ビーンの不定期日記

その日の事や思ったことを…

 「思いつき
   いかげん日記」

心に残った言葉

2014-06-18 20:02:26 | 日記
昨日、テレビのニュース番組を見ていたら、コメンテータが三島由紀夫の言葉を引用していました。


「自分のためだけに生きて、

自分のためだけに死ねるというほど、

人間は強くはないんです」




三島由紀夫が割腹自殺をした時、私は中学校2年生でした。
衝撃的な事件でしたが、それまで三島由紀夫の名前を私は知りませんでした。
事件後も特別に三島に興味を持つこともなく、彼の小説を読んでみようと思ったこともありませんでした。
ですから、上に紹介した言葉は私が三島の思想に影響されて心に響いた訳ではありません。

私は58歳になりますが、いま人生を考えるに、この言葉がとても衝撃的に私の心に突き刺さりました。

4年前、自殺しようと失踪しましたが結局 死ねませんでした。
死ぬことも出来ない自分が情けなく、何て自分は弱い人間なんだろうと思いました。
現在、家族から離れて一人暮らしをしていますが、これから死ぬまでの間をどうやって生きて行ったらいいのか、分からないままに毎日を只々過ごしています。

仏教の本を何冊か読んでみて、ニワカ知識で「生きるからには何かの為に生きなければならない」と頭では理解できたものの、それでも「このまま、こんな生き方でいいのか?」と自問する毎日です。
ですから、生きることにも、死ぬことにも自信を無くしている私にはこの言葉は深く心の中に入ってきました。

「人間は所詮、自分勝手には生きていけないし、自分勝手に死ぬことも出来ない」

そう思ったら心の迷いが少し晴れたような気がしました。

「死ねなかったのは人間として当たり前なんだ。
家を出て、こうして一人暮らしをしていても、だからと言って勝手気ままに生きていけるはずでもないんだ。

何故なら、人間はそれほどに強くはないのだから。

愛する人、愛するものの為に生き、
そして愛する人、愛するものの為に死んでいこう」


  いま私はそう思っています。

"もうこりた"

2014-06-18 07:00:44 | 般若心経
「寂聴あおぞら説法Ⅲ」瀬戸内寂聴著(光文社)
より、抜粋です。

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(中尊寺の)千田貫主様の法話は、私よりもっともっとお上手。
そのご本の中に「二本の手」という、とてもいいお話があります。

ー 人間には、手が2本あります。では、何をするために2本の手があるか、ということを千田貫主様がお話ししていらっしゃいます。

1本は自分のことをいろいろするためにある、自分のための手。
もう1本の手は、人のために尽くすためにある手。
ただ便利だから2本付いているのではないと……。

ああ、なるほどと思いました。
天台宗は「忘己利他」ー自分のことを忘れて、人のために尽くす、という伝教大師様の教えが根本です。

仏教は漢字がむつかしいでしょう。「忘己利他」を「2本ある手を両方とも自分のために使うのではなく、片方の手では人のために尽くしましょう」と教えられると、とてもわかりやすいですね。ー

……………………………………


「忘己利他」は「もう、懲りた」と憶えると忘れないかもしれませんね(笑)

同じような教えで

「自利利他(じりりた)」

というものもあります。
これは人のために尽くしたり、人の幸せを願うことが自分の幸せになる、という教えです。
諺の
「情けは人(他人)のためならず」
も同じ意味ですね。
「情け(親切)」は人の為に行うのではなく、自分の(幸せの)為に他人に親切にするのだ、という意です。

これと正反対の言葉もありますね。

「ガリガリ亡者」

他人の迷惑など考えず、自分の欲望のままに生きている人。
「ガリガリ」は「我利我利」と書きます。
これも仏教の教えからきている言葉なのですね。