部屋の中へ妻と二人入り、眼鏡をかけたカウンセラーは私達の対面にある椅子に腰を下ろし『お電話を頂きましたが娘さんが拒食症だということですね?』カウンセラーの問いに黙って頷く私達。『拒食症は治ります』まず、まっさきに自信に満ちた一言が私達を勇気つけてくれました・・その後、約2時間『拒食症』に関する説明、治療方針・・そして娘の状況を伝え、その日は終えたのですがカウンセリング1回あたり25000円は高く保険も効きません。相談を終えたカウンセラーは『カウンセリングを希望される時は、お電話で事前に予約してください。』淡々と話すその空気は、もう最後の砦になり切羽詰まった私達の心を見抜いているかのようでした。この日の相談でカウンセラーが言うのには・・拒食症は食べない食べられないのが病気でなく心の病気によって表れている症状で、いわゆう真面目で親の言うことを誠実に守る子にかかりやすいとのことです。キッカケはダイエットが多いのは確かで体重が目標通り減っていくことで充実感も得るらしく元々は真面目な性格なので目標達成すると、どんどん・・のめりこんでいくようです。心の中にたくさんのストレスを抱え知らず知らずに疲れ悩んでいるときに自分自身がダイエットで目標を立て達成感を味わうと・・そして治療のカウンセリングは基本的に両親を主体とし本人とは面談は行わないとのことでした『なんで?本人が拒食症やのに私ら夫婦がカウセリングを受けないとアカンの?』センターを退室した後に妻が言うので『俺も・・それは思った・・けど何となく、その質問は出来へんかった・・』マンションのエレベータからエントランスへの出口まで、そんな会話をしてると外は既に日は落ち暗く道路沿いには小さな食品スーパーやクリーニング店があり未だ人も行きかっていて活気を感じながら『お父さん・・25000円・・高くない?』足取りは決して軽いとはいえないまま二人で駐車場へテクテクと歩きつつ『そうやなぁ・・高いけど・・でも・・ここしか頼るとこ・・あらへん・・はっきり治るって言ってくれたとこ・・ここだけやろ?』そう妻に言うと『そうやね・・頑張ってみようか。』二人でそう決意し車に乗り込んだ。『あーーお腹空いたぁ~E香には遅くなるって言ってある。レンジでチンして食べるようメールしておいたから、お父さん食べて帰れへん?』『そうしようか。』時計は20:30を過ぎたあたりになっていた。新御堂を江坂まで下り国道176号線に出るまでに食堂のチェーン店があるので、そこで夕飯を済ませ阪神高速の豊中南から帰路をとった・・横に居る妻を見ると余程、疲れたのか眠ってしまっている。(ここから1時間かぁ・・)そう思いアクセルを踏むのであった。
この日の時点で私達夫婦は未だ娘達の本当の『心の叫び』を未だ理解していません。拒食症の原因は自分たち夫婦にある事を・・・本当の戦いは・・ここからでした。この時の長女は学校も休みがちになるほど状態は悪化し、服も、あれほど大好きであったのに毎日ジャージ姿にマスクをしていました。手首は細く手の甲も老婆のような筋・・浮き上がった骨は痛々しく顔も法令線が出て、とても高校生には見えません。勿論、会話らしい会話もなくバイト先のコンビニでの廃棄商品だけを冷蔵庫にしまうときだけ『お母さん・・このプリン美味しいしお父さん・・俺のエクレア・・食べてね・・』それだけ言うと1階の客間に引きこもるだけです・・布団も万年床状態。2階の自分の部屋は荒れ放題・・私達も注意すると余計に食べなくなると思い注意の出来ない親になってしまっていました。体力がなくとも学校は休んでもアルバイトだけは自分のバイクで行くのです・・夕飯を済ませ自宅に着いたときは10時半を過ぎていました。駐車場には長女のバイク、次女の自転車があり二人とも自宅にいるようでした。玄関ドアを開け『ただいま・・』妻が言っても何の応答もありません。長女が拒食症になるまでは賑やかで明るかった我が家でしたが今は・・客間の襖は閉まっており隙間から明かりが漏れていたので『入るぞ!』私が襖を開けると携帯を触り暗い表情で俯いて黙っている長女の姿を見ると何も言えなくなり襖を閉めました次女も2階お自室におり下りてくる気配はありません。妻と二人でリビングで『今日、A香、何食べたんやろ・・』ポロッと言う妻の表情は暗く『明日・・今日のY心理療法センターへ電話して予約しておくから・・』対面キッチンの上に目をやる妻の視線を追うと・・そこにはスーパーで売っている野菜の空パックが置いてありました。(今日の夕飯・・野菜だけ食べたんや)そう心でつぶやくだけでした。
この日の時点で私達夫婦は未だ娘達の本当の『心の叫び』を未だ理解していません。拒食症の原因は自分たち夫婦にある事を・・・本当の戦いは・・ここからでした。この時の長女は学校も休みがちになるほど状態は悪化し、服も、あれほど大好きであったのに毎日ジャージ姿にマスクをしていました。手首は細く手の甲も老婆のような筋・・浮き上がった骨は痛々しく顔も法令線が出て、とても高校生には見えません。勿論、会話らしい会話もなくバイト先のコンビニでの廃棄商品だけを冷蔵庫にしまうときだけ『お母さん・・このプリン美味しいしお父さん・・俺のエクレア・・食べてね・・』それだけ言うと1階の客間に引きこもるだけです・・布団も万年床状態。2階の自分の部屋は荒れ放題・・私達も注意すると余計に食べなくなると思い注意の出来ない親になってしまっていました。体力がなくとも学校は休んでもアルバイトだけは自分のバイクで行くのです・・夕飯を済ませ自宅に着いたときは10時半を過ぎていました。駐車場には長女のバイク、次女の自転車があり二人とも自宅にいるようでした。玄関ドアを開け『ただいま・・』妻が言っても何の応答もありません。長女が拒食症になるまでは賑やかで明るかった我が家でしたが今は・・客間の襖は閉まっており隙間から明かりが漏れていたので『入るぞ!』私が襖を開けると携帯を触り暗い表情で俯いて黙っている長女の姿を見ると何も言えなくなり襖を閉めました次女も2階お自室におり下りてくる気配はありません。妻と二人でリビングで『今日、A香、何食べたんやろ・・』ポロッと言う妻の表情は暗く『明日・・今日のY心理療法センターへ電話して予約しておくから・・』対面キッチンの上に目をやる妻の視線を追うと・・そこにはスーパーで売っている野菜の空パックが置いてありました。(今日の夕飯・・野菜だけ食べたんや)そう心でつぶやくだけでした。