78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎【アイカツ!】皆がすっかり忘れている有栖川おとめの深イイ話

2013-07-07 05:58:32 | 思ったことそのまま
『アイカツ!』というアニメがある。

まあアニメは派生メディアで、元祖はゲーセンの女児向けDCDなのだが。



その10話、「有栖川おとめ」の初登場回である。

普段は噴水に現れた虹を触ろうとして落水してしまうくらいの天然なのだが、

初登場の時点で既に3社のCMに出演しているなど何気に実績のあるアイドルとして描かれていた(この設定すら忘れられていそうだが)。




おとめが学園の中庭?かどこかで「白鳥が空を飛ぶイメトレ」をしているのをヒロイン・星宮いちごが見つけるシーンがあるのだが(※唐突に女児向けアニメを語り出す27歳)




おとめ「来年お仕事で白鳥の役をやるから、白鳥になったつもりの練習!」

いちご「すごいね! 来年のお仕事の練習もう始めてるんだ」

おとめ「おとめドジだから、皆の何倍も練習しないと駄目なんです」

おとめ「でも、いっぱいいっぱい練習しても、本番は怖くて……」

おとめ「だからやっぱり、いっぱい、いっぱい練習しないと!」

いちご「うっ……」



こうして、あの常にポジティブないちごを悩ませ、彼女は後に自分を見つめ直すことになる。



表では天然でありながら裏で努力を怠らない、まさに白鳥の水かきとも言えるアイドルだったのだ。

(まあ26話あたりからずっと空気だが)



そして、「いっぱい練習しても本番は怖いからいっぱい練習する」という理論が崩壊しているところが、
正解のない問題の答えを探し続けるもどかしさを表しており、何とも切ない。



努力は必ずしも報われるわけではないし、
努力の仕方によってはそれ自体が間違っていることもある。
それでも、「いっぱい練習する」ことが答えだと言い聞かせる。




ビビッと来てしまった。

正解のない問題が、仕事という世界には何十問あるのだろうか。

悩んでいるのは当方だけではない……はず。




◎交差点で君が立っていてももう今は見つけられないかもしれない

2013-07-07 05:18:33 | 思ったことそのまま
誰にでも出来る仕事だというのは分かっていた。

1年以上前から、それこそ入社した時点で気付いていた。

研修で高校生が3人も4人も普通にこなしている時点で悟っていた。



「この仕事、誰にでも出来ますから」



いつからだろう。

後輩への励ましのつもりで発していた言葉が

自分への中傷でもあったことに気付いたのは。





テンプレという決められたレールの上を歩くだけなら誰にでも出来る。



重要なことは2つあった。

1つは脱線しない程度にプラスアルファのパフォーマンスが出来るか。

そしてもう1つは


レールの上を“走る”ことが出来るか。




走ることが出来ないまま、5クールも経過していた。





例え簡単な仕事でも人並みの速さで出来ないことには

仕事が出来ると胸を張って言えない。



走ろうと努力していた、というか強制的に走らされた時期は確かにあった。

その全貌は『カピバラルート攻略物語』で語られている。

あの戦い、Tとの死闘から早1年。





   す っ か り 元 に 戻 っ て い た 。






ただ時間をかけて仕事をして、自分が遅いがゆえにアルバイトを遅くまで残らせて、

そう、カピバラを残らせてまで仕事をするのなら“誰にでも出来る”。

そんなんでよく1年以上も先輩面していられたものだ。

カピバラとシフトインする日だけ眉毛とか鼻毛とか消臭とか無駄に身嗜みに気を使っているけど、

そういうことではないだろう。





KSMだってそうだ。彼女に迷惑をかけないために

1時間も2時間も早出して作業の遅さをカバーすることだって“誰にでも出来る”。

あの頃は、誰にでも出来ることをして、上辺だけの感謝をされて、何が楽しかったのだろうか。





異性と関わることのなかった学生時代。

異性と関わることのなかった社会人の最初の3年間。

4年目で“27”に出会い、

5年目でKSMに出会い、

少しは嬉しかった……はずだった。





嬉しいだけで、何を頑張ったかと言われれば、答えられない。

良く言えばがむしゃらに、悪く言えば何も考えずに、ただ手足を動かし肺で呼吸するだけの日々。



いつか新聞配達をやっていた時に褒められた「遅い分、人の2倍動く」

その言葉だけを信じて、それだけで自分は頑張っていると思い込んできた。

レールの上を“走る”という簡単な答えが分かっていながらも逃げてきた。





どんなに残業しても、どんなに早出をしても、

誰も評価してくれないどころか逆効果であることに気付いたのは、

本当に最近になってからの事だった。