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ツマグロの幼虫〜帰国日記8

2023年07月02日 08時00分00秒 | 昆虫、その他
2023.03.09撮影

今日は、昨日前触れしました通り、ツマグロヒョウモンの幼虫について書きます。次の画像からは、幼虫が画像の真ん中に現れますから、読み進まれる方は、そのつもりでお願いいたします。

名称を確かめておきますと、

学名 Argynnis hyperbius
英名 Indian fritillary「インドの格子模様のチョウ」
和名 ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)

冒頭の画像の右上にちょこっとトリミングでお見せしているのが、3月に帰省したときに見つけた幼虫です。

この切り取り画像にいっしょに写っている植物は、真ん中になるのがフヨウカタバミ(Oxalis purpurea)、左に見えるのがヴィオラ(Viola)です。ツマグロヒョウモンの幼虫は、スミレ類(スミレ、ヴィオラ、パンジーなど)を食べて大きくなります。

ヴィオラはわたしが大量に買って植えたんですが、フヨウカタバミは、なぜ庭に生えているのかも分からない。オカトラノオ(Lysimachia clethroides)、サルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)、同様、庭を埋め尽くし、それらを「駆除」するのが、前回3月の帰省に続き、今回5〜6月の帰省のわたしの大きな課題のひとつでした。

この幼虫は、左手のヴィオラにいたところを、わたしが触ろうとして、地面に落として(落ちて)しまい、体を丸めているところです。有毒かどうかわからなかったのでオドオドと手を出したのが良くなかった。

後で調べてみると、この、オレンジ色と黒の2色で塗り分けた幼虫は、毒はないそうです。「毒々しい」色のムシは、実際に有毒である場合と、自己防衛のためにそんな有毒なムシを「真似」しているだけのムシがあるので、素人には判断しにくいです。

このツマグロヒョウモンの幼虫は、難が去るまで待とう、でしょう、次の姿勢でしばらく動きませんでした。

2023.03.09撮影(手前左が頭)

体表をご覧ください。これらの突起は、何と形容したらいいんでしょう。「つのつの」「つんつん」「とげとげ」「はりはり」???

よく見てみると、この突起のそれぞれに毛が生えています。触らなかったので、この突起と毛がどのくらい硬いか、あるいは、柔らかいか、は分かりません。

この幼虫は、イモムシと呼ぶべきなのか、ケムシと呼ぶべきなのか・・・

それに、色分けは、
・胴体は黒と濃いオレンジ色の2色ですが、
・突起の頭に近い方は黒1色、
・他の部分の突起は2色塗り分けで、
・上半分が黒、下半分が濃いバラ色(胴体の色のオレンジ色ではなく
です。

この幼虫さんは、しばらくして、体を巻いていたのをゆるめ、次のような姿勢になりました。花の色がほぼ黒いヴィオラが写っています。わたしはカタバミの草抜き(と言うか、「草掘り」)をしていたので、あまり遊んでいるわけにいかず、幼虫さんがそこから先どうしたかは知りません。まあ、どうせ、ヴィオラのどっかにいるだろう、とたかをくくっていたし

2023.03.09撮影(頭はカタバミの葉に隠れている)

次は、10日後の写真。

この幼虫さんは、ヴィオラ間を移動している最中です。古い住処と新居希望先が接触していなかったら、一旦、地面に降りるしかありませんよね。見ていたら、いや〜〜、本当に速いんですよ〜〜、移動するの。

(えへん! 下の画像、幼虫さんの辺り、ほとんど草がなくなっているでしょ? わたしが掘り返して、カタバミを抜いたんです。ここまで仕事が進んだ。)

でも、こうやって移動するたびにヴィオラを食いまくってくれているんだ。まあ、ヴィオラ自身が枯れる前に、幼虫さんが引っ越しをしているようなので、ヴィオラは回復できているようです。

2023.03.19撮影(頭は上)

次の画像は、直前の画像の幼虫さんが、次のヴィオラに行き着いたところです。途中の薄紫色のヴィオラをなぜパスしたかは、不明。生まれて初めて食べた種類のと同じ、あるいは、なるべく近い種類のに移動するのかしら。ヴィオラと言っても、各種植えてあるし。

2023.03.19撮影(頭は左側)

次は、5月に見た幼虫さん。これもせっせとお引っ越しの最中でした。画像中に見えている緑のものは、わたしの必殺草抜きを免れたカタバミ。カタバミ根絶(選んで残したところ以外)を夢見る方が間違いですが。

ところで、この5月に見た幼虫の方が、3月に見た幼虫より小さいんです。もちろん、たまたま成長度合いの異なる幼虫を見たわけですが、これは、年に複数回孵化している、という傍証になります。

次の画像中の幼虫さん、元気一杯で、躍動感に満ちていませんか。

2023.05.27撮影(頭は右側)

昨日ご紹介した、アメリカのスミソニアン博物館(Smithsonian Institution)のひとつである国立自然史博物館(National Museum of Natural History)のサイトですが、そのツマグロヒョウモンの分布を表す地図の下に、おもしろい情報があります。もう一度ご覧ください。

Argyreus hyperbius Linnaeus 1763(英文+画像+地図)

地図の下にツマグロヒョウモンの写真が丸囲いであり、そこから線が出ています。下の方に薄い黄色の丸があります。それは、ツマグロヒョウモンの食べるものです。

それを見ると、スミレ類の他に、snapdragon(Antirrhinum:キンギョソウ)が挙がっています。スミレ類とキンギョソウと言えば、かなり上の分類まで行かないと共通点はないんですけどね・・・まさか、スミソニアン博物館が間違いを書くわけはないので、新しい知識として取り入れたいと思います。

ツマグロヒョウモンの幼虫の食草
・主に、スミレ属(Viola)のスミレ、ヴィオラ、パンジー、など
・キンギョソウ(Antirrhinum)も

食草



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