沖縄県宮古島付近の10人乗り陸上自衛隊UH60JAヘリコプター事故で、自衛隊と海上保安庁は19日、海底から機体の胴体部分や搭乗者とみられる6人を発見した海域周辺で、艦艇や航空機による不明者の捜索を続行した。 深い海での作業を可能にする特殊技術「飽和潜水」の活動は、潜水艦救難艦「ちはや」が補給のために現場海域を離れており、19日は実施されない見通し。海底には18日に発見した搭乗者とみられる1人が残されたままで、補給後に戻り、引き上げを目指す。 自衛隊と海保は、レーダーから機影が消えた宮古島北西の海域で、事故が起きた6日から24時間態勢で捜索を続けている。
共同通信
防衛省は18日、沖縄県の宮古島付近で陸上自衛隊のヘリコプターが行方不明となった事故に関し、陸自ヘリに標準装備されているフライトレコーダー(飛行記録装置)には、位置を知らせる発信機能や海上で浮上する機能が付いていないことを明らかにした。同日開かれた自民党の国防部会などの合同会合で説明した。海上自衛隊や航空自衛隊のヘリには備わっている。 国場幸之助部会長らによると、防衛省の説明では、自衛隊ヘリには記録装置自体は通常備わっているが、常に洋上を飛ぶ想定の海空自ヘリには墜落などで衝撃が加わると外れるよう設計され、海上で見つけやすいように光や電波を発する仕様になっている。だが、陸上を飛行する想定で設計された陸自ヘリは、こうした機能は備わっていない。 今回の事故現場周辺では機体の一部が多数発見されたが、記録装置は見つかっていない。海底で発見された機体主要部分に記録装置が付いたままかどうかは不明だという。 事故機は南西諸島有事の際、部隊が機動展開する第8師団所属だった。自民党の国防部会では参加議員から、「南西諸島の部隊や離島へ展開する陸自部隊は、海空自のヘリと同様の機能を備えるべきだ」との意見も出た。
産経新聞