芋子「本当にヤバいですねえ『新型コロナウイルス』」
小野「マジでみんな気を付けてね。指原莉乃さんがインスタライブで『自分はもうコロナに感染していると思うぐらいの感覚で生活したほうが良いんじゃないのかな』みたいな発言をしていたけど、実際もうそこまでの非常事態になっていると思うよ」
芋子「で、先週水曜、3月25日でしょうか。小池百合子都知事の緊急記者会見が国民の不安を煽り、都内のスーパーなどで買いだめ・買い占め騒動が起きてしまいました」
小野「勘違いしないでもらえるかな? 誰もスーパーを閉鎖するとも商品が無くなるとも言っていないんだよ」
芋子「都内のスーパーで勤務しているブログの管理人(当方128)はこの一週間、とんでもない苦労をしてきました。なんと8連勤になろうとしています」
買いだめ、買い占めはマジでやめてくれ。転売は論外。全国の小売店員が悲鳴を上げている。俺のフォロワー数じゃ拡散能力は無いから拡散希望とは言わないが、運良くこのツイートが目に止まっていただけた方はせめてこの画像だけでも見て帰って下さい。ハッシュタグも何にすれば良いか分からんから省略。 pic.twitter.com/22BFfz7qRP
— はりまや55=当方128 (@128Sand) March 27, 2020
<ガセを流すな、広めるな>
小野「当方さんの証言をもとに、我々2人が代弁して話そう」
芋子「どうせTwitterなんでしょうけど、ここ最近だけでガセ情報が2度も出回りました」
(1)2月27日前後「トイレットペーパーの供給が止まる」というガセ情報が流布
(2)3月25日「スーパーの閉鎖、または物流ストップに伴い商品が無くなる可能性がある」というガセ情報が流布
小野「それに伴う買い占め騒動が起きてしまったわけか」
<トイレットペーパーは何故無くなったか>
芋子「この2つの噂はどちらも論理的に否定できます。まず(1)ですが、中国からの需給率が高いのはトイレットペーパーではなくティッシュペーパーであり、その中国産ティッシュのほとんどが大手2社のPBなのです。NBしか扱わない中小企業のスーパーで無くなるわけが無い……はずでした」
小野「で、ここからが問題なんだけど、当時は本当にスーパーからトイレットペーパーやティッシュペーパーが無くなってしまい、都内の一部店舗では今でも品薄状態が続いている。これは何故か」
芋子「まず、根拠の無いガセに流された国民が買いに殺到したことで想定外の特需となり、供給が追いつかなくなりました。その後増産体制に入り供給量こそ増えましたが、今度は大量のペーパーを運ぶトラックが足りず、流通が追いつかなくなり今に至るのです」
小野「嘘から出たまこと。昭和のオイルショックからのトイレットペーパーパニックから何も学んでいない国民の多さに呆れたよ」
<トイレットペーパー騒動より悪質な今回の買いだめ騒動>
芋子「しかし、その(1)トイレットペーパー買いだめ騒動よりも、(2)先週からの買いだめ騒動のほうが当方さんのスーパーでは売上が伸びてしまう事態になりました」
小野「都知事が会見したのは25日の20時頃。それに前後して『スーパーの閉鎖や、スーパーから商品がなくなる』という噂が流れ、それを深く考えもせず信じる人々が多く、25日から数日間は本当に激混みした」
芋子「トイレットペーパーどころの騒ぎではありません。缶詰から乾麺、冷凍食品まで、保存食を中心に幅広いカテゴリーが売れに売れました。昨年10月の台風接近の頃を想起させます」
小野「確かに小池都知事は『このまま感染拡大が止まらないようであればロックダウン(首都封鎖)もあり得る』と言ったし、東京都内の自給率は著しく低いから、万が一他県からの物流が止まればスーパーからあらゆる商品が無くなるだろう。ただロックダウンで物流まで止めるかはまだ分からないし、現実的には不可能だと思うんだ」
芋子「で、ここからが重要なんですけど、そもそも都知事はロックダウンをしたくて会見を開いたわけではないですからね。『今から国民一人一人が感染対策をすれば感染爆発は防げるし、終息も見えてくる』と言いたいだけなのですよ。だから不要不急の外出を自粛しろと言っているのです」
小野「それなのに都知事の発言の解釈を誤り、ロックダウンした後のことを想定して今から買いだめに走るのは大きな間違いなのは言うまでも無いことなんだよ」
<コロナは災害ではなく人災、そして人災は防げる>
芋子「私も鬼ではなく人の子なので、一応は買いだめに走る人の心理を考えてみましたが、やはり昨秋の台風の頃を思い出しているのかもしれません」
小野「確かに台風が上陸したら物流は物理的にストップし、スーパーから物が無くなる可能性は大いにあった。だから備蓄の為に買いだめをしよう、それは正しいことだよ」
芋子「しかしコロナは災害ではなく“人災”であり、人災は今から国民一人一人が気を付ければいくらでも防げることなのです。台風と同じだと思わないで下さい」
小野「既に買いだめのせいで、スーパーから本当に一部の商品が無くなったりしているんだよ。で、本当に必要な人に商品が行き渡らない。これも一種の人災だからね。こういう非常事態の時こそ自分のことばかり考えていないで他者のことも少しは考えろよマジで」
<スーパーは特需でもそんなに喜んでいない>
芋子「で、ここまで話すと『スーパーは儲かったんだから良いだろ。飲食やホテルやエンタメなんて売上下がって困っているんだぞ?』という批判も来そうですが、それ自体については否定できません」
小野「ただスーパーや小売業界にとっても『需要の先食い』に過ぎないからね。事態が落ち着く頃には平常時よりも売上が下がり、先細りする危険性すらある」
芋子「私はいずれ小売業界から過労死も出てくるんじゃないかと思っています。それくらい今、みんな働きすぎてヤバいです」
小野「日本経済全体で言えば大きなマイナスだし、正直誰も喜んでいないよ。それこそ前回の記事に書いた通り『震災並みの自粛ムード』だよ」
芋子「今こそ皆さん、情報の正しい取捨選択と、それをもとに良く考えて落ち着いた行動を取って下さい」
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