心の砂漠『食べることへの恐怖そして・・・』 拒食症カウセリングのエキスパート

無料相談のあとカウセリング予約し今日がその初日・・仕事もあるので土曜の午後7時に予約をしていました。阪神高速で豊中南を下りた。南森町が近いのであるが妻が実家に寄りたいと言うので時間も余裕を持って自宅を出ている『お父さん・・もう、ここしか頼るとこないかも・・・でも25000円は・・それで治るんなら高くないけど・・』助手席の妻が言う・・実家に行くと妻は”ホッ”とするのだろう・・豊中市の義母宅に着くと『たいへんやね・・ゆっくりしていきや♪』車のエンジン音を聞いてか玄関から義母が迎え出てくれた。『そんなに、ゆっくりも出来へんけど・・少し休憩してから行くワ』義母宅にあがり居間でくつろぐと『Ａ香・・どうなん？』義母が聞くので『今日、カウセリングに行くねん』コーヒーを飲みながら話す妻に『あんたら二人？本人は』少し驚いた口調で『なんで？治療ってＡ香やろ？』そう言う義母に『本人は来なくてええねんて。』そう答える妻に納得いかない義母の表情は印象的でした。実家を後にしてカウンセリングのＹ心理療法センターへ・・マンションの扉を開け受付に行くと『ご予約の○○様ですね・・どうぞ、こちらへ』前回通された部屋で待つこと5分・・眼鏡をかけた中年の男性が、お茶を持って入ってきた『それでは早速、はじめましょう』対面に座り『まず娘さんの、これまでの経緯を話してください。』そう言われ妻が高校2年のクラス替え以降の変化、アルバイトの状況、体重のこと・・精神科通院のこと全てを話すと『やはり真面目なお嬢さんですね。』そう話したあと拒食や過食になる多くの原因や病気になりやすい子供のタイプ・時期等の説明をされ『今、お嬢さんが一生懸命してることって何ですか？』カウンセラーの質問に対し『コンビニのアルバイトです。』妻が答えると『アルバイトを中心にお嬢さんと会話し、それを記録して次回、来てくれませんか？Ａ4のレポート用紙にまとめてください。今は富士の樹海に入っているのです。御家族全員・・私は道先案内人でしかありません。私が治すのではありません。御両親がお嬢さんを治すのです。私はお手伝いにすぎません。』この言葉に一瞬、耳を疑いました・・この時は（俺たちが治す？いやカウセリングなんだから貴方でしょう？）そう心につぶやくと『娘はこちらに来なくていいのですか？』隣に座っていた妻が切り出した。『お嬢さんは来なくて結構です・・時と場合によって来て頂くかも知れません。会話はお父さん、お母さんどちらでも結構です。そして必ず記録してください会話形式で・・出来れば会話そのままを記録して頂ければと思います』すると『娘の体重・・』と言う妻の言葉をさえぎるかのように『38キロを切ったら危険です内科的サポートは上本町に私の大学の後輩でＴ先生に話しておきましょう・・摂食障害の患者を数多く診察してます。』『わかりました』と未だ納得いかない妻の表情を見たカウンセラーは『病院・・行かないのでしょう？』そう言うと黙って頷く妻に『とにかく会話しましょう・・』その日のカウセリングは2時間・・料金を支払いマンションを出ると『私達が原因なんかな？』ボソっと妻が言うので『俺も、そう感じた・・Ａ香と会話・・これまで向き合ってしてたのかな？』『あのカウンセラー・・私らと向き合ってたよね？県立医大の先生って向き合ってへんかった・・パソコンばかり見て会話してた・・総合病院の・・あの若い先生も向き合ってくれてた・・私、ホッとしてん。あの時。今日も少しやけどホッとしてる。』長女はこの”ホッ”とする心が欲しかったんや・・今は、わかったのですが・・この時点ではまだまだ私達夫婦は理解しておらず暗闇の迷路にたたずむだけでした。いや長女が・・この時、富士の樹海で・・暗闇で泣き叫んでいたのは私達でなく長女であったことを、まだ・・わかっていない愚かな父と母でしかなかったのです。