3月の訪日客が181万7500人に上り、新型コロナウイルス禍前の65%まで回復したが、回復度合いが急すぎて受け入れ態勢の準備が整っていない。既に現状がこれでは、中国からの団体客が解禁になったら、どうなってしまうのか。 特に問題なのは入国審査などの待ち時間だ。私が聞いた範囲では入国までに3時間以上かかったとの話もあり、それだけで日本旅行が嫌になってしまう。 外国人の利用が現在は一部に限られている指紋認証や顔認証などを使った自動化ゲートの利用対象を拡大し、入国審査で並ぶ絶対数を減らしていくべきだ。 円安などもあって日本人気は当面続くだろう。物価が上がっているとはいえ、海外の高騰ぶりから見たら日本は圧倒的に安い。黙っていても訪日客数は増えていくとみられ、国内で十分なサービスが提供できないような状況になれば、場合によっては再び入国者数の制限も検討しなくてはならないのではないか。 そのほか、オーバーツーリズム(観光公害)の問題も出てくる。特に観光地の居住者が生活しづらくならないよう配慮が必要だ。レストランなどで地元住民の優先席を設けるなど、先のことも見据えた策を講じていかなければ危機的な状況に陥るだろう。(聞き手 福田涼太郎)                                      産経新聞