「怒らないこと」
(役立つ初期仏教法話1)
アルボムッレ・スマナサーラ著
(サンガ新書)
以下、抜粋です。
第4章(最終章)
怒りの治め方
※見出しを中心にご紹介します。
「
○怒りではなく「問題」をとらえる
自分の心に芽生えた怒りを瞬時に察知して怒らないでいられたら、素晴らしいことが起きます。
「この問題をどうするべきか」と智慧が働いて、相手の怒りにも勝てるのです。悪いのはその人でなくて、怒りなのです。「問題はこういうことですね? でしたら、こういう答えでどうでしょうか?」という話し方をすると、受け入れてくれます。
○相手の怒りには「智慧」で勝つ
話し合うときは、相手が感情でしゃべるのを許しません。「気持ちではなく、何が問題なのか、そのポイントだけおっしゃってください」と言います。すると、相手はしばらく考えて、そのうち相手の心は自然に整理されていきます。相手の怒りが消えたことになります。
相手の怒りを乗り越えれば自分にすごく自信がついてきます。相手の怒りに合わせてしまい、怒ったら負けです。
○攻撃には水晶玉のように対応する
自分が何も悪いことをしていないのに、相手が自分をバカにしたり悪さをしてきたら、どうすればいいのでしょうか?
怒ったら相手の言ったことを認めたことになり、相手の勝ちになってしまいます。何を言われても「どうぞご勝手に」という態度でいればいいのです。
自分を水晶の玉のようにイメージするのもいい方法です。自分の心を光り輝く水晶玉のようにしておけば、相手からどんな色の水をつけられても、拭けばすっかり綺麗になります。
そういう心を持っていれば外からの攻撃に対処できます。
反対に、自分の心が相手の怒りをスポンジのようにたっぷりと吸い取ってしまったら、あなたの負けです。
○「きつく教えること」と怒りとは違う
それでも相手が自分を攻撃してきたら、力強く教えてあげましょう。力強く教えることは怒りではありません。相手に「二度とそういうことをするな。今度またしたら私もそれなりに対応する」ときつく言いましょう。
「私は怒りません」といっても逃げる必要はありません。きつく教えるときも怒ったら負けです。
けっして怒らずに、智慧や知識を使って「また同じことをやったら私もしっかりとやり返します」と言うと、相手のほうもすごく怖くなります。ここで怒りながら言ってしまうと効果がありません。
○やりたい放題の人には鏡を見せる
自分が落ち着いて怒らないことをいいことに、攻撃したりけなしたり、やりたい放題やってくる人がいたら、鏡を見せることです。
鏡の見せ方はいたって簡単です。ののしっている相手に「ああ、あなたはすごく怒っていますね。苦しいでしょうね。手も震えていますよ。どうやら、あなたは簡単に怒るような性格みたいですね。これからもいろいろと大変なことに出会うでしょうに、それで大丈夫ですか? あなたのことが心配ですよ」と、とにかく相手の言うことに反論せずに、善悪の判断はしないで、相手の心境を心配する気持ちで説明してあげればいいのです。
○笑えば怒りは消える
怒りを治めるためには智慧が必要ですが、智慧と相性がいいのが「笑い」です。反対に、「怒り」と「笑い」は正反対の性格です。
ですから、怒らないためには、とにかくよく笑うようにしてみてください。
たとへ怒ったとしても、直ぐに笑ってしまえばいいのです。
○笑える人ほど智慧がある
怒っているときは精神状態がわけもわからない状態になっているのに対し、笑いが生まれるときには、反対に智慧や知識が働いています。
○智慧と理解がユーモアと幸せを生む
まずは、とにかくよく笑ってください。よく笑う人というのは、それだけでみんなから愛されますから、いろいろな面で幸せになれるのです。
笑いさえすれば、お金を1円も使わずに、楽しく美しく幸せに暮らせるのです。
○智慧の笑い、無知の笑い
「笑って幸福になる」のと「幸福だから笑う」という場合とは、全く違う笑いです。
「幸福だから笑う」というのはただの幸福ボケで、無知の笑いです。現状に満足しきってしまっている心は怠けへと繋がっていきます。そして大概はひどい目に遭うのです。
○「笑い」を目的にしてはいけない
笑えばいいといっても、「笑う」こと自体が目的ではありません。
「笑いたいから笑う」のでも「幸せだから笑う」のでもありません。
私が勧める笑いとは「家にいても、家の外でも笑える。仕事が上手くいっても、失敗しても笑える」という、自分の心ひとつでいつでも笑える、という笑い方です。
」
(役立つ初期仏教法話1)
アルボムッレ・スマナサーラ著
(サンガ新書)
以下、抜粋です。
第4章(最終章)
怒りの治め方
※見出しを中心にご紹介します。
「
○怒りではなく「問題」をとらえる
自分の心に芽生えた怒りを瞬時に察知して怒らないでいられたら、素晴らしいことが起きます。
「この問題をどうするべきか」と智慧が働いて、相手の怒りにも勝てるのです。悪いのはその人でなくて、怒りなのです。「問題はこういうことですね? でしたら、こういう答えでどうでしょうか?」という話し方をすると、受け入れてくれます。
○相手の怒りには「智慧」で勝つ
話し合うときは、相手が感情でしゃべるのを許しません。「気持ちではなく、何が問題なのか、そのポイントだけおっしゃってください」と言います。すると、相手はしばらく考えて、そのうち相手の心は自然に整理されていきます。相手の怒りが消えたことになります。
相手の怒りを乗り越えれば自分にすごく自信がついてきます。相手の怒りに合わせてしまい、怒ったら負けです。
○攻撃には水晶玉のように対応する
自分が何も悪いことをしていないのに、相手が自分をバカにしたり悪さをしてきたら、どうすればいいのでしょうか?
怒ったら相手の言ったことを認めたことになり、相手の勝ちになってしまいます。何を言われても「どうぞご勝手に」という態度でいればいいのです。
自分を水晶の玉のようにイメージするのもいい方法です。自分の心を光り輝く水晶玉のようにしておけば、相手からどんな色の水をつけられても、拭けばすっかり綺麗になります。
そういう心を持っていれば外からの攻撃に対処できます。
反対に、自分の心が相手の怒りをスポンジのようにたっぷりと吸い取ってしまったら、あなたの負けです。
○「きつく教えること」と怒りとは違う
それでも相手が自分を攻撃してきたら、力強く教えてあげましょう。力強く教えることは怒りではありません。相手に「二度とそういうことをするな。今度またしたら私もそれなりに対応する」ときつく言いましょう。
「私は怒りません」といっても逃げる必要はありません。きつく教えるときも怒ったら負けです。
けっして怒らずに、智慧や知識を使って「また同じことをやったら私もしっかりとやり返します」と言うと、相手のほうもすごく怖くなります。ここで怒りながら言ってしまうと効果がありません。
○やりたい放題の人には鏡を見せる
自分が落ち着いて怒らないことをいいことに、攻撃したりけなしたり、やりたい放題やってくる人がいたら、鏡を見せることです。
鏡の見せ方はいたって簡単です。ののしっている相手に「ああ、あなたはすごく怒っていますね。苦しいでしょうね。手も震えていますよ。どうやら、あなたは簡単に怒るような性格みたいですね。これからもいろいろと大変なことに出会うでしょうに、それで大丈夫ですか? あなたのことが心配ですよ」と、とにかく相手の言うことに反論せずに、善悪の判断はしないで、相手の心境を心配する気持ちで説明してあげればいいのです。
○笑えば怒りは消える
怒りを治めるためには智慧が必要ですが、智慧と相性がいいのが「笑い」です。反対に、「怒り」と「笑い」は正反対の性格です。
ですから、怒らないためには、とにかくよく笑うようにしてみてください。
たとへ怒ったとしても、直ぐに笑ってしまえばいいのです。
○笑える人ほど智慧がある
怒っているときは精神状態がわけもわからない状態になっているのに対し、笑いが生まれるときには、反対に智慧や知識が働いています。
○智慧と理解がユーモアと幸せを生む
まずは、とにかくよく笑ってください。よく笑う人というのは、それだけでみんなから愛されますから、いろいろな面で幸せになれるのです。
笑いさえすれば、お金を1円も使わずに、楽しく美しく幸せに暮らせるのです。
○智慧の笑い、無知の笑い
「笑って幸福になる」のと「幸福だから笑う」という場合とは、全く違う笑いです。
「幸福だから笑う」というのはただの幸福ボケで、無知の笑いです。現状に満足しきってしまっている心は怠けへと繋がっていきます。そして大概はひどい目に遭うのです。
○「笑い」を目的にしてはいけない
笑えばいいといっても、「笑う」こと自体が目的ではありません。
「笑いたいから笑う」のでも「幸せだから笑う」のでもありません。
私が勧める笑いとは「家にいても、家の外でも笑える。仕事が上手くいっても、失敗しても笑える」という、自分の心ひとつでいつでも笑える、という笑い方です。
」