アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

899 新シリーズ 令和に巡る京の神社  ⑫  三宅八幡宮

2022-01-28 10:49:59 | 日記

第12番 三宅八幡宮

 

京都市左京区上高野三宅町22

主祭神    応神天皇

ご利益 夜泣き、安産、学業成就の他、虫退治の神として害虫駆除

神社にお参りすると、子供のよだれかけや、赤ちゃん用の人形などが大量に奉納されている光景を見る。地蔵菩薩を祀る寺院などには必ず見かけるが、ここ、三宅八幡宮はそれらに加えて、小さくてカラフルな陶器の鳩人形があらゆる場所に置いてある。扁額の「八幡宮」の八も鳩が向かい合っているように見える。本殿両側には、狛犬ならぬ狛鳩が置いてある。

さて、ここは言うまでもなく、子供の守り神として「かんの虫封じ」、「安産」、「学業成就」などに加えて「虫(害虫)退治の神」とも言う。勿論、疳の虫とは、子供がグズルことを言うのであって体内に虫がいるわけではない。昔の人は、原因不明の体調不良は「虫」のせいにした。「はらの虫」が収まらないとか、「むしやしない(小腹が空いたときにちょっと食べる事)」とか言った。それが害虫駆除にもご利益があるとなれば、雨やみが、眼病みに転じるなどの「しゃれ」である。別名「虫八幡」とも呼ばれる所以である。

由緒書きによれば、このあたりを本拠地にしていた小野氏の妹子が、遣隋使として隋に赴いたとき病気になった。宇佐八幡宮に祈願するとたちまち病気が治り無事帰国することが出来き、それで帰国後に、宇佐八幡宮を勧請し建立したのが始まりだという。造営当初は以前紹介した崇道神社の摂社伊太多神社の境内にある末社の一つとして建てられたようだ。

また、境内には比叡から八瀬を経た良質な水が流れ出ていて、手水や庭園の池水を満たしている。確かに、贅沢にも池の噴水は人がいなくてもいつも勢いよく噴き出ている。京都は市中でも飲水に耐えうる清水が湧き出ているが、こちらは水源に近くさぞかし美味い水だろうと思われる。(飲まなかったのは、昨今の感染症対策の為柄杓が置かれていなかった為。)周辺は、岩倉にも近くまた、大原への街道沿いでもあり古来より重要拠点であったようだ。洛中を離れ隠棲する高級貴族がこのあたりの神社や寺院にお参りする姿が想像される。政争に敗れたり高齢の為引退するなど複雑な事情を抱えて訪ねる姿がだ。

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