発端は昨年の参院選に当選してから国会に登院しなかったガーシー容疑者(除名後に暴力行為等処罰法違反容疑などで逮捕状)だ。「議場での陳謝」の懲罰に一度は応じる意向を示したが、自身への刑事告発を巡り司法当局による不当な扱いを懸念し、ドタキャン。弁明の余地なしとして、参院除名が決定した。
投票で選ばれた議員への除名処分には疑問の声も上がったが、当の議員らが悪ノリしている。
“令和の爆弾男”の異名を取る小西氏は、「サル発言」を巡る騒動で大立ち回りを演じている。
放送法の政治的公平の解釈に関する総務省の内部文書を入手したとして、文書作成当時の総務相だった高市早苗経済安全保障相を攻め立て、真贋論争を繰り広げた。その直後に憲法審査会を巡って、「毎週開催はやらない。憲法のことを考えないサルがやることだ。蛮族の行為で野蛮だ」と記者団に発言し、問題となった。
立民内からも批判され、参院憲法審の野党筆頭幹事を更迭。小西氏は発言を撤回、謝罪したが、騒動の原因は「オフレコ発言の切り取り」と名誉毀損の被害者だと訴え、メディアへの訴訟をちらつかせたことでさらに炎上した。
高市氏叩きで一部から喝采を浴びていたが一転、自身が攻められるブーメラン現象は、過去にも繰り広げられたまさに“コニタン劇場”で、冷笑されている。
れいわ新選組の山本代表と木村英子参院議員は予算案採決の際に牛歩や壇上で叫び、議院運営委員会の石井準一委員長から厳重注意を受けた。
牛歩戦術はかつて社会党や野党の常套手段で、山本氏がよみがえらせていたが、回を重ねるごとにインパクトは薄れてきた。今回も「またか」ともはや大きな話題にはなっていない。
良く言えば個性派議員の宝庫ともいえる参院ならではのパフォーマンス合戦のドタバタ劇。ある議員秘書は「ガーシーの騒動がもう忘れられているように、またすぐに問題を起こす議員が出てきて、そちらが叩かれることになりますよ」とあきれ顔だ。
「院の秩序を乱した」「参院の信用を失墜させた」の常套句による注意、処分はもはや空虚な響きになっている。
東スポWEB