アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

897 新シリーズ 令和に巡る京の神社  ⑪ 崇道神社

2022-01-26 12:32:32 | 日記

 

第10番  崇道神社

京都市左京区上高野西明寺山34

主祭神 崇道神社

 

時として強い霊力を感じるいわゆるパーワースポットがある。

崇道神社は早良親王を主祭神としているので、霊力が強いのは当然だ。その理由は平安京遷都前の長岡京造宮時、藤原種継が暗殺された事件で、早良親王が首謀者として監禁の後、悶絶死した事件にある。その後の経緯から皇位継承争いがその真相であり冤罪は明らかだった。しかも、事件後皇族や関係者に原因不明の死者が出る。結果、その霊を慰めるため貞観年間(859年~877年)に創建されたのが崇道神社で、大正4年に近隣の出雲高野神社・伊多太神社・小野神社の3社が合祀され今日に至る。 白川通りから大原に向かう街道沿いにある。近くには、蓮華寺、三宅八幡宮、近年人気の瑠璃光院など見どころは多い地域だ。

境内社である小野神社(祭神:小野妹子・小野毛人)の、には国宝の「金銅小野毛人墓誌」があり奈良時代の墓誌が江戸時代に発見された。崇道神社背後の山中で発見されたものだ。参道途中からそこに向かう山道があったが、残雪の急な傾斜の道が見えたので今回は断念した。

正面大奥の崇道天皇を祀る社に参拝し、社務所によって「由緒書き」を頂きしばし神職と話しした。周囲に漂うただならぬ霊気を感じながら、近年特にパワースポットとして有名になって訪れる人も多くなったとおっしゃっていた。早良親王の荒魂が再び暴れないように願いたいものだ。来た道を振り返ると知らないうちに相当な高地に来たことに気づく。御魂は遠く平安御所を見下ろしているようにも思う。崇道天皇を祭神にする神社は、藤森神社、上御霊神社などあるが、崇道天皇のみを祭神にするのはここだけである。

なお、もう一つの摂社伊多太神社は、当地の氏神様で「湧水の神」である。伊多太は、イタタ、イイタ、イタテと読み「ユタテ(湯立)」との洒落(言葉合わせ)かと思われる。クガタチ(盟神探湯)がその原型かと言われる。それは古代日本で行われていた神明裁判のことで、ある人の是非・正邪を判断するための呪術的な裁判法である。一方、湯立は巫女が沸騰した湯を周囲に振りまき厄を払う儀式となっている。なお、伊多太はいたた(痛た)となり、痛み軽減の御利益があるとされている。神社の御利益は洒落で決まるのである。

本殿参道の西側に鎮座している。コロナ禍の国民の「心の痛み」の軽減を心からお祈りした。極寒の中、帰路冷たい風が、何か快く感じた。

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