脳出血で無職になった親父のブログ

株式投資に腕時計が好きなオッサンのブログです。年齢を重ねスピリチュアルにも興味を持ったお蔭で人生感も変わりました。

心の砂漠『食べることへの恐怖そして・・・』 エピソード4 包丁

2014年08月26日 10時56分26秒 | 裁判
ある夜のこと。リビングで妻と私が長女の拒食のことで口論をしていたのです。『9月1日・・救急車で運ばれたときからA香は体調が悪化したんや!!お父さんが叩いて首が痛いって・・あの日から急にや!!』妻はゲッソリ痩せて体重も30キロ前半まで落ち込み学校も休みがち・・日頃のストレスもあって、かなり爆発していました。私は私で仕事に長女のことで余裕もなく妻の言葉に怒りをぶつけ・・『俺だけの責任か?お前・・A香が中学の時、何て言った?”私、この子を愛せないって言ったん忘れたんか?あれで、どんだけA香が傷ついたか知ってるんか?』大人げなくも大きな声を知らず知らずのうちに張り上げていたのでした・・今、思えば娘の摂食障害は妻に全てを、なすりおつけ私は無関係であることを言っていたにすぎません。『そうや!!確かに・・私は言った!!けど、お父さんが叩いた9月1日以前はバイクに乗って学校もバイトも行ってたやん・・あの日の後から急に・・急に・・A香は・・お父さん大好きやねん・・そやから無茶苦茶ショックやったんと思う。』妻が言う通り小さい頃から長女は私から離れない子でした。その分、次女が妻に離れない子になっていき妻は次女を可愛がっていたのも事実です。二人の娘・・平等に『愛』を注ぐのが当然でしょう。しかし私達夫婦は頭ではわかっていたのですが行動は違っていました・・突然、妻が『聞いてる・・・』そう言い、リビングのドアを開けると、そこには無表情の長女が黙って立っていました。瞬間、私達3人の周りに異様な・・思い空気が包み込み『ウチにこと・・なんも・・わかってへん・・』そう静かに呟くと・・ゆら~っとした足取りでキッチンに向かうのです。妻も私も茫然としていましたが妻がハタッと我に返った時、既に長女は包丁を手にしていました。『殺して・・・』そう小さな声で呟く長女に妻は愕然と地べたに、へたり込んでしまいました・・そして『私が悪かったんや===!!』と叫ぶなり大声で泣き崩れたのです。長女は微動だもせず小さな声で『お父さんも、お母さんもウチが死にさえせぇへんかったらええんやろ?』ゲッソリ痩せ頬骨も浮かび法令線も出て、とても高校生には見えません・・いや、むしろ中年の生活疲れした女性のようでした。『愛してくれてへん・・のやったら、殺して・・その方が楽やし・・』今度は包丁の刃を自分にむけながら私の方に近寄ってきました。『早く・・はよう・・ウチを刺したらええやん』包丁を持つ手・腕は枯れ木のようで手は指先1本1本まで骨が浮かびシワは老婆のようで水分もなく骸骨を思わせるようでした。(以前は手の甲にエクボが出来るくらいやったのに)長女の手を見ているうちに目から涙が・・『お父さんが悪かった・・ごめん・・A香・・生きてほしい!!』精いっぱいでした『ウチの気持ち・・わかってへんくせに・・死にたいねん!!でも自分では死なれへんから殺してッ!!』声を荒げて叫ぶ長女に思わず抱き寄せようと思ったのですが手元に包丁を自分自身に向けている長女。抱き寄せれば包丁は、そのまま長女の身体に入りこみます。咄嗟の判断で抱き寄せることをやめました。『お父さんはA香に死んでほしくない。お母さんも同じや。今まで、お父さんとお母さんの考えだけをA香に押し付けてただけやった。ごめんな。』それ以上もそれ以下もない・・ただ、それだけ言うのがやっとでした。妻は泣き崩れ床に座り込んだままです・・長女見ると、その目から一粒の大きな涙が落ち自身の手の上を濡らしました黙って包丁をリビングのテーブルに置き何も言わず1階の客間へ戻るのでした。妻は長女の後を追うのですが振り向きもせず襖をピシャリと閉められると『ごめん・・・ごめんね・・ごめんね・・』ただただ襖の横で泣きながら謝っていました。
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