第5番 綾戸国中神社
京都市南区久世上久世町446
綾戸神社 大綾津日神・大直日神・神直日神
國中神社 素盞嗚尊
京都中心から桂方面へ、久世橋を渡り新幹線の高架をくぐる手前にある神社が、京都三大祭りの一つ「祇園祭」の重要神社であることは余り知られていない。こちら綾戸国中神社の御祭神である素盞嗚尊は荒魂であり、一方八坂神社の素盞嗚尊は和魂である。つまり八坂神社から神輿で市中にお出ましただく為には両御魂の合体が必須条件なのだ。「國中社は素盞鳴尊の荒御魂なり。八坂郷祗園社は素盞鳴尊の和御魂なり。依って一体にして二神,二神にして一体で神秘の極みなり。」さらに「若し此の駒故なくしてお滞りあるときは,必ず疫病流行し人々大いに悩む。」と古文書にある。祇園祭りはその久世駒形稚児の到着がなければ始まらないのである。7月13日に長刀鉾稚児社参と同日に行われる。
拝殿
相当霊力の強い神社であるが、幹線道路が真ん前に走り車がひっきりなしに行きかう。普段はお参りする人もなく住宅地にひっそりと鎮まっている。敷地の一部が新幹線をはさんでいるようで荒ぶる神が安らかなのか気になるが、応仁の乱・禁門の変(蛤御門の変)以降、京都は大きな空襲や震災もなく、古都の風情を残していることを思えば怒っておられないように思うしかない。