太陽の光で輝く海や川から水蒸気が生まれ、青い空へ舞い上がり、雲の中で綺麗な結晶に進化したのに、やがて自重に耐えられず落ちてしまい、溶けて雫となり草木や土に吸収される。降りしきる雨は今の私を形容しているように見えて悲しくなる。
「……あ、あのさ。相談があるんだけど、いい?」
「私でも、もう一度やり直せるのかな」
「珍しいじゃん。どうしたの?」
「絶対にやり直せるという強い心さえあれば、大丈夫」
「私、ずっと家から外に出ていないんだ」
「ずっと怖かった。人と話すのも、人と仲良くなるのも」
「出来る限り肌を隠してみなよ。気持ち的に普通よりは外に出やすいと思うよ」
「君がまだ出会っていないだけで、この世界は優しい人たちで溢れているよ」
「わかった。私、外に出てみる」
「ずっと恐れていた。人に嫌われるのも、人に苛められるのも」
「頑張って。君なら出来るよ」
「自然体で良いんだよ。それを受け入れてくれる人だって必ず居る」
「眩しい太陽、春のそよ風、川のせせらぎ、車のエンジン音、全てが私の5つの器官を刺激する」
「信じて、良いんだよね」
「どうだい? この世界、そんなに悪くないだろう」
「良いんだよ。だってこの世界は本当は、夢と希望がたくさん詰まっているのだから」
やがて雨は止んだ。
雨粒たちが7本の光を曲げる。自然の悪戯が綺麗な橋を作る。
私たちはなりたい。あの日、貴方と見た2本の虹のように。
「僕にはしっかり見えるよ。もうひとつの虹が」
私はなりたい。せめて、貴方と見た薄い、でも高いところにある虹のように。
(Fin.)
「……あ、あのさ。相談があるんだけど、いい?」
「私でも、もう一度やり直せるのかな」
「珍しいじゃん。どうしたの?」
「絶対にやり直せるという強い心さえあれば、大丈夫」
「私、ずっと家から外に出ていないんだ」
「ずっと怖かった。人と話すのも、人と仲良くなるのも」
「出来る限り肌を隠してみなよ。気持ち的に普通よりは外に出やすいと思うよ」
「君がまだ出会っていないだけで、この世界は優しい人たちで溢れているよ」
「わかった。私、外に出てみる」
「ずっと恐れていた。人に嫌われるのも、人に苛められるのも」
「頑張って。君なら出来るよ」
「自然体で良いんだよ。それを受け入れてくれる人だって必ず居る」
「眩しい太陽、春のそよ風、川のせせらぎ、車のエンジン音、全てが私の5つの器官を刺激する」
「信じて、良いんだよね」
「どうだい? この世界、そんなに悪くないだろう」
「良いんだよ。だってこの世界は本当は、夢と希望がたくさん詰まっているのだから」
やがて雨は止んだ。
雨粒たちが7本の光を曲げる。自然の悪戯が綺麗な橋を作る。
私たちはなりたい。あの日、貴方と見た2本の虹のように。
「僕にはしっかり見えるよ。もうひとつの虹が」
私はなりたい。せめて、貴方と見た薄い、でも高いところにある虹のように。
(Fin.)