78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎『なつぞら』第6週(36話まで)感想……31話と33話は必見だが、ネタバレ特番のせいで大事なシーンも茶番に見えてしまう

2019-05-13 11:07:56 | 小野と芋子

「広瀬すずinなつぞら」PHOTO BOOK―連続テレビ小説「なつぞら」 (TVガイドMOOK 12号)

 

芋子「やってしまいましたねえ」

小野「ああ、やってしまったな」

芋子「私はただ、第5週までの名場面を振り返りたかっただけなのです」

小野「僕はただアニメ制作の現場を見たかっただけなのに」

2人「まさか番組の最後に壮大なネタバレがあったとは」


<特別番組で起きた悲劇>

芋子「読者の方は何のこっちゃだと思いますので、説明いたします」

小野「4月の下旬に朝ドラの特別番組『まだ間に合うなつぞら』が放送された。30分番組で、内容は主に朝ドラ『なつぞら』第5週までの名場面集と、OPアニメの制作現場を取材した映像の2本立てだった。その模様はNHKオンデマンドで今なら無料で視聴できるので、先日拝見したわけだが……」

芋子「名場面集は、私たちが再三感動したと言っている24話のラストシーンも含めて見ごたえのある映像になっていました。まあそれまでの積み重ねがあって初めて感動を得られるものですから、そこだけ観ても……とはなりますが、今そのツッコミは置いておきましょう」

小野「アニメ制作現場の取材映像もリアルで良かったね。大体知っていたことだけど、タブレットでコンテや原画を描いたり、影を追加するテクニックなど、驚かされることもあった」

芋子「それらをも上回る最大の見所は、アニメーターの仕事の基礎を学ぶ広瀬すずさんのドキュメント映像です」

小野「役を演じる為に実際に学んだわけだ。ドラマや映画の撮影においてそれは普遍的なことだけど、その様子にカメラが密着することは珍しいんじゃないかな」

芋子「そんな感じでNHKの取材力に脱帽しながらその特番を観続けていたら、ラスト3分で悲劇が起きました」

小野「『この先の展開を少しだけお見せします』と前置きしてからの壮大なネタバレ集だよ。あれ、ひょっとすると、2~3ヶ月くらい先の放送分まで見せちゃったんじゃないかな」

芋子「少しどころじゃなかったですね。あのネタバレを観てしまったあとだと、第6週の感想をいくら語ろうが無意味に感じます」

小野「まあ、それでも語るんだけどね


<絶対に観るべき31話>

芋子「第6週は東京編の続きから始まります」

小野「31話はすごかったね。まさか東京編のラストにこんな神展開が待っていたとは」

芋子「天陽君の兄・山田陽平がアルバイトで勤務しているアニメーション制作会社になつが潜入し、動画を5枚くらい描く体験をします」

小野「前述の特番を観れば分かるが、その動画は実際に広瀬さんが描いたものだから、リアル感があって良いよね」

芋子「特番では実際に身体を動かして薪を割るイメージをしていましたが、ドラマ本編でもなつ本人による薪割りのイメージ映像がカットインされるなど、現実とリンクさせています」

小野「放送日は5月6日、つまり連休最終日で高視聴率が見込まれるから、NHKもここぞとばかりに本気を出してきたね(事実、31話は21.1%と前回の19.4%よりも1.7ポイント上げてきた)。とにかく31話だけでも観てほしい」


<なつと天陽の映画デート>

芋子「32話で季節は夏から冬に飛びます。そして翌33話はいよいよなつ×天陽の映画デートです」

小野「『ファンタジア』はディズニーの長編アニメーションとしてはまだ3作目となるかなり古い作品。なつの感想で『あんな風に音楽を表現できたり』と言っていたけど、『くるみ割り人形』や『魔法使いの弟子』など8曲のクラシック音楽からイメージした物語をアニメで表現したものらしく、これに影響されクリエイターの血が騒いだ人も少なくないのだとか」

芋子「私達も何とかして観てみたいですね。もうレンタルしていなさそうですけど」

小野「観た感想は改めて語るとしよう」

芋子「そして、映画の本編に感動したなつの余韻覚めやらぬ中、スクリーンには『東洋映画』の新作アニメ制作発表と人員募集のCMが映し出されます」

小野「あのCMはクドかったね。使える予告映像が完成していないから、制作現場の映像と社長の熱弁で誤魔化しただけ(笑)。『白蛇姫、制作開始!』なんて宣伝されても、今の時代なら『ああこれ、6年は公開されないパターンや』と冷めた反応になるだけだろう」

芋子「シャ○トの悪口はそこまでです」

小野「その『白蛇姫』だけど、なつが演劇をした『白蛇伝説』と関係がありそうだよね。後者は倉田先生のオリジナル作品だけど、わざわざ同じワードを出してきたわけだし」


<分かりきった答えをどうやって導き出すか>

芋子「どのみち、なつがアニメ業界への興味を更に深く抱くきっかけとなる重要なデートでしたね。さて物語は、照男と天陽のスキー対決を経て、なつと泰樹の絆にヒビが入ります」

小野「泰樹は『なつに牧場を継いで欲しいから照男と結婚すべき』、照男は『なつと天陽が相思相愛なら山田家に嫁ぐべき』、天陽は『なつは帯広を離れて夢を追いかけるべき』と、それぞれ意見が異なっているね」

芋子「果たしてなつの選んだ答えは3つのうちどれなのでしょうか!? 第7週に続きます」

小野「いや答えはもう分かりきっているんだけどね。ネタバレ特番を観た僕等はもちろん、それ以外の視聴者もほぼ全員分かっている。だから36話の喧嘩シーンも茶番に見えてしまうんだよ」

芋子「答えを導き出す過程が気になります。柴田家、何より泰樹のもとを離れる決断を、なつには簡単に下せないでしょう。夢と家族、そして天陽との間でも揺れ動くなつ。暗雲が立ち込めた矢先、なつは吹雪の中で倒れてしまいます」

小野「これで次週予告が流れるのかと思いきや、最後になつが謎の家で目を覚ますシーンに切り替わってホッとしたよ。週末に視聴者を不安にさせない配慮をしてくれるのはありがたい」

芋子「次週予告ですけど、なつがビンタされていましたね。コンプラが厳しい今の時代でもそういうのやるんですね

小野「広瀬すずさんに暴行したら僕が許さないよ。いつでもクレームの電話入れるからな」

芋子「まあ、弱めのビンタでしたけどね」

 

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2019-05-08 01:41:07 | 小野と芋子

連続テレビ小説 ひまわり 完全版 DVD-BOX 第一集

 

※壮大なネタバレあります。

 

芋子「今朝の電車、激混みでしたね」

小野「世間は10連休が終わり今日から学校や仕事が再開。まあ、そのまま辞めたりバックれた奴も居るんだろうけど

芋子「闇深い五月病あるあるは言わないで下さい! 確かに元から嫌気がさしていた人なら、10連休で休み癖がついてしまったのがトドメになりそうですけど」

小野「たった一ヶ月で結論を出さずにもう少し頑張ってみよう。小野先輩との約束だぞっ☆」

芋子「それはそうと、今回はNHK朝ドラ『なつぞら』第5週の感想についてです」

小野「東京にてなつの実兄・咲太郎(さいたろう)との再会編か。もっと引っ張るかと思いきや、かなり早い段階で会わせちゃったね」


<リアルな表情が見どころの干し草作り>

芋子「東京編の前に25~26話から振り返りましょうか」

小野「干し草作りはかなりリアルだったね。前週は広瀬すずさんの演技力を褒めたけど、ここでは実際に作業をしている広瀬さんの素の表情が見られる貴重なシーンになった」

芋子「こういう作りの丁寧さが朝ドラ58年の歴史の賜物ですよね。似たようなノウハウを何度も撮ってきたのでしょうから」

小野「そして26話はなつの幼馴染、佐々岡信哉が登場」

芋子「1話冒頭のあの再会シーンに繋がるのですね」

小野「ここで引っかかったのは、信哉の『咲太郎はまだ生きている』『今は分からないけど4年前までは生きていた』という2つの発言である」

芋子「矛盾していますね」

小野「なつを安心させる為の発言なのだろうけど、その4年の間に死んでいるかもしれないだろっていう(笑)」


<そしてなつは富士子と東京へ>

芋子「翌27話で物語の舞台は東京に飛びます」

小野「なつと富士子、2人だけをフィーチャーすることで、両者の親子とは似て非なる関係が浮き彫りになったね」

芋子「富士子の母親になりきれない葛藤、なつを傷つける発言からの抱擁と謝罪。これらの微妙で繊細な演技を見事にこなしていました」

小野「演じている松嶋菜々子さんは今でこそ数多の作品に出演するベテラン女優だが、23年前に朝ドラ『ひまわり』で初主演を果たしていた」

芋子「『ひまわり』観ていましたよ。弁護士を目指す話でしたよね」

小野「お前まだ高校生だろ(恒例のツッコミ)」

芋子「かつてのヒロインが母親役となって朝ドラに戻ってきたというのも感慨深いですよね」

小野「『なつぞら』は役者陣が安定しているから、演技面で安心して観ていられるのも良いね」


<兄との再会、そして>

芋子「なつと咲太郎は29話でついに再会を果たし、その咲太郎は30話で誤認逮捕されるという超展開が訪れます」

小野「11~12話を髣髴とさせる駆け足展開になっちゃったのは惜しい。感情移入が付いていけなかった」

芋子「そもそも咲太郎の様子がおかしかったですが、なつも再会した割には微妙な表情を見せることが多かったですね。こうなることを予感していたかのように」

小野「咲太郎に関しては、違和感がありすぎて偽者なのではないかと思ってしまったよ」

芋子「まあ、元からああいう人なのでしょうね。ちょっと子供時代の人物像に関する描写が足りなかったのかもしれません」

小野「結局、せっかく再会できた2人は翌日に再び引き離されてしまった。なつにいたっては実妹の千遥にも会えずじまい」


<東京編の感想>

芋子「2度目の再会が来ることを信じるしかないですね。というわけで東京編も終わったわけですが(第6週にも少しあるらしいけど)、率直な感想はいかがでしたか?」

小野「なつと富士子の抱擁シーン、両者の演技力、これに尽きるね。肝心の咲太郎との再会シーンは微妙な感じだったけど」

芋子「やはり第4週、24話のラストシーンを超える感動はそう簡単には沸き起こらないのでしょうか」

小野「ただこの東京編は、後のアニメーターを目指す展開に向けて重要なポイントになるだろう。12年前の朝ドラ『どんど晴れ』ヒロイン比嘉愛未さん演じる中村屋のマダムを始め、登場人物が覚えきれないくらい多く登場したのも、今後の再登場を示唆しているのだろうし」

芋子「まだ進捗は6分の1ですからね。今後が楽しみで仕方ありません」

 

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2019-05-06 09:25:04 | 小野と芋子

NHK連続テレビ小説 なつぞら 上

 

※壮大なネタバレあります。

 

 

芋子「視聴率20%超えを連発する大好評のNHK朝ドラ『なつぞら』前回の記事(第2週(12話)まで観た段階)では厳しい評価をさせていただきましたが……」

 

小野「広瀬すずさんが本格的に登場してからの2週間で確変したね」

 

芋子「正直、11~12話の山田家問題が急に発覚してからの即解決は駆け足過ぎてカタルシスを得られなかったのに、ネット上では多くの視聴者が感動されているので、私にはこのドラマは向いていないと思っていました」

 

小野「12話と13話の間で9年が経過し、ヒロイン奥原なつが高校生に。役者も子役から広瀬さんにバトンタッチ。それ以降はマジで毎回面白い

 

芋子「放送上は既に第5週まで終わっていますが、今後この第3・4週を超える感動があるのかというくらい良かったですね」

 

小野「早速この2週間を振り返ってみるか」

 

 

<牛の破水からの出産で一気に引き込んだ13話>

 

芋子「広瀬さん本格参戦の初回が早くも神回となりました」

 

小野「生まれた仔牛が息をせず、なつの人工呼吸によって羊水を取り除いたシーン」

 

芋子「私は助からないと思っていましたが、まさかの仔牛が目を覚まします」

 

小野「その感動を引き立てたのは間違いなく広瀬さんの迫真の演技力だった。それまで一定の距離を置いて視聴していたのに、そのシーンで完全に物語の世界に没入しちゃったよ」

 

芋子「羊水を口に含んで吐き出す演技なんて良く引き受けましたよね。若い女性が身体を張ったという意味も込めて、あの演技は100点です」

 

小野「もちろん周囲のベテラン俳優陣の演技も完璧だったからこそだからね」

 

 

<農協と泰樹の確執>

 

芋子「その後の14・15話で農協と泰樹じっちゃんの確執が明らかになります」

 

小野「ポイントは泰樹は悪役ではなく、なつの尊敬するじっちゃんであるということだね。そして泰樹もなつのことを大事に思っている」

 

芋子「その相思相愛は11~12話でちゃんと描いているので、視聴者も泰樹を悪役だとは思わず、農協と泰樹の両方に感情移入出来るようになっていますから、話が俄然面白くなりますし、構成が上手いですよね」

 

小野「農協に務める剛男も、なつにとっては父親同然。2つの意見で板挟みにされるなつの苦悩を、視聴者もそのまま感じられるようになっているのも実に面白い」

 

 

<女優編で更に面白さを増す>

 

芋子「農協問題になつ自身の答えを出そうと、彼女は演劇部に入ります」

 

小野「ここからが第4週だね。どんどんアニメ業界から離れていくかと思いきや、実はアニメーターも女優も表現力という点において酷似している」

 

芋子「戦争孤児だった自分を拾ってくれた柴田家への恩返しの為だけに9年間生きてきたなつが、ついに100%自分の意志でやりたいことを始めるというのも感慨深いですね」

 

小野「その演劇も当初は農協に反対する泰樹の心を動かす為にやっていたのに、途中から自分の為になっていたからね」

 

芋子「後にアニメーターというなつの本当になりたい職業が見つかる展開になるのでしょうが、こうやって自分の意志で動くことが、夢への第一歩となったわけです」

 

小野「そしてここでも広瀬さんの演技力だよね。演技が少しずつ上手くなっていく過程を完璧に演じるには彼女ほどのキャリアが必要。広瀬さん無くしてこのドラマは成立しなかった

 

 

<なつと天陽の関係>

 

芋子「最後に天陽君についてです」

 

小野「うーん。いずれはなつとの恋仲に発展するんだろうけどさ」

 

芋子「朝ドラらしい王道展開ですし、素敵なことじゃないですか」

 

小野「確かに本来なら恋愛は朝ドラの核の一つでもあるよ。150話という長尺で、結婚したその先、場合によっては子供が生まれた先までもを描く“人生ドラマ”“家族ドラマ”の側面も持つからね。ただ『なつぞら』の場合、恋愛面だけは微妙かな」

 

芋子「感情移入できないのですか?」

 

小野「いやさあ。彼は正直、急に登場して急になつと出会ったからね。問題の11~12話も、山田家(天陽)と柴田家(なつ)に接点を作る為の舞台装置になっていたし」

 

(※これは個人の見解です! 感動した皆様ごめんなさい!)

 

芋子「しかし、天陽君がきっかけでなつも絵を描くようになりました。彼の絵が演劇の舞台美術に採用されたり、なつが演劇の登場人物を絵に描いてイメージしてみたりと、やはりアニメ業界に少しずつ近付いてきています

 

小野「第5週以降に期待しよう」

 

 

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2019-04-30 21:24:22 | 小野と芋子

芋子「今日は平成最後の日です。30年間ありがとうございました」

小野「まあ通過点に過ぎんがな」

芋子「ところで先輩。朝ドラを毎日観続けるのって大変ですよね」

小野「お前はいつも話が突然なんだよ。今更だけど」

芋子「おそらく朝ドラのメインターゲットはF2~F3層になるのでしょう。彼女達の多くは朝8時からの15分間、自宅に居ることが可能なので、毎日リアルタイム視聴をしているわけですが……」

小野「学生や社会人にとっては朝8時からの本放送も、12時45分からの再放送も、自宅に居ることはほぼ不可能だね」

芋子「BS放送を契約していれば、23時30分からの再放送を観ることは出来ますが、当然そんな裕福な家庭は限られます」

小野「あるいはレコーダーで毎日録画して、夜や休日に観れば良いわけだが、帯ドラマというものは油断をしているとすぐ録画が溜まってしまう」

(※そもそもブログの管理人の自宅は未だにVHS機器なので予約録画の操作も一苦労である)

芋子「そもそも朝ドラというものは学生や社会人には不向きなコンテンツなのかもしれません。それがアニオタであれば尚更です」

小野「TVアニメは週に一度の30分間だけ観ていれば良いのだからね。しかも朝ドラが2クールも続くのに対し、アニメの大半はその半分で終わる。アニメに慣れてしまった身体で朝ドラを視聴し続けることは決して容易な作業とは言えない



<アニオタが朝ドラに食いついた理由>

芋子「そんな感じで、アニオタにとって朝ドラへの馴染みは長らく薄いままでした。しかし、この4月よりスタートした朝ドラ『なつぞら』によって、その現象は覆されることになります」

小野「昭和中期、日本のアニメ業界草創期に、ヒロイン・奥原なつがアニメーターを目指す物語。しかも1話を観れば分かるが、なんと本編の一部にアニメを使用。その監修はスタジオジブリ出身という豪華さである」

芋子「これに多くのアニオタが食いついたわけですね」

小野「おまけにそのヒロインを演じるのが広瀬すずさんと来たものだ」

芋子「まあ広瀬さんはアニオタとあまり関係ないかもしれませんが、朝ドラ100作目にして平成と令和を跨ぐ記念すべき作品のヒロインとして超人気女優が起用されたわけですから、アニオタに限らず多くの国民が気になったはずです」



<しかし酪農の話が延々と続く……>

小野「というわけで少しずつ観て行って、ようやく12話くらいまで来たわけだが、正直に言わせていただくと、そんなに面白くないし、話の展開が遅すぎる

芋子「まあ遅いのは仕方ないにしても、放送初期は戦後の北海道の酪農の話が延々と続きます。アニオタからすれば『思っていたのと違う』と思った方も居るかもしれません」

小野「そりゃ半年間、150話も放送するわけだから、アニメーターの話だけで持つわけが無いからね。アニメへの興味を抱くきっかけとして今の展開があるのだろうけど」

芋子「ちなみに広瀬さん目的で観始めた方にとっても最初は苦痛です。彼女が本格的に登場するのは13話から。先輩が観ていた範囲だとまだ子役の段階ですね」

小野「この最初の2週間はね、内容的にも賛否両論だったと思うよ。ここから面白くなることに期待したい」



<オンデマンド視聴者の苦悩>

芋子「朝ドラはNHKオンデマンドの会員になればネットでも視聴できます」

小野「確かにこれは録画が面倒なVHS民にとっては便利なサービスだが、デメリットもある」

芋子「何ですか?」

小野「単純に単品購入すれば1話あたり108円、つまり150話で1万6,200円もかかってしまうが、『見逃し見放題パック』に加入すれば月額972円で全話観放題になる。半年かけてもたったの5,832円だ」

芋子「良いじゃないですか」

小野「ところが視聴期限があるんだよ。地上波で放送された日から2週間を過ぎた回を観るには更に1話あたり108円“課金”しなければならない謎システムになっている」

芋子「つまり、遅くとも放送日から2週間以内に観ておかないと金銭面で損をするわけですね」

小野「仕事をしながらそれを続けるのは簡単なことではないよ」

芋子「貴方まだ高校生ですよね?」



<意欲を持って朝ドラを視聴し続ける3つの方法>

小野「普通に働いているアニオタは、録画にしろオンデマンドにしろ、とにかく視聴意欲を持ち続けないと朝ドラを観続けることなんて不可能だ」

芋子「何か良い方法は無いでしょうか」

小野「僕なりに3つくらい方法を考えてみた」

芋子「では1つ目からどうぞ」



<1:卓上カレンダーをスタンプカードにする>

小野「これはオンデマンド視聴者には特に有効だ。まず100円ショップで卓上カレンダーと、何でも良いから小さめのスタンプを買ってくる。朝ドラを視聴したらカレンダーの、その回が放送された日にスタンプを押す」

芋子「夏休みのラジオ体操カードみたいですね」

小野「これで今日の日付と照らし合わせて、まだ観ていない回が放送日から2週間以上経過していないかを確認することが出来る。あとは単純にカレンダーがスタンプで埋め尽くされたら達成感を得られるよね」

芋子「幸いにも今期は4月1日から1話がスタートしているので分かりやすく、話数の把握も簡単ですね」



<2:Twitterで感想や考察を読む>

小野「2つ目はSNSを最大限に活用すること。各話のあらすじを簡潔にまとめてくれたり毎日感想や考察をツイートしてくれるアカウントを探してフォローしよう」

芋子「『ながら視聴』をする方も多いと思うのですが、いつの間にか話の内容が理解できなくなり、視聴断念に繋がる危険性もあります。なのでTwitterや5ちゃんねるをこまめにチェックすることはとても重要です」

小野「とにかく一人で観ようと思わないことだ。朝ドラ仲間はネット上に無限に存在するのだから」

芋子「あとは公式サイトの人物相関図を常に表示させながら観ましょう。これ地味に大事です」



<3:週末のダイジェスト放送を観る>

小野「そして3つ目。これは最終手段なのであまりオススメ出来ないけど、毎週日曜の午前11時から、その週の話を20分間にまとめた『なつぞら一週間』を放送しているので、それを観てしまうことだ」

芋子「え、そんな神番組があるのですか?」

小野「もっと言うと、同じく日曜の朝5時45分からと、夕方17時55分からの2回、『5分でなつぞら』が放送されている」

芋子「まさかの5分バージョン!? BSですか?」

小野「いや、どちらもNHK総合だ」

芋子「地上波とは太っ腹ですね! 5分とか20分だけ観ることなら誰にでも出来ますよ!」

小野「でもそれはあくまで、本放送をちゃんと観た上で、復習として使ったほうが良いと思うんだ。ダイジェスト放送だけを観て終わりにしたら、ちゃんと毎日15分間本放送を観ている視聴者にも失礼だし、何より巨額の制作費と構想から2年以上もの期間をかけて作っているスタッフの気持ちを考えれば邪道であることは言うまでもないよね」

芋子「確かにそうですね。ところで先輩、サムネ用の画像はどうしますか?」

小野「あのさあ、何度も言っているけど暇じゃないんだよこっちは! 明日の仕事の準備もあるし、報告書も書かなきゃならないし。寝る時間無くなっちゃうよ!」

芋子「だから貴方は高校生で今は休みですよね?」


◎『けものフレンズ2』イエイヌが見ていた1枚の絵から色々考察してみた

2019-04-05 17:51:32 | 小野と芋子

<↑NEXONアプリ版(後述)のストーリーをアニメ化した『ようこそジャパリパーク』は『あにてれ』で配信中!>

 

芋子「平成最後の大炎上アニメ『けものフレンズ2』、最終話(12話)が放送されました」

小野「多くの謎を放置、伏線回収を放棄した上に、細谷Pの意味深なツイート。これはもう3期だか劇場版だか知らないけど、続編を制作する気満々である」

芋子「しかし、最終話で続編を匂わせてからの円盤爆死でコンテンツの終焉を迎えたアニメが過去にどれほどあったことか。けもフレもそうなってしまう可能性は十二分にあります」

小野「だからある程度の謎は解き明かして欲しかったんだけどね」

芋子「そこで今回は、続編が制作されない最悪の事態を想定し、私たちが謎の一部を考察してみましょう」



<まさかのキュルルの謎放置>

小野「何よりも、2期の実質的な主人公であるキュルルの生い立ちについてを謎のままにしやがったことには憤りを覚える」

芋子「1話で謎の施設内、大きなカプセルのようなものの中で『長い間眠っていた』というキュルル。最初からスケッチブックと謎の筒状の物を持っていた理由も不明です」

 

 
小野「スケッチブックの絵を頼りに、キュルルが元々住んでいたという“おうち”を探すことが2期ストーリーの軸になっていたはずだった」

芋子「それらの謎が最終話を迎えても、ただの一つも明かされずに終わってしまう。果たしてそれで視聴者が納得するでしょうか」

小野「まずはここから考察しよう。まず10話でフウチョウコンビが『キュルルのおうちは最初から存在しないかも』あるいは『あったけど消されたかも』という旨の発言をした」



===

カンザシフウチョウ「おうちに帰ったところでどうなる?」

キュルル「あ……」

カタカケフウチョウ「そこには一体何があるのだ?」

キュルル「それは……そこには、僕にとって大事な、なんかすごく大切なものがあった……気がする……」

カンザシフウチョウ「実に曖昧な答えだな……」

キュルル「あまり、思い出せないんだ……」

カタカケフウチョウ「果たして本当にそうか?」

カンザシフウチョウ「元々そんな物、無いのかもしれんぞー?」

カタカケフウチョウ「あるいはあったが、消されたのかも……」

===


芋子「そして結局、おうちが見つからないまま最終話は終了しました」



<キュルルは漫画版時代のパークにも居た>

小野「おうちの謎については一旦置いておこう。そもそもキュルルとは一体何者なのか」

芋子「それに関しては少しだけヒントが出てきました」

小野「最終話Cパートの絵ね」




芋子「まずこの絵によって、キュルルはかつてジャパリパークが平常営業していた頃に、お客様として来園していた可能性が高くなります」

小野「ただ、皆さんご存知のとおり、パークが人間のお客様をお招きできるほど平和だったのは、はるか昔のことである」

芋子「ミライさんも描かれていることから、アニメ1期よりも更に前の時系列になりますね」

小野「ポイントはミライさんだけではなく、ある人間の女性も描かれていることだな」

芋子「菜々さんですね」



小野「少し髪が短いけど、着ている服の色から菜々さんで間違いないだろう」

芋子「菜々さんは漫画版『けものフレンズ -ようこそジャパリパークへ!-』の主人公です。ネット上で一部の話が無料で読めますので、1話だけでも読んでみて下さい」

小野「菜々さんが居ることから、漫画版の時系列になる。漫画版はサービス終了したNEXONアプリ版よりも更に前(※1)なんだよね」


(※1:漫画版→NEXONアプリ版→アニメ1期→アニメ2期の順番です)


芋子「相当前じゃないですか」

小野「そもそもNEXONアプリ版からアニメ1期までに相当の時間が経過しているらしい(※2)からね」


(※2:その根拠は複数あるが、漫画版サーバルが『第1世代』、NEXONアプリ版が『第2世代』、そしてガイドブックでアニメ1期サーバルが『第?世代』と定義されていることからも、長い期間を経て世代交代を繰り返していることが分かる)



<キュルルコールドスリープ説>

芋子「そこで気になるのは、絵に描いてあるキュルルと、アニメ2期のそれに、大きな違いは見られないということです」

小野「多少の成長はしていると思うが、本当にヒトならアニメ2期の時点でとっくに大人になっていてもおかしくない」

芋子「でも明らかに大人ではないですよね」

小野「あの謎の施設で眠らされていたわけだが、コールドスリープみたいな方法で成長を止めていたのかもしれないね」

芋子「一体誰が何の目的でそれをしていたのか?」



<イエイヌの探し求めていたヒトは……>

小野「最終話Cパートの絵を見て思うことはもう一つある」

芋子「何ですか?」

小野「イエイヌが探偵を雇ってまで探し求めていたヒトは、やはりキュルルだったのではないかということ」

芋子「ああ、9話を観た限りでは、探しているのはキュルルじゃないと思っていましたけど、過去にもキュルルと会っていたとなると、そのキュルルにもう一度会いたいと思っても不思議ではありません」

小野「だとするなら、9話で示唆されていたとおり、キュルルのおうちは現在イエイヌの住んでいる家なのかもしれない」

芋子「もう一つ気になるのは、イエイヌのまわりにかつて何人も居たというヒトは何処へ消えたのでしょうか」

小野「やはり月なんじゃないかなあ」



===

イエイヌ「ここはずっと昔、何人ものヒトがいたんです。私も一緒によく遊んでいました。でも……ある日、みんないなくなってしまって……」



===



芋子「だとするなら、地球からも離れなければならないほど、漫画版のパークで何かが起きたことになりますが」

小野「この謎を考察する為に漫画版を購入しちゃったよ! iPhoneでもKindleを使えるなんて知らなかったよ!」

芋子「というわけで、全2巻しか無いので漫画版も最終話まであっさり読み終わったわけですが……」

小野「全く何も分からなかったよ!」

芋子「一応、公式ガイドブックによると、漫画版の時点でセルリアンは既に存在していたそうなのですが、漫画本編に明確な敵は一切登場しません。それどころか事件や災害を匂わせる不穏な描写すら皆無」

小野「当然だがキュルルも登場しない。繰り返すが、キュルルが漫画版の時代に居た根拠はアニメ2期の最後の絵だけである」

芋子「ちなみに漫画版のジャパリパークには普通に都市もあり、コンビニやケーキ屋など人間社会のインフラも多く存在します(ただし店員はフレンズ)」

小野「それが何かのヒントになるのかね……さっぱりわからん」



<『ヒトはビーストをコントロールしようとした』と『ヒトが月へ行った?』は関係あるのか>

小野「ここでアニメ2期の台詞を思い出してみよう。6話かばんの『ヒトはビーストをコントロールしようとしたけど無理だった』

芋子「パークにビーストが出現し、鎖を付けたのが漫画版の頃の話ということでしょうか」

小野「いや、漫画版は終始平和だったから、漫画版とNEXONアプリ版の間の出来事かな」

芋子「NEXONアプリ版サーバル(第2世代)誕生のきっかけとなったとされている『女王事件(セルリアン大発生事件)』と、同時期に起きたのかもしれません」





小野「うーん。ビースト=セルリアンなら分かりやすいんだけど、そうじゃないもんなあ」

芋子「女王事件とビースト出現により、菜々さんを含む多くのヒトは月に逃げ、ミライさんは残った。そしてNEXONアプリ版へと繋がる」

小野「駄目だ。やっぱり月に逃げる理由が分からないよ。地球内でもパークの外は平和なんだよね?」

芋子「そして漫画版の時点で存在していたはずのキュルルは月に行ったわけではなく、何故かコールドスリープされることになり、アニメ2期に繋がります」

小野「他メディアの情報も駆使したのに、結局ほとんどの謎は謎のままだった……」



<新アプリ『けものフレンズ3』で解明されるのか>

芋子「最後に、今年稼動予定の『けものフレンズ3』についてです」

小野「この『3』は、普通に考えればNEXON版→ブシモ版(ぱびりおん)に続き、アプリゲームとしての3作目だから『3』なんだろうけど、アニメ版『2』の続編という意味での『3』の意味も併せ持っている可能性もあると思うんだ」

芋子「ただ2作目の『ぱびりおん』が矛盾点が多すぎてパラレル説もあるくらいなので、『3』がパラレルだったとしても文句は言えません」

小野「いや、多くの謎を放置しやがった上にアニメ版の続編が(円盤の売上的な意味で)制作されない可能性もある以上、『3』は『2』と地続きであってほしいよね」

芋子「では『3』のストーリーモードで『2』の謎が解明される可能性もあると?」

小野「期待していますよ、SEGAさん」

 

<参考資料>

【けものフレンズ】漫画~アニメまでの出来事の時系列

 

<関連記事>

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◎『けものフレンズ2』9話感想……カラカルの心情の変化や3人の絆の為に犠牲になったイエイヌ。もう少し何とかならなかったのか

◎『けものフレンズ2』10話感想……続きが気になる内容だったけど伏線の貼り方が雑


◎『足湯女子』を流行らせたい! 春休みは足湯カフェへ行こう

2019-03-21 16:21:59 | 小野と芋子

芋子「都内でも桜の開花が発表されたり、すっかり春ですねえ」

小野「春休みに入った学生も多いだろう。社会人も今日は祝日だ」

芋子「何が言いたいのですか?」

小野「世の女性の皆さん、足湯に入りに行きませんか?

芋子「湯布院の温泉施設経営者のツイートが炎上して間もない時にする話題では無いと思います」




小野「別に混浴風呂で『特大の魅力』を見たいと言っているのでは無い」

芋子「そのワードも使わないで下さい! いくらブログランキング4桁だからって、女性の読者も少しくらいは居る(と思う)のですよ」



<女性は適度な露出が丁度良い>

小野「僕が見たいのは、↓こんな感じの女性なんだよ」





芋子「先輩、これは?」

小野「声優・高田憂希さんが草津の足湯カフェに行った時のツイートだよ」

芋子「また声優ネタですか」

小野「声優というのもポイントなんだよ。このブログでは『声優はアイドルでは無い』と何度も力説してきたが、例えばアイドルはすぐ水着になるけど、声優は一部の限られた人しか水着にならない。ましてや温泉に入るとか、入浴シーンをOKしている声優事務所はゼロに近いんじゃないかな」


(※最近の事例として、3月9日放送のテレビ朝日『ゲンバの声がある』で女性声優(千本木彩花)とグラドルが女子ソロキャンパーをリポートし、キャンプ場近くの温泉に入るシーンがあったが、声優だけ湯船に漬からず服も一切脱がなかった)


芋子「つまり、女性声優は肌の露出を控えめにしがちということですね?」

小野「例え夏でも、私服のスカートはミディ丈かミモレ丈がほとんどだ。でもそれはとても健全で良いことだと思う」

芋子「まるでミニスカートが不健全みたいな言い方ですね」

小野「不健全とまでは言わないけど、例えば大学時代に毎日ミニスカートの女子学生が居たけど、そこまでやりすぎると、その女子の生足にありがたみを感じなくなってしまった。この年にもなると、適度な露出がちょうど良いと思えるようになる」

芋子「貴方まだ高校生ですよね? 設定上は」



<2019年版「奇跡の一枚」>

小野「で、↑の高田さんのツイート。2枚目の写真を見て欲しい。奇跡の一枚だ」

芋子「まあ足湯ですから、普通の温泉と違って、露出しているのは膝から下の部分だけですね」

小野「これくらいの露出がベストだし、足湯に入るという行為に適度なエロスも感じられる。声優としても温泉に入る(写真をUPする)ことは多分NGだから、これくらいが限界だったと思うんだけど、結果的に奇跡の写真が誕生したわけだ」

芋子「そう思っているのが当方さん(ブログの管理人)だけの可能性もありますよね?」

小野「共感してくれる男性が居ることを信じて、こうやってネットで発信しているのだ。わからないかなあ、この写真の良さ」

芋子「まあ私は女子なので」



<春は足湯にベストな季節!?>

小野「芋子もやってみて欲しい。足湯カフェに行って写真を撮り、SNSにUPして男性の反応を見てみるんだよ。僕の持論を証明させたい」

芋子「でも足湯って面倒そうなイメージがあるんですよね。高田さんの写真はたまたま足湯に入りやすそうな衣装を着ていたわけですが、タイツやストッキングを履いていれば脱がなければならないし、パンツスタイルなら裾を捲し上げる必要があります」

小野「だから暖かくなってきた今こそチャンスなんだよ。気温も上がって街ではミディ丈スカート、かつ生足を見せる女性も増えてきた。その格好なら靴と靴下を脱ぐだけで足湯に浸かれる」

芋子「なるほど。しかも普通の温泉と違って、メイクを落とす必要も無いですからね」

小野「良いところに気付いたね。すっぴんを見られたくないからと、女子同士で温泉に行くことを躊躇う女性も、足湯ならそんなにハードルは高くないんじゃ無いかな」

芋子「デートでも、普通の温泉だと男女別になってしまいますが、足湯ならいつまでも一緒です」

小野「足湯はいわば『健全な混浴』である」



<実は都内にもある足湯カフェ>

芋子「でも草津って遠いですよね。金欠の学生にはハードルが高いかもしれません。親の許可が取れない子も居そう」

小野「ところがすっとこどっこい。足湯カフェは都内にもあるんだよ。しかも上野や新宿、池袋といった大都会に」

芋子「そうだったんですね! 知らなかったです」

小野「都内だとオシャレな店も多いし、SNS映えもすると思うんだけどね。でもTwitterで『足湯女子』で検索してもあまり出てこない」

芋子「そりゃそんな言葉、流行っていませんから」

小野「だからこそ、この記事をきっかけに流行らせたいんだ。もし賛同していただける女性の方が居ましたら、今すぐ足湯カフェに行って写真を撮り、Twitterやインスタで『#足湯女子』を付けてツイートして下さい!」

芋子「………」

小野「新たなる女性の魅力がそこにあります!」

芋子「お、おう」

 

 

<関連記事>

◎春デート萌え服グランプリ


◎『けものフレンズ2』10話感想……続きが気になる内容だったけど伏線の貼り方が雑

2019-03-21 04:33:06 | 小野と芋子

 <けものフレンズ2 第4巻 [Blu-ray]

 

芋子「まさかの私たちの登場です」

小野「ブログの管理人(当方128)がとうとう1200字以内で感想を書くのを放棄したからな(『ほぼ週刊サンマイ新聞』カテゴリー)」

芋子「というわけで、当方さんに代わり、私たち2人でTVアニメ『けものフレンズ2』10話について語ります」

小野「執筆時間短縮の為に呼び出される俺たちの存在意義って……」


<イエイヌの今後は?>

芋子「まずは管理人のTwitter短評からどうぞ」

小野「『物語る亀』のパクリかよ」

 

芋子「なるほど。イエイヌといえば前回の9話で『主題(サーカラとキュルルの絆)を成立させる為に犠牲になった』悲劇のヒロインだったわけですが、10話で僅かながらも再登場」

小野「これが伏線だとすれば、今後彼女が救われる話が描かれる可能性は高いということか」

芋子「『あらゆる場所を旅してきたリョコウバトがヒトを見たことがない』『キュルルの家は存在しないかもしれない』という情報から、キュルルが家探しを諦めてイエイヌと共に暮らすENDに繋がる可能性も無くはないと思います」

小野「そうなれば、9話を批判した人たちも、少しは納得してくれるんじゃないかな」

芋子「それをハッピーエンドと呼べるかは疑問ですけどね」

小野「まあイエイヌについては保留だね。監督と脚本家を信じるしかない」


<10話に繋がる伏線はほとんど無かった>

芋子「続いて『伏線の貼り方が雑』についてです」

小野「10話から、ミミちゃん助手の台詞を一部起こしてみよう」


助手「竹林のほうではジャイアントパンダにそっくりなセルリアンにパンダたちが襲われ、はたまた砂漠では、チーターそっくりなセルリアンにチーターが追いかけられたとか」


芋子「ジャイアントパンダは2話、チーターは7話にそれぞれ出てきましたね」

小野「そこで発生したセルリアンは、フレンズにそっくりなそれでは無かったよね」

 

芋子「なるほど。ジャイアントパンダやチーターにそっくりなセルリアンを2話や7話でちゃんと登場させて、それを倒す過程も丁寧に描いて、そのセルリアンが強いことを示唆しておけば、10話にちゃんと繋がるわけですね」

小野「もっと言うと、2話は2期屈指の不評回、7話も『あの6話のあとに呑気にかけっこかよ』という感じだから、せめて伏線を貼って後から評価されるようにすべきだったよね。10話と何の関係もないなら2話と7話が駄作であることは覆されない」

芋子「10話単体で観れば『フレンズそっくりのぬいぐるみ』が『フレンズをコピーするセルリアン』を示唆していたことになりますから、ギミックとしては面白いんですけどね」

小野「残念ながら、10話で褒めるべき点はそこくらいかな」

 

(※補足……時系列的には「キュルルがスケブの絵にフレンズを描き足す→その絵をフレンズに渡す→それをコピーしたセルリアン登場」という順番で、2話や7話では描き足す前にセルリアンが登場してしまっているので、そのセルリアンを10話の伏線として登場させるのは難しいかもしれません。ただ、話の構成を工夫すれば不可能ではないと思います。例えば「セルリアンを登場させることなく問題が解決する(2話は遊具作り、7話はリレーを済ませる)→スケブの絵にフレンズを描き足す→セルリアン登場→倒してそっちも解決」の順番にするとか)

 


<真のラスボスは誰?>

芋子「最後はラスボスについてです」

小野「もしキュルルの描いた全員集合イラストをコピーしたセルリアンが現れたら最強すぎて誰も太刀打ち出来ないんじゃないかな」

芋子「一応それを阻止しようと、かばんと博士助手が動き出したようですが、最悪の事態は回避できないような気がします」

小野「そうなると相当な数のセルリアンが現れることになるね。最終話でこれまで登場したフレンズが全員集合、それぞれ自分をコピーしたセルリアンと戦う感じかな?」

芋子「ただ、最終話でフレンズが全員集合する熱い展開は1期で既にやっていますので、1期を超える演出になるかが評価の分かれ目になるでしょう」

小野「それを倒した後に大和セルリアンが真のラスボスになるのかな」

芋子「まだビーストも居ますよ」

小野「すっかり忘れていたよ。もうこれ風呂敷広げすぎだよね。あと2話できちんと畳めるのだろうか」

芋子「私は『続きは劇場版で!』とかでも大歓迎ですけどね」

 

 

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◎小野と芋子(11)ドラマ『中学聖日記』5話まで(中学生編)の感想を今更語る

2019-01-03 13:48:55 | 小野と芋子

TBSドラマ『中学聖日記』ディレクターズカット版がParaviで配信中>

 

芋子「テレビドラマはネット配信で観るに限ります」

小野「新年早々何を言いだすのだ。てか三が日くらい家でゆっくりさせてくれよ。何で俺等だけ学校に来ているんだよ

芋子「忙しい現代人は、平日のプライムタイムに1時間の番組を毎週欠かさず観続ける暇など無いのです」

小野「ドラマの放送中はTwitterが盛り上がるから、世間的にはそうでもないと思うが」

芋子「それでも私には合わないのです。休日を使ってネット配信で一気観するのが一番効率が良いと思います」

小野「早い話が、Paraviで『中学聖日記』を1話から5話まで一気観したから、感想を語りたいということだな」

芋子「さすが先輩、話が早くて助かります。Paraviは登録した最初の月は無料なので、TBSの連続ドラマを無料で一気観することも可能です」

小野「1月末に解約し忘れて料金が発生して泣くところまで見えた」



<教師と生徒の禁断の愛>

芋子「ドラマ『中学聖日記』は、かわかみじゅんこの漫画を原作とした、中学3年生の少年・黒岩晶と25歳の新人女性教師・末永聖による11歳差の純情ラブストーリーで、2018年10月から12月までTBSで放送されていました」

小野「5話までが中学生編(2015年)、6話以降が高校生編(2018年)となっているので、一旦区切りの付いた5話までについて語ろうと言うわけか」

芋子「そしてこの原稿は『中学聖日記』に強い刺激を受けた当方128さんが、現在放送中の『バンドリ24時間マラソン』を観て気持ちを落ち着かせながら書いています」

小野「女子同士だと安心できて良いな。ってそれはどうでもいい」

芋子「5話まで観ると、教師と生徒の禁断の愛と、それを止めようとする周囲の登場人物の心情が見えてきて面白くなってきました」

小野「教師と生徒の恋愛は確かに条例にも抵触するレベルでやってはならないことなんだけど、止めようとする周囲の人物の心情を考えると、実は禁断の愛が主題でも無かったりするところが面白いんだよ」

芋子「どういう意味ですか?」

小野「では登場人物の心情を一人ずつ検証してみよう」


<黒岩昌(岡田健史)の心情>

芋子「まずは男子生徒・黒岩君。まあ全ての元凶の元凶の元凶ですね」

小野「彼はただ人を好きになっただけで、それがたまたま担任の教師だっただけのことなんだけどね」


<末永聖(すえなが ひじり)(有村架純)の心情>

芋子「ヒロイン・聖先生は、遠距離恋愛の婚約者が居てプロポーズされたにも関わらず、黒岩君に振り回されていくうちに、いつしか彼のことを好きになってしまいます」

小野「ここまでは特に語ることも無い。強いて言うなら、有村架純ちゃんをいじめる奴は全員許さない

芋子「有村架純じゃなくて末永聖として見て下さい」


<川合勝太郎(町田啓太)の心情>

小野「ここからが本題だ。禁断の愛を止めようとする人物の心情に迫っていこう」

芋子「まず何といっても勝太郎。聖先生の婚約者です。彼が聖先生の禁断愛を止めようとするのは婚約者として至極当然のことです」

小野「つまりそれは婚約者だからであって、禁断の愛そのものを否定しているわけじゃないんだよね」

芋子「ああ、そういうことにもなりますか」


<岩崎るな(小野莉奈)の心情>

小野「誰だっけ?」

芋子「黒岩君に片想いを抱く女子生徒です」

小野「ああビッチか。彼女は黒岩の母親にまで訴えたりと必死だったね。でも禁断の愛に対する否定よりは、単に自分が黒岩を好きだから止めていると考えるのが自然だよね」


<黒岩愛子(夏川結衣)の心情>

芋子「黒岩君の母親です。5話でついに、自分も不倫という禁断の愛に手を出し、父親と離婚、どうにも出来なくなった過去を持つことが明らかになった」

小野「息子の恋愛を応援できなかったのは、相手が教師だからというよりは、自分みたいにならぬよう立派に育って欲しいという想いからかもしれない」


<原口律(吉田羊)の心情>

小野「続いて吉田羊の演技力が光る原口さん。勝太郎の上司である」

芋子「彼女は事ある毎に勝太郎に恋愛に関する正論の助言を与え、惑わします」

小野「次第に勝太郎のことを好きになっていくので、聖先生と黒岩君の恋愛をまんざら否定しているわけでもない立場といえる」


<塩谷三千代(夏木マリ)の心情>

芋子「最後はネチネチ言ってくる教頭先生」

小野「彼女だけが唯一、教育者かつ中立の立場で純粋に『教師と生徒の禁断愛』を否定していたことになる。先に挙げた他の人たちは皆、自分の感情と欲望に基づいて止めようとしているだけだ

芋子「なるほど。そう考えると面白い。単に教師と生徒の禁断の愛だけが主題というわけでも無い、実に奥の深い物語なのかもしれません」

小野「そして5話の終盤で3年が経過し、黒岩君も高校3年生になり、法的にも結婚可能な歳になったわけだが、果たして物語はどう動くのか」

芋子「それではまた、最終話まで視聴してからお会いしましょう」

 


◎小野と芋子(10)伝説の番組『ウリナリ』と「ポケビ」について今さら語る

2018-03-21 04:04:30 | 小野と芋子

 

芋子「“お笑いバラエティー番組”として長きにわたり放送された『めちゃ×2イケてるッ!』『とんねるずのみなさんのおかげでした』が共に3月に終了します」

小野「企画を固定せず、ロケやトーク、コントなど色々なことに挑戦してただただ面白いものを作っていくのが“お笑いバラエティー番組”。昔は『リンカーン』『SMAP×SMAP』など、もっとあったんだけどね」

芋子「この春からゴールデン枠に企画やコンセプトを固定しない番組は『DASH』と『ぐるナイ』くらいしか無くなるでしょうね」

小野「そんな“お笑いバラエティー番組”だけど、16年前(2002年)まで放送されていた伝説の番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』をご存知だろうか」

芋子「ご存知も何も、私たちが生まれる前なんですけどね」※二人とも高校生です。

小野「文字通りウンナンを始め、よゐこ、キャイ~ン、K2(勝俣州和・堀部圭亮)、そして数名の女性陣をレギュラーとして、主に難しいことに挑戦する企画をメインにしてきた番組だ」

芋子「有名なのは『社交ダンス部』ですね。コントもやっていましたけど、やはりこの番組は“挑戦系”の企画のイメージが強いです。週2回の収録に加え、他の仕事の合間や深夜にも練習したりしていて、拘束時間はとんでもない長さだったと思います」

小野「今なら確実に労基法違反で訴えられる(笑)。それはさておき、今回語りたいのは『ポケットビスケッツ』、通称ポケビについてだ」


<伝説のユニット、ポケットビスケッツ>

芋子「ウッチャン、ウド鈴木、そして千秋の3人で構成された、番組から誕生した音楽ユニットですね。1995年から2000年まで、ウリナリの一つの企画として放送されていました」

小野「『Yellow Yellow Happy』を始め、シングルCDのミリオンヒットを3作も出し、紅白出場も果たすという、番組の企画としてはあまりにも大きすぎる功績を残した伝説のユニットでもある」

芋子「ポケビの全盛期は番組の視聴率も毎週20%を超えるなど絶好調でした。まあ『伊東家の食卓』が28%も取るような“視聴率バブル期”でもありましたけどね」


<ポケビの活動を終了させた謎>

小野「今回は、そんな『ポケビ』が人気絶頂の最中、突然終わらせてしまったのは何故か、考えてみようではないか」

芋子「千秋がポケビを卒業し、ユニットも実質活動休止状態になったのは2000年3月。今思うと、ポケビの終了が番組の寿命を縮める一因になっていたのかもしれません」

小野「その2000年春以降から番組は迷走を始め、翌年には千秋が番組そのものを降板、よゐこなど一部芸人も降板となり、末期は泥だんごを作るなどしてお茶を濁し、2002年3月にウリナリという番組は終焉を迎えることとなった」

芋子「果たして人気絶頂だったポケビを終わらせる必要はあったのでしょうか」


<まずはポケビ終了までの流れを振り返る>

※参考動画:2000年1月の話し合い

 

小野「ポケビは2000年1月に『千秋をソロデビューさせるか否か』の話し合いを行い、千秋のソロデビューとポケビ卒業が決定された。その後は毎週のように思い出の地を巡るロケを行い、最後に訪れたのが1997年12月にライブを行った日本武道館。そこでテル(ウッチャン)の口から『千秋のソロデビューライブ会場として武道館を押さえた』ことが告げられるも、千秋は拒否。武道館はキャンセルされ、3月12日の昼に小さなライブハウスでライブを開催。そしてそれが終わった後、事態は急変する」

芋子「ライブ後の打ち上げにウドが現れ、千秋をリムジンに乗せてある場所へ連れて行きます。アイマスクとヘッドホンを装着させられた千秋は車を降り、手を引くウドと共にゆっくり歩いていきます。そしてアイマスクを取った先に見えた光景は、『Yellow Yellow Happy』を大合唱する1万人の観客と、左右に振られる1万枚の黄色いハンカチでした。そこはなんと武道館だったのです」

小野「武道館を再度押さえ、ポケビのシークレットライブ(事実上のラストライブ)に変更して開催したわけだ。これを千秋と視聴者には完全に秘密にしていたのだから、サプライズ企画としてここまで衝撃で嬉しいものはなかなか無いよ」

芋子「1万人の観客には当選ハガキに『みんなには内緒だよっ☆』と書くだけで、本当に彼等だけの秘密に出来ちゃったわけですから、良い時代でしたね。今ならハガキの画像がTwitterで拡散されて、千秋や他の視聴者にも即バレでしたでしょうね」

小野「この模様は3月24日に『運命のライブ 涙の鳥肌総立ちSP』として放送された。タイトルからして物凄いハードルを上げているけど、確かに番組の企画としてはとても完成度の高い出来になっていたと思うよ」

芋子「最後に武道館だったことが明かされる瞬間は、私も観ていて鳥肌が立ちました。まだ生まれていませんけど

 

※参考動画:運命のライブ 涙の鳥肌総立ちSP

 


<ある程度のヤラセもあったウリナリ>

小野「ただ、もう何となく気付いていると思うけど、ある程度のヤラセが無いとこのサプライズ企画は成立しない

芋子「テルやウドはもちろん、ターゲットの千秋にも当日の動きや台詞の書かれた台本があって、その通りに動いてもらわないと上手くいかないですからね」

小野「それでも千秋には武道館ライブの存在だけは本当に秘密にしていたと信じたいけどね。このポケビ武道館シークレットライブの企画は、その後のウリナリという番組において、総集編などでも一度も振り返られることは無かった」

芋子「番組としても黒歴史扱いなのでしょうか。私は良い企画だったと思いますけどね」


<考えられるポケビ終了の3つの理由>

小野「では本題だ。この企画自体は感動ものだったが、そもそも番組の寿命を縮めてまで、最後の武道館ライブに5万人の応募を集めるほど集客力のあったポケビを終わらせる必要はあったのか」

芋子「その理由について考えるわけですね」

小野「本当の答えは日本テレビに問い合わせるしか無いのだろうけど、僕なりにいくつかの理由を考察してみた。まず1つ目は『レコード会社の意向』だ」

芋子「千秋をソロデビューさせたい思惑があったわけですね」

小野「あくまで予想だけどね。当時のポケビの人気から考えても、千秋のソロで売れる勝算はあったと思うよ。ちなみに2000年1月の話し合いではテルが『ソロもやってポケビもやるのは不可能』と明言していたが、これも不自然な発言だったと思う。千秋のソロと並行してポケビのCDも出し続ければ、どちらもそれなりに売れていたはず。これについてもレコード会社に何らかの思惑があったと考えるのが自然だろう」

芋子「結局、千秋のソロ歌手としての活動は僅か2年。シングル4枚、アルバム2枚を出すのみに止まりました」


<番組の視聴率が低下していた?>

小野「考えられる2つ目の理由は『視聴率』

芋子「番組の企画である以上、視聴率が取れなくなれば終了せざるを得ないですよね」

小野「当時の視聴率データを見つけることは出来なかったけど、ポケビ末期の2000年ですら、最低でも12%は確実に超えていたと思うけどね」

芋子「当時の日テレは毎年のように視聴率三冠王を獲得するほどの独走状態で、『ゴールデンで12%取れない番組は打ち切る』方針がありましたからね」

小野「今なら8~9%でも存続できるんだけどね。厳しい時代だったね」


<ビジネスとして成り立たなくなった?>

芋子「予想される3つ目の理由は何ですか?」

小野「『ビジネスとして成立しなくなったから終わらせた』という可能性だ。実はポケビのライブは全て番組の予算内で行い、視聴者を毎回無料で招待していた」

芋子「えっ、武道館も無料ですか!? どこにそんなお金が」

小野「当時のテレビ局は金があったんだよ。バラエティー番組に湯水の如く金をかけられた。しかもCDやビデオなどをたくさん売って利益を出していたからね」

芋子「となると、CDをたくさん売らないと赤字になってしまいますね」

小野「ここで考えるべきは、ポケビを終わらせる構想はいつ頃からあったかということ。これは最後の武道館ライブがヒントになる。表向きは2000年1月の話し合いにて千秋の卒業は決まったとされているけど、常識的に考えて武道館を押さえたのはもっと前、まあ開催の半年以上は前だと考えたほうが良いよね」

芋子「つまり1999年10月以前にはポケビの存亡に関する議題が上がっていた」

小野「6thシングル『Days』を発売したのは1999年7月だから、これの売上が決定打となったのかもしれない。ちなみに累計売上は約45万枚と、前作『Power』の半分以下となってしまった」

芋子「えっ、もしかして『Power』もミリオン達成していたのですか!?」

小野「そうなんだよね。『Power』も良い曲だけど、『Yellow Yellow Happy』ほどは世間に浸透していない。それでも100万枚売っちゃうんだから、今では信じられない時代だったよ」

芋子「『Days』の45万枚は、数字だけを見ると売れすぎというくらい売れていますけど、CDの単価が500円だったことを考えると、そんなに利益は出せなかったのかもしれませんね」

小野「このままではライブを無料で招待とか出来なくなる。ビジネスモデルとして成り立たなくなったと考えても無理はないだろう。まあファンの数はとても多かったから、仮に有料にしても応募は殺到していたと思うけどね」


<お笑いバラエティー番組の復活を望む>

芋子「ここまで考えると、ポケビを終わらせてしまったのは仕方の無いことだったのかもしれません。しかし、結果的にその2年後にはウリナリという番組自体が打ち切りとなってしまいました」

小野「本当、ウリナリって毎週楽しみにしていた番組だったよ、まだ生まれていなかったけど。金曜の夜8時を待つのが楽しみで仕方が無かった。そんなワクワクするような番組って本当に無くなったよね」

芋子「コンセプトを固定しないお笑いバラエティー番組は、ゴールデンに1つや2つはあっても良いと思います。『DASH』と『ぐるナイ』にはこれからも頑張っていただきたいです」

小野「ぐるナイはゴチ以外の企画をもっと増やして欲しいけどね。でもやっぱり、どの局でも良いからゴールデンに新番組としてお笑いバラエティー番組を立ち上げて欲しいよ。僕の記憶では2012年の『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』が、クイズでもグルメでも無い純粋なお笑いバラエティーとしては最後の新番組だったんじゃないかな。もう5年半も前だよ」

芋子「あとはコント番組ですね。これもゴールデンに1つくらいは欲しいです。NHKの『LIFE』を20時15分枠あたりに昇格させてみてはいかがでしょうか」

小野「それもウッチャンか。ウリナリ終了から16年、『笑う犬』から14年も経つのに、未だに当時のコント精神を忘れていないのは流石だと思うよ」


◎小野と芋子(9)『ポプテピピック』10話が面白かった理由を考察

2018-03-13 13:08:00 | 小野と芋子

 

芋子「2015年の『おそ松さん』、2017年の『けものフレンズ』、そして今期の『ポプテピピック』……アニメは本当に何がヒットするのか分かりませんねえ」

小野「しかも、内2つはギャグアニメだからね。その『ポプテピピック』だけど、観たことはあるの?」

芋子「観ましたけど、1話のAパートの途中で切りました

小野「実は僕、先週の土曜日に10話を観たんだ。前々回で紹介した『スロウスタート』を観終わった後、チャンネルを変えずにいたらたまたま放送していただけだけど。でもこれは確かに面白かった」

 

※関連記事→◎小野と芋子(7)泣ける日常アニメという新ジャンルを確立した『スロウスタート』

 

芋子「本当ですか? 1話を観た限りでは『観る人を選ぶ』というか、『人類には早すぎるアニメ』としか思えませんでした」

小野「面白かったから、『dアニメストア』で1話を観てみたら、これはそんなに面白くなかった

芋子「やっぱそうですよね」

小野「ただ、続けて2話を観たら面白かった

芋子「うーん、その言葉も信じ難いです」

小野「確かにこれは評価が難しいアニメだと思うよ。ただ、30分×12話という一般的な1クールアニメの枠内で数々の斬新なことをしたという意味では、日本のアニメの歴史に名を刻んだといっても過言ではないと思う」

芋子「クソアニメにそんな大げさな表現を使われても……」

小野「例えば全編にわたりホロスコープという斬新な手法を用いた2013年の『悪の華』は良くも悪くも話題となり、日本のアニメの歴史を語る上で『制作方法の一つの例』として取り上げるべき作品となった。『ポプテピピック』もその系統に入ると思うのだよ」

芋子「まだ良く分かりません」


<ポプテピピックの特徴とは>

小野「では具体的に説明していこう。まず、このアニメの特徴とは何か、挙げてみてほしい」

芋子「うーん、まず『絵が個性的』、『女子高生キャラなのに声が男』、あとは『ショートストーリーの詰め合わせ』ですかね」


<声優が毎回変わる>

小野「1話の途中で切ったなら仕方ないけど、少し違うね。1つ目と3つ目は良いとして、2つ目は全くの誤解だ。ポプ子とピピ美の声優は毎回変わる。もっと言うと、1話のBパートはどちらも女の声に変わっている

芋子「えっ、そうだったんですか?」

小野「まあ片方は男性声優(三ツ矢雄二)が女の声を出しているけどね」

芋子「最初観たときは声が男だったことに引っかかりを感じて、素直にギャグを楽しめなかったんですよ」

小野「そういう人も多かったと思うよ。だから大事な1話の見せ方として果たして正しかったのかは疑問である」


<AパートとBパートは同じ話>

芋子「で、3つ目の『ショートストーリーの詰め合わせ』ですけど、原作が4コマ漫画だからというのもありますが、この方式のまま30分×12話もやると途中で飽きられたり、ネタ切れを起こしかねないのではないでしょうか」

小野「いや、実質15分アニメだよ。BパートはAと同じ話を声優を変えて繰り返しているだけだから」

芋子「そういうことですか。にしても斬新すぎるでしょ」

小野「まあ『ポプ子とピピ美の声優が毎話変わる』『AパートとBパートは同じ話で、そこでも声優を変えている』がこのアニメ独自の特徴と言って良いだろう。ただ1話ではこの特徴を上手く生かしきれていなかったとも思う」


<1話が面白くなかった人の意見>

芋子「※あくまで個人の感想だと思って読んで下さい」

小野「ショートストーリーの詰め合わせというのは、その話、話で当たり外れがあるのは仕方の無いことだ。同様にショートの詰め合わせにしたアニメ『日常』も、面白い話は多かったが、一部クスリともしない話もあったのは事実」

芋子「ギャグアニメとしては難しい手法ではありますよね」

小野「で、『ポプテピピック』の1話は、僕の場合、すべての話が笑えなかった。これは致命的だ」

芋子「でも2話は面白かったのですね」

小野「2話は最初の『魔法使いがポプ子とピピ美を召還する話』『かくれんぼ』は面白かったかな。あとは少しニヤける程度。でもそれくらいで良いんだよ。1つでも超絶につまらない話があると、気分的にその後の話も笑いづらくなる。それが1話だったのかもしれない。2話は全体的にニヤける程度でも笑える話ばかりだったから良かった」

芋子「もちろん1話が面白かったと思う人もたくさん居ますから、これは合う合わないの問題だと思います」


<2話が面白かった理由>

小野「で、ここからが重要なんだけど、2話はAパートが女性声優(悠木碧・竹達彩奈)、Bパートが男性声優(古川登志夫・千葉繁)だったから、Aパートは女性キャラに女性声優を当てるという普通のキャスティングをしたから、普通のギャグアニメとして違和感無く観ることが出来た。そしてBパートで同じキャラを男性声優が演じるという変化球を投げてきたわけだ」

芋子「つまり、Aパートはあくまでもフリで、Bパートで同じ話を男性の声に変えることで笑いに昇華するという、30分まるごと使ったギャグということですか?」

小野「まさにそれを言いたかった。もちろんAパートの女性声優2人も独自の味を出していたけど、Bパートの変化球が壮大すぎて、Aが霞むというか、結果的にフリになってしまったという個人的見解だから、誤解しないでもらえると助かる」

芋子「ショートの1つ1つがギャグではあるけれど、構成上は30分まるごと使ったギャグでもあるとは、深いですねえ」


<10話は絶対に観るべき>

小野「そして、その2話の良さを最大限に生かしたのが今回の10話だ。Aパートは女性声優(徳井青空・三森すずこ)、Bパートを男性声優(小山力也・高木渉)にしたことで前述の『Aパートがフリで、Bパートの変化球で笑いに昇華する』手法がちゃんと確立しているし、とにかくBの変化球の度合いが半端ではない。台詞もちょいちょいアドリブを入れたりしていて、もう完全に遊んでいるよね。さすがはネクストコナンズヒント(検索)でアドリブコメントを鍛えてきた高木さんだけあるよ」

芋子「その『Aパートがフリで、Bパートの変化球で笑いに昇華する』ですけど、1話はそれが上手く出来ていなかったということですよね」

小野「まあ1話はギャグアニメとしては分かりづらかったよね。Aパートでいきなり男性声優を使う変化球を投げちゃって、それからBパートで同じ話を女性の声にされても、女性キャラに女性の声を当てるのは普通のことじゃんってなる」

芋子「いや、片方は三ツ矢さんのオカマ声ですから、それはそれで変化球なのですけどね」

小野「あと、上坂すみれのOPも何気に良曲だから、それが1話で流れなかったのも痛い」

芋子「1話は色々と惜しかったのですね」

小野「まあ色々言っちゃったけど、結果的に今期一番かと思われるほど人気アニメになったのだから、世間的には1話はあれで良かったのだろうね。やったもん勝ちだよね、こういうのって」

芋子「そんな色々な意味で斬新なギャグアニメクソアニメ『ポプテピピック』は、TOKYO MXで土曜25時から、『スロウスタート』の後に放送中です」