顧問の先生より詫びの言葉を受け帰宅・・暴力を受けて何日か経過し私の顔面の腫れも漸く治まりました。空手道場のは週3日、通っていましたが、ある日、稽古が終わって・・『Y!ちょっと来い・・』師範に呼ばれ話を聞くと・・『お前、昇級試験受けろ・・まだ稽古して少しやから・・緑帯やけどな。』緑帯は6級です。初心者かた少し基本的な型も出来て簡単な護身が出来る程度ですが白帯脱却は嬉しかったですね♪師範にお礼を言うと『それとな、この前の剣道部の暴力のこと、ワシの友人の、お前の学校の先生と話し合った。先輩の親御さんと先輩全員が謝罪したいと言って来たそうや。それでな、今日、おやじさんにお前から話してくれるか?』私は了承し、早速、当日の夜、父に、この事を伝えたところ・・『そうか・・謝罪したいって?当たり前や。今回は師範も入ってるからあまり、大袈裟にはしとうないけど・・誠意なかったら相応の責任を学校と先輩の保護者にしてもらわんとな。』穏やかには話している父でしたが、その声は怒りに満ち溢れていました。そして次の日・・学校で再び担任から呼ばれ・・『Sさん(師範)から聞いてると思うけど・・・お父さんはなんと?』私は経過を伝えると『そうか、じゃ、いったんは、こちらで段取りをつけるから・・また、その時は頼むな?』どうやら裏では大事になっているのを私は感じました。今、思えば新聞沙汰にもなりかねず学校の信用は地に落ちます。それでなくとも、地元では問題の学校ですし・・私立ですから翌年の生徒の集まりにも影響があるでしょう・・剣道部は大阪府において、そこそこ強いらしくPL学園や清風学園には及ばないものの当時は大会でも、いいところまで行っていたそうです。なので不祥事で大会辞退は学校としても避けたいのはあったと思います。そして・・数日後、師範より・・『ワシの自宅に全員、集まることになった。本来やったら、お前の家が筋やけども全員となると・・』確かにウチの家では不可能・・狭い団地であったので父も了承したそうです。暴力事件の2日、3日あとは校内で先輩と顔を合わせたこともあったのですが、かなり叱られていたのでしょう・・また先輩の処分も概ね決まっていたようで一週間の停学、クラブは3か月の活動を自粛・・そんな背景から・・たまたま学校の食堂や廊下で会ったときは『申し訳なかった・・』と謝ってくれていました。でも??学校や親達は、それだけでは、すみません。そして・・いよいよ師範の自宅へと集まることに・・
その夜、父は空手の師範宅へダイヤルを回しました。(当時の電話機はダイヤル式が主流)師範も自宅に帰っていた様子で何やら話をしているのですが師範が何を言ってるのかわかりませんし、父も返事のような相槌を返すだけ(・・;)電話を切ると『ひとまず学校に、ワシ、行くから』そう言うと父は飲みかけのビールを一口、喉を鳴らしました。そして師範宅に電話をした翌日の学校での昼休み。『おい、なんか白いスーツ着た怖そうな、オッちゃん、学校に来てたで!』クラスメートが学校のエントランスホールで見かけたらしく、あまりにインパクトがあったのでしょうね、私は、すぐに父だと、わかりました。さりげなくクラスメートに『どんな、オッちゃん?』と聞くと髪は短く太いフチで少し色が入った眼鏡に白いスーツ(・・;)間違いない!父だと。そして放課後、私は担任に呼ばれたのです。職員室に行くと担任の隣りには剣道部顧問の先生も椅子に腰掛けていました。『今日、お父さんが来られた。剣道部でのことを聞いたので君に確認しようと思ってな。だから顧問の先生にも同席してもらうけど、かめへんな?』担任の先生は低音の落ち着いた口調で話したのです。担任の質問に対して私は色々と答えたのです。廊下で先輩が待ち伏せし強引に部室へと連れ込まれたこと。長時間、正座させられ殴られたり蹴られたり、稽古と称して、わざと胴や小手を外して竹刀を身体に叩いたこと。担任と顧問は私の、話を聞いてくれ、顧問の先生は一言『痛かったやろ?申し訳なかった。私の監督不行き届けやった。』謝ってくれたのです。その後、『お父さんは、この事を大きくするも内々に納めるのま加害者次第と言っておられた。ほんで?君、空手やってるんやて?殴られても抵抗しなかったらしいな?実は私と君の空手の師範とは知り合いでな。そのSさんからも電話があったんや。』担任の言葉の後、『早急に部員全員に話しを聞いてから学校としての対応もするから少し日にちをくれるように、お父さんとSさんに話しをして承諾はもらってる。君には、その報告を今、させてもらったんや。それと部員のしでかしたこと、謝りたかったからな』私は正直、憤りをずっと持っていたし顧問の先生には言いたいこと、ありましたが師範と父が出てきた以上は黙って受け止めて、その日は帰りました。
先輩から暴力を受けて帰宅した、その日 私は空手道場へ稽古に行きました。師範から『お前、空手を道具に反抗せぇへんかったか?』反抗?多くの先輩から、されて、ただ正座しながら、じっと我慢してたことを師範に伝えると『そうか!わかった、お前の高校は確かT高校やったな?』聞くと師範の知り合いがT高校の教師をしているとのこと。『ワシが話をつけてやるから!今日は稽古は休んで帰れ!』私は師範のいわれるまま、その日は稽古せず帰宅しました。そして、その夜、父が帰ってくるなり母が、もう、大きな声で学校で私が受けた暴力を言うのです。『男の子や、少々のことは仕方ないやろ?ほんで?ケガの具合は?』やっぱり父親は男なので多少のことでは動じません。『なんじゃ!これくらい、どうってことあらへん!そやけど何人もの先輩も無抵抗な人間に、それはアカンな』父に空手の師範の知り合いが自分の高校で教師してることを伝えると『そうか、ほな、少しは話しが大きくなりそうやな。師範の家の電話番号しってるか?』父は稽古が終わる時間を渡しに確認すると『わかった、ちょっと遅くなるけど電話してみる』父はその日の夜、師範の自宅へとダイヤルを回したのです。
道場に入るとき必ず『オーーースッ!』と大きな声であいさつしなければなりません。挨拶し顔を上げると、まだ学生服の3年生の主将がいました。学ランにボンタン姿・・左手には竹刀を持っています。『お!今日は、自分の足で来たんか?』少し笑顔がこぼれたので、よし!スグに言おう・・『あの主将・・お話があります!』私の言葉に敏感に反応した主将は『お前・・クラブ辞めたいって言うんちゃうやろな!』先を越された私は一瞬、躊躇しましたが『ハイ・・辞めさせてください。』そう言うと『そうか・・とりあえず2年、まだ来てへんし、チョット待っとけや。』静かに対応したので、てっきり了承してもらったと勘違いした私・・(そらそうかも?先輩全員にシジも通さなアカンかも?)何となく納得し道場で2年生を待つことに・・暫くすると2年生が全員、そろい3年数名も含んだ中、主将が『この1年、クラブ辞めたいって言うねんけど、お前ら、どない思う??』先ほど見せた笑顔は、どこ吹く風・・表情は厳しく声も大きい。竹刀を床に叩き『辞める??何を眠たいこと言うとんねん!おい!松本(仮名)ちょっと奥の部屋へ連れていけ!』2年の松本が他の2年生に目で合図すると2~3名の2年がわたしの周りを取り囲み『ま・・コッチ来いや!』更衣室兼防具などを置いてある部屋へ連れられ、中に入ると、いきなり・・『正座ッ!!』(は?俺、もうクラブ辞めたいんですけど?)先輩の声をよそに立っていると『聞こえへんのか?正座ッちゅうとるやろ!!』強引に近くの2年が私を床に座らせたのです。何のことやら・・訳が分からないまま正座させられたかと思うと『黙祷ッ!目ェをつむれ!!』だんだん嫌な雰囲気になってくるのを肌で感じ言われるがまま黙祷をしました・・5分くらい経過した頃『よし!目ぇ明けてええぞ!・・お前・・何で辞めたいねん?』私は単に辞めたいこと。特に理由はないけど放課後は自由でいたいことを言ったのです・・『何を甘っちょろい事、言うてんねん』さて・・ここから数時間、私は正座をさせられたまま軟禁状態・・今となっては何が原因か忘れましたが顔面数発殴られ、腹に蹴りを入れられ・・多くの先輩に自分一人・・・ここで1発殴り返したら?おそらく何倍も殴られる・・そう思うと我慢するしかありません・・また運も悪く顧問の先生も、この日はクラブに顔を出さず私は先輩から言われ放題・・殴られ放題・・『お前な・・こんな高校出ても大した大学も行かれへんし就職も小さい会社ばっかりや・・』(へ?何を説教たれとんねん?こんな学校?全員、落ちこぼれとは限らんやろ?)『せめてクラブくらい、まともに続けようと思わんか?』(は?お前の考え押し付けるな!)黙って聞いていると『何とか言えッ!』また蹴りを入れられました・・(ええ加減にせぇよ!!1対1やったら絶対に殺すゾ!)怒りがこみあげてくるのを抑え我慢するだけでした。すると・・『おいおいええ加減にしたれよ』また別の声が道場の方から聞こえてくると先輩が口々に『ちわーーッす』挨拶しているのです・・どうやらOBが来たようです・・(助かった・・)剣道部のオービーが来てくれたおかげで暴行は収まりました。『どないしてん?顔もアザあるし・・腫れてるやないか!』その卒業生が言うと『この1年、クラブ辞めるって言うもんですから・・』2年生が言うと『まだ、こんなことしてるんか?・・暴力はアカン!!ちょっとお前ら全員、ここから出ろ!下級生イビリしてる暇、あったら練習せんかい!!』先輩連中が更衣室を出たあと・・『お前・・大変やったな・・クラブ辞めたいんか?理由は何や?』私は理由を言うと卒業生は笑いながら『そうか!そうか!この学校でクラブなんかしてる奴、ほんの一部や・・もっとうまい事言えんとな・・とにかく・・今日は帰れや。俺から主将には言うとくから』ホッとした私は立ち上がろうとしたのですが、長時間の正座のため立ち上がれず・・『お・・そやな、足、伸ばしてシビレ取れるまでは仕方ないか・・』その卒業生と暫く雑談し漸く立ちあがると卒業生が更衣室に先輩全員を呼びつけ『もう・・こんな顔にしたんや、今日は帰したれ!』先輩連中の表情は納得してる様子はありませんでしたがOBの一言は絶対です。『ハイッ!!』大きな声で答えた先輩連中。卒業生は私の肩を数回ポンポンとして『気ィつけて帰れや。』漸く、私は解放されました。学校の校門を後に駅へ向かう途中、すれ違う人・・私の顔を見ているのがわかりました・・途中の京阪・京橋駅のトイレに入り鏡を見ると・・(なんじゃ?これは・・)目の周辺は紫色に腫れ頬も・・肩も痛いなぁ・・と思って学生服を脱いでワイシャツの首筋あたりから覗き込むように見るとミミズ腫れ・・(あーあ・・えらいこっちゃ)案の定、家に帰ると『何?その顔!!』母が驚きました。男の子なら・・ここで、喧嘩してきた・・とでも言うのがパターンですが私はクラブの先輩が許せず母に正直に言ったのです。『これは・・やりすぎじゃないか!!お父さんから学校に言ってもらうからね!!』母は感情的になると、やっぱり関東訛になるのです。その顔のまま、その日は空手の稽古日なので稽古に行くと・・『お前、何や?どうした?』師範より・・当然ですが事情を聞かれ『お前、空手を喧嘩の道具で使ったんか?』私は正直に事情を伝えると・・『お前、確かT高校やな?ワシ知り合いが居てる・・とにかく今日は練習は休んでご両親bに話をせぇ。それとご両親が学校に行く時はワシも行くから・・でも、よく我慢したな!』師範に励まされ・・そして、その夜・・父に事態の全てを話しました。『お前、手ェ出してへんねんな?無抵抗の人間に・・とにかく学校に行く!!』父に師範の伝言を伝えると『わかった師範の自宅に電話してから行動する!それでも、これは大問題や!マスコミに言うぞ!!』父も怒り心頭。そして・・
部室へと連れていかれスリットの入った袴で練習・・おまけにノーパン・・(こいつら、どんな趣味やねん!!)男子校でしたから・・変な奴もいるかも知れませんが・・防具を着けると2年生の先輩が近づいてきて『お前、中学ン時、剣道してるって言うてたな・・ちょっと稽古しよか?』その先輩は2段だそうで中学のクラブ程度の私など到底、かなうことはなく・・稽古の名を借りたイジメでした。小手はわざと外して腕の関節を打ってくる胴などは丁度、わきの下あたりを打ってくるんです。そりゃ痛いのなんの・・おまけに突きまでされ突かれた途端、後ろに㞍もちをつくと更に上から面をめがけ振り下ろされると頭の天辺がズーーーン!もうフラフラ・・『これくらいに、しといたろ!もうクラブサボって帰ろうとすんなよ!』そう吐き捨てるように言われ、何とか、その日の稽古を終えたのですが・・先輩が着替え終わるまで道場で正座させられ足はしびれるし・・(アホクサ!やってられるか!二度と来ぇへんわい!!)そう思いながら正座し、やっと先輩の着替えが終わって自分と、もう一人に一年生が着替え、やっと道場を出られる・・と思っていると『おい!俺らの鞄持てや!駅までな』先輩数人分の鞄を持たされ駅まで?鞄は勿論、教科書等入ってなくペチャンコで重くはないのですが(なんでかばん持ちせな、アカンねん!!)ふてくされた態度でいると、いきなり頭をこつかれ『1年が先輩の鞄もつのんは当たり前やろ!はよ持てッ!!』いやいや持たされ駅まで歩いていると・・『アイス食べたいなぁ~』一人の先輩が言うと俺も、俺もと先輩が声を出し・・『おい!あそこのン屋でアイス俺ら全員分、買ってこい!!お~・・金はお前ら二人、1年で出せや!』なんと無茶苦茶なΣ(゜Д゜)結局、先輩全員分を買わされたのですが当然、私たち1年は食べる事は許されず・・やっとの思いで駅に着きました。この日ほど高校から駅までの距離を長く感じた事はありません。駅に着くと何名かの先輩は私と反対のホームだったのですが改札を入ると『おい、ありがとうございました!!は?それとな学校とかは勿論やけど学校の外でも先輩をみかけたら、ちわーーす!って挨拶すんねんぞ!!わかったな?ほな、今日は稽古してくれた礼として・・』私は黙っていると・・『お前はあほか?!はよ、あっちのホームで帰る先輩にありがとうございました!!って言わんかいッ!』『ありがとうございました!!』私が言うと、怪訝な表情で『声が小さいワ!ボケッ!腹の底から声、出さんかい!!』『ありがとうございましたーーー!!』私は、これでもか、というくらい大きな声で言うと『ほーー?出るんやんけ、その調子でな』なんで1つ、2つ年上だけで、こんな目にあわなあかんねん!!あほらし。結局、京橋駅で私は京阪電車、先輩は大阪環状線・・京橋駅で再び大きな声で『ありがとうございましたーーー』と言わされた時は恥ずかしかった・・なんせ通勤帰りの会社員にOL、もちろん、学生もたくさん・・環状線では乗降客が多い京橋駅ですから・・(絶対、こんなクラブ辞めたる!)そう心に誓い、その日は自宅に帰りました。そして翌日、授業が終われば速攻、帰ろうとクラスの友達の誘いも断り教室を出ると・・ニヤニヤ笑ってる2年の先輩が・・(なんで、待っとんねん?今日は・・授業も早く終わったのに?なんで居てる??)頭の中には??だらけ・・『お、えらい早めに教室出てきたなぁ!ほな道場、行こうか・・』結局、この日も練習をさせられたのです。(こんなズルズルはアカン!明日、先輩に辞めるjこと言おう!)そう決意し更に翌日、私は昼休みに先輩で3年生のキャプテンに辞めることを言いにいったのです。キャプテンは・・『その事、顧問の先生には言うたんか?』『まだです。』そう答えると『そうか・・ほな顧問に直接、道場に来て言わンとなぁ~。とにかく授業が終わったら道場に来いや。』これで、辞めることが出来る!私は心の解放感でイッパイでした・・が?実は、ここからが修羅場だったのです。