『グリーン・マイル』。昨晩テレビで放送されていた。
初めて観たわけではなく、うろ覚えであっても話もわかっているので途中で飽きてしまうかと思いきや、最後までじっと見入ってしまった。
世の中に溢れる様々な矛盾、殺人、事件・・・。
真実よりも、すでに頭の中に刷り込まれているステレオタイプな生き方に進んでしまう人間の愚かさ。
大男で黒人という外見と、事件が発見された状況から、えん罪を被った黒人死刑囚コフィが、まるで神そのものであるかのように、善を見出し、悪を裁き、心身に苦しみを持つ者をやわらかく包んでいく。
私自身も、多分に真実を見逃して生きる愚かな人間の一人だと省みた。この映画には、電気椅子による処刑や動物の死、銃殺など目を背けたくなるシーンが出てくる。だが、そのひとつひとつが真実であり、それが生きることそのものなのだと認めなければならない。
今まで意識していなかったのだが、この映画の原作は『ペット・セメタリー』 『ミザリー』を著したスティーブン・キングのものだった。
ホラー好きの友達と連れ立って、上映当時映画館で『ペット・セメタリー』を観た。アメリカ映画にある、体がビクッと反応するくらいの、突然来る怖いシーンにはやられたが、なぜだか見終わった後は嫌な感じはしなかった。怖さに力点を置いたものではなく、人間の持つ愚かさがきちんと感じ取れたからだ。『グリーン・マイル』も通ずるものがあり、同じ原作者ということに納得した。
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