ビーンの不定期日記

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【父の戦争体験⑤】

2020-09-27 08:45:42 | 日記
私の父は大正4年生まれ。91歳の天寿を全うした。農家の三男として生まれ兵役後そのまま軍隊に残り職業軍人として終戦まで満州に駐留した。中学出の父だったが准尉まで出世し下士官となった。終戦時ソ連軍の捕虜となりシベリアに抑留され昭和24年に帰国。
戦争のことはあまり話したがらない父だったが私(現在64歳)が子供の頃に時々話してくれたいくつかの戦争の話を書き留めておきたい。
戦争体験者が少なくなってきている日本で貴重な体験談を受け継ぎ次の世代に伝えていくことは私達子供の役目ではないかと思う。私は平和主義を蔑(ないがし)ろにする今の日本の風潮に危機感を持っている。
「戦争は絶対してはならない」の立場から父が話してくれた戦争の話をお伝えしようと思う。



【父の戦争体験⑤】

シベリアへ抑留され極寒の地で帰国するまでの4年間を耐えた。
辛い捕虜生活に耐えることが出来ず収容所から脱走する者も多々いたそうだ。
しかし脱走してもソ連兵は追跡しなかった。何故か?その必要がなかったからだ。
収容所から逃げ出しても、行けども行けども何もない。そして脱走者は皆広大なシベリアの地で皆凍死するのだった。
後日父達捕虜が捜索に駆り出される。死体を探しに行くのだ。発見するとその場で埋めた。埋めるといっても土は凍っていて硬く穴を掘ることは出来ない。仕方なく雪をかぶせるだけだった。
このような脱走者の遺骨が今もシベリアの大地には眠ったままになっているのかもしれない。