、またまた聴けて大喜びです
広小路亭は20分で、サゲもご飯を食べてむせる男に兄貴分が『水持ってきてやんな』まででしたが、今日は30分高座で最後のサゲまでしっかり聴かせていただきました。
場内は年配の、それもご婦人が多かったのですが、とにかく陽気に笑う客席に柳之助師匠もフル回転でした
お仲入り後は二番弟子にあたる(?)昇乃進師匠。
新作派で普段なかなか拝見する機会がないのですが、今回も6人中唯一の新作。
現代の若者の言葉と生態を巧みに表した内容で、こちらは若い女性にウケていました。
ヒザは三番弟子(?)鹿の子さん。紅一点の登場で高座が明るくなります。鹿の子さん自らも
「メタボな一門の、一服の清涼剤」・・・確かに…
縁日の見世物小屋から浅草・奥山通りでやっていたという「蝦蟇の油」
初めて浅草で鹿の子さんの“蝦蟇口上”を聴いた時は衝撃でしたが、今回も見事な言い立て!
刀で腕や頬を切る場面がちょっとわかりにくい(柄を持つ部分が遠い)のと、最初の言い立てで満足感が出てしまったのは残念ですが、噺の後には高座上で寄席の踊り(奴さん姐さん)を披露。
華やかな高座を一層引き立てて師匠につなぎました。
「待ってました!」の声があちらこちらから掛かる中、小柳枝師匠がいつものように腰をかがめた独特のかたちで登場。
今日は黒の紋付姿ですが、これぞ江戸言葉の、
粋で様子がいい
ですね。
柳昇師が亡くなったのが4年前の6月16日。3人の兄弟弟子を預かり、柳之助師匠と昇乃進師匠が昨年真打昇進。鹿の子さんも2~3年後には真打になるだろうと話し、柳昇師の祥月命日の3日後に初めての一門会を開けたことに感慨深げの様子です。
私は「青菜」か「船徳」を予想していたのですが、海外旅行が身近になったが、江戸時代は船や駕籠で旅をしたとマクラで言ったことから「船徳」?「蜘蛛駕籠」?
まさかねぇ…
「東海道・小田原の宿」と聞いて、
『“抜け雀”だ』
そこからはもう“小柳枝の世界”にドップリと浸りました。
素晴らしい噺で、もう感想を書くのが失礼に思えます。
噺が終ると場内割れんばかりの拍手!
300人のお客さんも皆、満足げな顔ばかり。
5人のお弟子さんに見送られ、柳之助師匠にご挨拶をして池袋の街を後にしました。