78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎日向まさみちの『本格推理委員会』を読んでみた

2013-01-06 01:18:55 | 小説30冊読破への道
冒険家の父、小説家の母、大道芸人を夢見る妹という特異な家族と暮らす「俺」こと城崎修は
小中高一貫の木ノ花学園に通う高校1年生で、
理事長木ノ花あざみの立ち上げた「本格推理委員会」の活動に強制的に巻き込まれる。
委員長桜森鈴音と楠木菜摘、そして勘だけは強い幼馴染の木下椎と共に
小等部の間で噂になっている怪談について調査を進めていくうちに本物の事件が発生し、
更に春休みに起きた事件や16年前の出来事まで絡み複雑の一途を辿る。
修は怪談や事件の真相を徐々に突き詰めていくが、
自身が招いた「3年前の悲劇」がトラウマとなり――

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著者は処女作となった本作で第1回ボイルドエッグズ新人賞を受賞したそうで、
賞の名前こそ初めて聞いたが、受賞ものにハズレは無い法則を信じ読んでみた。

これは表紙に萌え系キャラが描かれているだけの普通の小説本として発売されながらも
本編は完全に「ライトノベル」の文体になっているのだ。
台詞が戸松遥や花澤香菜、沢城みゆき等の声で脳内変換される(マテ
これは活字で読むよりもアニメという形で観てみたかった作品である。







※以下ネタバレ有







で、肝心の内容はというと、序盤のキャラ紹介や前置きが長すぎて何度も読むのを挫折しそうになったが
1クールのアニメだと「3話」ぐらいに当たる部分から面白くなってきた。
ミステリ要素も活字だからこそ誤魔化せる「叙述トリック」も上手く活用し存分に楽しませていただいた。。

細かい部分を言うと事件はほとんど修が解決し、勘だけが頼りの椎が特に終盤で全く活かされていない点は残念だったが、
なんだかんだいって友情や家族の絆、そして「夢」もテーマになっており純粋に良かった。



ただ次は、ラノベ調ではなく普通の文体の小説を読みたい。


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