脳出血で無職になった親父のブログ

株式投資に腕時計が好きなオッサンのブログです。年齢を重ねスピリチュアルにも興味を持ったお蔭で人生感も変わりました。

心の砂漠『食べることへの恐怖そして・・・』 登り始めた山

2014年08月01日 09時59分24秒 | 拒食症との戦い
ある朝、いつものように妻は朝食の支度。・・チンッ♪オーブントースターの音が鳴り、いつものように食パンにヨーグルト、バナナにコーヒー・・(これが私の朝食の定番)新聞を片手に食パンを口に運ぶと・・妻が『何?何か聞こえる・・A香・・』ハァッ・・ハァ~息苦しい声が聞こえてきたのでリビングのドアを開けると2階からフラフラと制服に着替えた長女が下りてきたのですが表情は険しく、かなり、しんどそう・・『どうしたの?気分が悪いの?』そう尋ねる妻に『大丈夫やから・・学校・・行く・・』そう言い、そのままトイレへ・・暫くしてトイレから出てきた、その瞬間 ”バタッ”床に倒れた音がしたので、再びリビングのドアを開けると長女が床に倒れ『く・・苦しいねん・・胸のあたり・・ハァ・・ハァ・・』床に倒れ、どうにも起き上がれそうになく『大丈夫か!?』そう私が声をかけるのですが苦しそうな表情をするばかり・・『病院へ行こう!!』そう叫び会社へは遅刻の連絡を済ませ車で20分程さきの総合病院へ連れて行きました。この病院は救急病院でもあり診察外来以外の時間でも事前に連絡すれば早朝・深夜を問わず診てくれるのです。病院へ症状を伝え連絡を済ませ自宅を出たのが朝7時半頃・・妻と長女そして私が病院の夜間入口で手続きを済ませ、たまたま循環器内科の先生がおられたので診てもらいました。見ためは30歳そこそこの若い男の先生で『とにかく・・こちらへ』そう先生が言った瞬間『いややーーー!!病院なんかッ!!』急に大声で叫ぶ長女に妻も私も驚くばかりで・・『どこも悪くないーー学校行くッーー!!』長女の肩を抱いていた妻の手を振りほどこうと暴れはじめたのです・・医師と看護師数名が長女を宥め・・とりあえずベッドに寝かせようとするのですが『触るなッ!!帰るーー』叫び続ける長女に私が叱りつけ漸く大人しくなったのです。医師より状態を聞かれ妻が答えてる最中、医師より『お嬢さん・・体重は?かなり痩せているみたいですが・・ひとまずレントゲンと心電図をとります。』そういう医師に状況を正確に伝えるため『拒食症』であることを言いました。暫く黙って聞いていた医師は重々しく口を開くと『心の病気・・です・・ね。栄養剤の点滴もしておきます。』そう言い長女も心電図・レントゲンには応じたのですが・・看護師が点滴の準備にとりかかると『点滴なんか!!いらんッ!!ウチを太らせる気ィかぁ!!止めろッーーやめてぇーーーー』また大きな声が点滴室から響き医師も私達も点滴室へと小走りに向かうと看護師に抵抗する長女の姿が痛々しく見えました。さらに腕は細く足は腕のように・・そう腕で立っているような・・暫くジャージ・長袖・マフラーにマスク・・露出を全くしていなかったせいか娘の激ヤセ振りが見えてなかったのですが、この日は病院の衣類に着替え検査したので今まで見えなかった長女の身体が・・その変貌振りに妻も私も驚くばかりでした。何とか点滴を済ませ嫌がる体重測定をさせると【40キロ】ジャスト・・県立医大で42キロを切れば閉鎖病棟・・そう言われていたデッドラインを超えていたのです。幸い心電図・レントゲンには異常が見られず医師から『栄養不足です。・・お父さん・・お母さん・・A香ちゃんんの身体に異常が見られたら、いつでも連絡して私に言ってください。私が診ますから・・』そう言ってくれた医師の眼には少し涙が浮かび上がっていました。『ありがとうございます。』妻と深々、お礼を言い医師の名前を聞くと病院を後にしました。自宅に着いた長女は1階の客間に腰を下ろし茫然と窓の外の風景を眺め一言も話さず学校も結局、休み・・私が仕事に行った後も部屋から出ようとせず、ただひたすら外の風景を茫然と眺めていたようです。この日を境に暫くの間、家族とは全く口をきこうとはしませんでした。私も妻も40キロになった長女の体重が気がかりでネットでありとあらゆる関連サイトを検索・・そのうち2つ拒食症の治療を専門とするカウンセラーを見つけたのでした。県立医大へは初診から数え3度行きましたが、ただ食べろ・・食べないと死ぬ・・閉鎖病棟に入院させ拘束すると脅しをかけ体重維持増加させようとするばかりなので通院をやめていたのです。先の2名のカウンセラーは大阪と神戸におられホームページを見ると、少し違った何かを感じ妻に相談し行くことを決心しました。拒食症・・この病気に処方する薬はありません・・あるのは『愛』これが一番の処方箋です。私達夫婦は正直、このことに全く気付かず医者やカウンセラーを頼り自分たちが娘と向き合ってないばかりでなく『愛』を注がず行動していたことが一層、長女の『拒食症』を悪化させることになるとは・・この時点では全く・・予想も理解もしていませんでした。
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