カラスといちごとクロッカスと

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オオスカシバ〜帰国日記9

2023年07月03日 08時00分00秒 | 昆虫、その他
Cephonodes hylas(オオスカシバ)
Zinnia elegans(ヒャクニチソウ)
撮影者:Arthur Murray Harmsworth
撮影日:2016
オリジナルからの改変、なし

ある日、また、実家の庭で庭仕事をしていました。すると、「ぶ〜〜ん」と、かなり大きな羽音が聞こえてきました。

ちょっと興奮して立ち上がり、音の出所を、ざざざざっと見てみると、あ、いた、あそこ、チェリーセージ(Salvia microphylla)の茂み、こんな近くに!

ホバリングしている飛行生物が、ミツを採食中。

その飛行生物の姿は、一見、ハチドリ(蜂鳥:Trochilidae)。

ハチドリなら、例えば、ノドアカハチドリ(Archilochus colubris)は、全長7〜8㎝で、翼の差し渡しは8〜11㎝、体重2〜6g(と、英語版Wikipediaに書いてある)。

Ruby-throated hummingbird (Archilochus colubris)(英文+画像+分布図+音声)

学名 Archilochus colubris
英名 Ruby-throated hummingbird
和名 ノドアカハチドリ(喉赤蜂鳥)
ハチドリ科(Trochilidae)ノドアカハチドリ属(Archilochus

以下が、ホバリングしながら採食しているノドアカハチドリです。これは、メスなので、「喉赤」という名称でも、喉が赤くありません。

Archilochus colubris(ノドアカハチドリ♀)
Monarda didyma(タイマツバナ)
撮影者:Joe Schneid
撮影日:2006.06.30
オリジナルからの改変、なし

けど、ハチドリは日本にはいない(わ〜〜い、わ〜〜い、わたしのバンクーバーの庭には出没するもん! 今日も来ていたもん、フサフジウツギに)から、あのホバリングしているのはハチドリであるわけはない。

ハチドリ、フサフジウツギで休憩中

それなら、これは、例の大型のガ、スズメガ(Sphingidae)ということになる。

さて、チェリーセージでお食事中のスズメガを見ながら、あんなに空中の1点に浮かんでいられるんだ、すいごいね、それに、ガと言っても、大きいなあ、羽が開いた状態で、7センチはあるよね、と思っていたところ、

そのスズメガが、ホバリングしているまま、角度を変えたんです。

それで見えたのが、透けた羽(翅)。これ、オオスカシバ(Cephonodes hylas)なのか!!! 初めて見る! とさらに興奮しました。

こんなに透けた羽だから、ハチ(蜂)だと思われたりするのよね。

学名 Cephonodes hylas
英名 Coffee bee hawkmoth
和名 オオスカシバ(大透翅)
スズメガ科(Sphingidae)オオスカシバ属(Cephonodes

Cephonodes hylas(オオスカシバ)
Physostegia virginiana(ハナトラノオ)
撮影者:Rodrigo.Argenton
撮影日:2017.09.09
オリジナルからの改変、なし

で、その透けた羽を見て、いたく感動したのですが、その後、調べれば調べるほど、初めて見た、とは思えないんですね。

なぜなら、わたしが子どものとき、実家にはクチナシ(Gardenia jasminoides)の木があったからです。今は、両親が家を建て替えたので、その木自体はありませんが。

そのクチナシは八重咲きのクチナシで、門を入ったところに植えてあり、季節には毎年いい匂いがただよいました。子ども心に、クチナシの花が咲くのを心待ちにしたものです。

2023.05.26撮影

小学校低学年のわたしは、ある夏、そのクチナシの周りを、胴体の太い大きなガが飛び交うのを見たのです。ひょっとしたら、小学校入学前かも。

そんな大きなガを見たことがなかったのでびっくりして、母親に報告したのを覚えています。

それから、わたしは、そんなガがやってくるのを毎日楽しみにしていました。

しばらくして、細めの(アゲハの青虫みたいにコロコロしていない)イモムシが何匹も出現した。と同時に、葉っぱの量が減ってきた。

それも母親に報告すると・・・おかあさん、イモムシを「処分」しちゃったんです。やめてくれるよう懇願したのに。

それで、わたしは、それ以降、報告するのをやめたんですが、いやあ、もう、ガの幼虫が発生している、というのが、知れちゃいましたからね。幼虫が出てくるかどうか見張られているわけですよ。

クチナシの葉をエサにするのは、オオスカシバの幼虫ですから、やってきている成虫のガは、オオスカシバであったはずなんです。ということは、わたしは、子どものときに、羽の透けたスズメガを見たことがあるはずなんです、何度も、何匹も。

ところが、その見たと思っていたガは、わたしの記憶では、薄茶色の鱗粉で覆われていた。羽は全然透けていなかった。

ですから、今回初めて見た、というのは、記憶違い。

どゆこと?

なぜそんな記憶違いが??? トラウマだったのかも・・・

2022.10.28撮影

実家の庭でオオスカシバがチェリーセージのミツを吸っているところは、カメラが手元になかったので、写真に撮れていません。でも、それに似た画像を見つけましたので、ご覧ください。

オオスカシバ

ところで、先のクチナシの画像ですが、それは、わたしが今回の帰省のごく初期に、懐かしい思いで買い求めて、実家の庭に植えたものです。花をどんどん植えているのは、母が少しでも外へ出るように、と願ってなのですが、実際には母が庭に出ることはもう滅多にありません。ですから、もしオオスカシバがやってきても、また悲劇が起こるとは思いません。とは言え、複雑な気持ちです。



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2 コメント

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Unknown (takusan)
2023-07-04 12:20:20
オオスカシバ、懐かしいです。
昔、実家の庭にくちなしが植えてあって、そこにイモムシが付いていたので、段ボールの箱に入れてくちなしの葉っぱをやって飼っていたことがあります。きれいな成虫になって、写真のように飛んでるの見たときには感動したものです。
楽しく読ませていただきました。
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Unknown (flowerconnection)
2023-07-04 14:49:08
takusanさん、こんにちは。コメントありがとうございます。それと、たびたび訪れてくださり、また、リアクションもくださって、ありがとうございます。
幼虫を飼った経験がおありなのですね。オオスカシバが羽化すると、それは感動ものでしょう。うちのクチナシにいたのは、飼わせてくれなかったの・・・アゲハの青虫は飼ったことがあるけど。庭から取ってきた。
どうか、また遊びに来てください。
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