芋子「新型コロナウイルスが日本でも報道されるようになってから早3ヶ月。未だ終息の気配は見えません」
小野「今の日本、特に東京の惨状を見ていると、現時点で対策は失敗だったと考えるべきだと思うよ」
芋子「根拠は山のようにありますが、政府が『人との接触を最低7割減らせ』なんて無理難題を言っている時点で、それだけでも手遅れと言って良いでしょう。日本だけで見ても感染拡大は当分の間抑えられず長期戦が確定、閉鎖する店の増加で経済破綻も待ったなし、暗い未来しか見えません」
小野「まだ渦中だし、今後どうすべきかを先に考えるべきなのだろうけど、我々はあえて反省会を開きたい。日本は、東京は何を間違えたのか。時を戻そう」
<春節の中国人受け入れと、それに怒らなかった都民>
芋子「何と言っても最初の失敗は、中国の武漢市でコロナの感染爆発が分かっていながら、春節(1月24日~)の際に中国人観光客を70万人以上(※)日本に受け入れてしまったことです」※この数字には諸説あります。
小野「中国のほうが27日から海外への団体旅行を禁止にしたとはいえ、3日間は海を渡り放題。まだ感染していないからと日本に逃げてきた中国人もたくさん居ただろうね、無症状感染者の可能性も考えずに」
芋子「私は当時、この時期に日本に来た中国人に対し、本気で怒っていました。極端な話、この怒りの感情を国民全員、最低でも全ての都民が抱いていれば、早期に危機感を持った行動をしてくれていたはずなのです」
小野「そろそろ東京都に絞った話にするけど、現実は都民の中にも、わざわざ海外旅行をしてウイルスを貰って帰ってくる奴が居たんだよ。それはつまり、そいつは春節で訪日した中国人に怒りを覚えていなかったということだよね、自分も同じようなことをしているのだから。それが大問題だしショックなんだよ」
<自粛要請だけでは防げなかった感染拡大>
芋子「2つ目の失敗は、おそらく感染拡大のターニングポイントとなったであろう3月20日からの3連休に、政府の自粛要請に聞く耳を持たなかった都民が意外にも多かったということです。海外旅行は論外ですが、この3連休で花見に行ってしまった都民の何と多かったことか……」
小野「上野公園だけで見ても3月21日~22日の土日における来訪者数は前週比で+50.8%増。昨年の同時期より少なかったとはいえ、真っ当な脳みそを持っていれば、人が密集する花見スポットに行くべきではないと気付けたはずなんだよ」
芋子「ただ、当時の都内の日別感染者数が20人を超えることは無かったので、油断した都民は多かったと思います」
小野「いっそ不要不急の海外旅行や花見を禁止にすべきだったのかもね。自粛要請だけでは抑止力が足らんかった」
<オリンピック開催にこだわり過ぎた>
芋子「3つ目の失敗は、東京五輪を延期する判断が遅すぎた結果、コロナの感染防止対策が後手後手に回ってしまった感が否めないことです」
小野「五輪はねえ、何とか今年開催したかった気持ちも分かるし、IOCとの兼ね合いもあって日本だけでは判断できなかった実情もあったとはいえ、2ヶ月も検討していたのは長すぎた」
芋子「その間にも都内では感染が止まらず、やっとこさ開催延期を発表した3月24日の翌日には都内の日別感染者数が前日比の倍以上、41人に跳ね上がりました」
小野「東京五輪が4年前か4年後なら何の問題も無かったのに、よりによって今年開催の予定だったのは本当に運が悪い。この問題を早々に片付けていれば、3月25日の都知事緊急会見も4月7日の緊急事態宣言発令も1ヶ月は前倒しに出来たかもしれない」
芋子「特に後者なんて、早ければ早いほど良かったわけです。何故なら経済を止める期間を短期に抑えられる希望的観測があったから。今更発動しても手遅れに近いのですよ。一応5月6日までの1ヶ月としていますが、どう考えても延長待ったなしです。長引くほうが長期的な経済の停滞に繋がるのだから、本当に先手を打つべきでした」
小野「緊急事態宣言に伴い、1人あたり10万円の一律支給も前向きに検討されているけど、それはあくまで1~2ヶ月で終息する場合の必要金額だよ。対応が遅すぎたせいで、今更10万ぼっちで今後の長期戦を難なく乗り切れるかは疑問である」
<自粛要請は成功か失敗か>
芋子「この期に及んでも政府は禁止というワードを一切使わず“自粛要請”の一点張りですが、それ自体の強制力は高くなってきていると考えて良いでしょう。現に都内では多くの店が閉鎖または短縮営業を余儀なくされています。それでも都内の日別感染者数は月曜を除き3桁を割ることはありません。小野先輩、政府のやり方は果たして成功だったと思いますか?」
小野「成功か失敗かで言えば失敗だろう。ただ割合で言えば、おそらく99.9%以上の都民は高い危機意識を持ってコロナ対策をしてくれていると思うんだ」
芋子「え、それって成功なんじゃないですか?」
小野「いや、逆に危機意識を持っていない僅か0.1%の都民が感染を広げているとも言いたいんだよ」
芋子「確かに、仮に0.1%しか居ないとしても、東京都人口1300万人で計算すると1万3000人に相当します。その中に海外旅行へ行ったり、実家へ帰省、地方へ逃亡する奴が仮に数百人、いや数十人居るだけでも大問題です」
小野「ここで『都民の人間性』について考えてみよう。あえて何かに例えるとするなら飲酒運転だ」
<飲酒運転に例えると見えてくる恐ろしい話>
芋子「飲酒運転は歴とした法律違反。罰則も昔より厳しくなっています。ましてや電車やバスなどの交通網が張り巡らされている都内で発生するわけがありません」
小野「と思うだろうけど、現実は年間で約780人もの都民が検挙されているんだ」
芋子「ええ?」
小野「これが都民であり人間なんだよ。何を言っても守らない奴は守らない。ということは、コロナに関しても自粛要請を守らない人が同様に700人くらいは居ると考えても強ち間違ってはいないはず」
芋子「まあ、コロナ問題はまだ3ヶ月ほどしか経過していないので、700を4で割ったとしても175人」
小野「でも仮に政府の言いつけを守らない奴が都内に175人居たとしても問題だろ?」
芋子「そうですね……自粛要請だけで都民を縛り付ける計画は最初から無理があったのかもしれません」
小野「あくまで例えだし仮説も多いけど、人間性をあえて数値化すると恐ろしい話になるということだよ」
<一部の人間の嫌な部分が見えただけでも大きな収穫>
芋子「誰しも人の言いつけを守らない、あるいは守れない時はあると思います。それが今回のコロナ問題でも如実に表れてしまったのでしょう。本当にほんの一部なのですが、その一部の人間の嫌な部分、自己中な部分が見えてしまったのは悲しい現実ではありますが、今後に活かせる、いや絶対に活かさねばならない大きな収穫となりました」
小野「もし今後、新型コロナのような得体のしれないウイルスが出現したら、日本は、特に東京は早期に緊急事態宣言を発動、可能ならロックダウンに近いことをして国民、都民を縛り付け、早期に終息させる。もう二度と自粛に頼ってはいけない。悲しいけどそうするしか無いんだよ」
芋子「では今の話に戻しましょう。今は震災並みの非常事態です。一人一人が力を合わせて感染拡大を阻止しなければなりません」
小野「マジで政府の言うことは極力聞いて。接触7割減なんて不可能に近いけど、それに近づける努力は誰にでも出来ると思うんだ。#STAYHOME、あるいは#うちで過ごそう、これだけは何があっても忘れないで欲しい」
芋子「家にいることで救える命があります」
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