脳出血で無職になった親父のブログ

株式投資に腕時計が好きなオッサンのブログです。年齢を重ねスピリチュアルにも興味を持ったお蔭で人生感も変わりました。

心の砂漠『食べることへの恐怖そして・・・』 病院模索と死の恐怖

2014年08月04日 12時59分43秒 | 拒食症との戦い
洗面所でタオルを絞り妻に手渡すと妻が長女のパジャマの隙間から手を入れタオルをそっと、あてがうのでした。暫くは苦しそうな表情をしていた長女の顔が少しづつ穏やかになり”ハァハァ”と言わなくなったのです。長女が落ち着いてきたので抱きかかえ1階のリビングへと運びました。抱きかかえた時、異常に長女が軽く・・スッと持ち上げた時・・(え?こんなに?40キロあるんやろうか・・)苦しさは治まったものの、ぐったりとした長女を見て『病院へ行こう・・』と私が言うと『行か・・へん・・』目を瞑って、ぐったりしつつも病院へ行くことを拒みつづける長女に『とにかく病院へ行こう・な・・頼むから』長女が拒むには無理からぬ理由があります。県立医大をスタートに総合病院そして近所の診療所でも『食べたら治る。食べないと死ぬよ』そんなことを聞かされ処方薬も無いので缶入りの栄養ジュースを処方されましたが飲むわけもなく・・どこに行っても2食べろ食べろ”だけ・・・拒食症の患者に対して最大の禁句は『食べろ』なのです。その禁句を言えば言うほど本人は食べることを拒み抵抗する・・長女の拒食症に気づき、その禁句を知るまで私達夫婦は何度、『食べろ』と言ったのか計り知れません。何とか長女を説得し会社へは遅刻することを伝え市内の循環器クリニックへ電話したのが午前9:30看護師に代わってもらい娘が拒食症であること・・それと絶対に食べることを言わないことを、お願いし連れていきました。自宅から15分ほど車を走らせ着いた『M田循環器内科クリニック』自動ドアが開き娘は待合のソファに座らせ受付へ行き『先程、電話した者です。事情はお伝えした通り食べることは言わないでください・・今朝、動悸が激しく苦しいと言っていたので来ました。今は落ち着いています。』そう伝えると『わかりました。先生には伝えておきます。』受付の女性は娘の容態を気遣ってくれる言葉・・暖かいイントネーションだったので安心し娘を任せたのです。やがて『○○さ~ん○○A香さ~ん』と呼ばれ妻と長女が診察室へ入っていきました・・数分後『帰るッ11いやや!!』長女の声が聞こえたので診察室へ向かう廊下で険しい表情で妻と娘が診察室から出てくるのが見えた・・私は近寄り『どうしたん?』そう尋ね、妻を見ると妻の目に涙と(食べろって言った)そう言わんばかりの目で『お父さん、とにかく帰ろ!帰ってから話すし・・』長女は俯いたまま黙っている・・とにかく会計を済ませ車に乗り込むと妻も長女も一言も口を開かない重い空気が車内を漂った。自宅に着き車をガレージに入れるやいなや長女は下り後から妻も慌てており自宅へ入っていった。何事がクリニックであったのか大方の予想はついていたが何とも重い優鬱な空気が自宅全体を覆っているようだった。エンジンを切り私も自宅に入ろうとドアを開けると『そやから病院なんかイヤヤって・・言うたのにーーー!!』奥から長女の泣き叫ぶ声が耳をつきさすように聞こえてきた『もう!!絶対に行かへん・・食べろ!!食べないと死ぬ!どこの医者も同じことしか言わへん!!ウチの気持ちなんかお父さんも、お母さんも全然、わかってへん医者なんか糞やーー』あれほど私が電話で言い受付でも言ったのに・・『食べろ、食べないと死ぬ』これを医師は言ったんか・・私は携帯を手にとりM田循環器クリニックへ電話したのです『RRR♪ はいM田循環器クリニックです』事前に電話で拒食症であることを伝えた女性は、あらかじめ名前を聞いておいたので代わってもらうと『あれほど食べることを言わない約束でしたよね?先生、言ったようで妻も本人も今、大変なんですけど・・』そう伝えると『すみません・・確認し折り返し電話します。』暫くしてクリニックの女性から電話が入り『申し訳ありません・・ご本人の痩せ方が著しく先生としては食べることを言わないとA香さんも危機的状態で突然の心不全を起こす可能性があるため栄養を取るように言ったとのことです・・また精神的なことなら心療内科で相談するのも方法・・』私は言葉を遮り『その大きなお世話が更に拒食に走らせるんや!!心療内科?そんな事は百も承知や!!精神科の医師がサジ投げしてる・・今回は動悸が激しかったから、そのことだけ診てくれって言ったやろ!!娘が死んだらどうすんねん!!』私も自分を見失い思わず女性に対し声を荒げ言ってしまったのです。ふっと我に返り『とにかく、もう、そちらには、お世話になりません。』そう言って電話を切りました。その日、私は仕事に行き妻は学校を休み、ただ茫然と窓の外を眺めている長女の姿に悲しく・・寂しい思いで見守っていただけでした。
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