まさにパズル‼

2018-11-19 10:03:21 | 日記
前回は、人の動き、導線などについて話しました。
役者の無理の無い行動で安全も考慮しなければいけません。

今日は、小道具について話します。

私は、小道具が好きです。

例えば、ひとつの花が、ドラマの進行の過程で、大切な思い出がある…とします。
後半で、その花が出ただけで、役者が何も語らなくても、お客様が察して感動してくれたり…。

よくあることですね。

小道具って、意外と大変なんです。

…作ることが?

…ハイ、もちろんそれもありますが、今日、私が言いたいのは、舞台上の移動のことです。

小道具が勝手に歩いて移動してくれれば助かるのですが、そうもいかず…。

例えば、ストーリーの展開で薔薇をテーブルに置いたとします。
…そして、暗転。
…暗転後は、何年かが経った状況だとしたら、そのままテーブルに薔薇があってはおかしいですよね。
暗転中に薔薇を片付けるか、花瓶に挿すか…。

薔薇くらいならなんとかなりますが、暗転後に年月が経った状況であるなら、舞台セットにいろんな変化が必要だったりします。

舞台セットごと転換すれば問題はありませんが、
うちのお芝居、舞台転換をしたことはありません。
年月が過ぎた設定でも、同じ場所というセットで演じていきます。

なので、もともと、あまりセットには凝りません。(凝れない…という方が正直ですね)

昔、大きくて真っ白な陶磁器をいくつも壊す…というシーンがあるお芝居を観たことがありましまた。
毎回壊すワケですよね💦何個用意してるんだろう…と思いまして。
また、劇中に林檎が大量に降ってくるなんてものも観ました。大変だなぁ💦と思ったものです。

役者紹介は、ちょっと休憩☕😌







少しずつ

2018-11-13 10:25:54 | 日記
少しずつ全貌が見えて来ました。

それぞれに役者が決められたセリフを言いながら、思い思いに自分なりに考えた動きをする。

Aさんが出てきてBさんと絡む…、その導線に問題は無いか…。

Aさんは、Bさんと会話をして退場する…、不自然な点は無いか、無理は無いか…。

…などなど、物事や役者がピタリとハマるといいなぁ…と、 全体を見ている私はパズルをしているようデス…。

導線は多い方がいい!…と私は思うタイプです。
役者がいろいろと動き回る方が楽しい‼

客席通路はもちろん、客席側の階段も使う。

不自然な点や無理が無いか…に関して言うと…。

例えばAという役者が上手に退場したとして、直ぐに下手から登場したければならない場合、回り込みに時間が掛かって物理的に無理なら、Aが回り込み登場するまでの数秒を、舞台上の役者が何とか話しを増やしたりして時間稼ぎをするか、もしくは、可能なら状況を変えて下手退場にしてしまう…。などなど、動いて貰わないと気づけなかった問題点が表れます。

また、暗転という僅かな時間に、出演者達が動いて次の場のスタート位置に着くワケですが…。暗転とは、本当に漆黒の闇です。無理は出来ません。なので、退場が必要な役者は、一番近くの袖(出口)を目指します。

これまた、漆黒の闇なので、大勢が一つの出口を目指すと、事故が起こります。

そんな場合の交通整理も必要になるわけです。

作っていく過程も、パズルのようだったり、推理クイズだったり、面白いです。


役者の紹介です。

パワーあるTさん。
セリフは、最初の稽古に入ってます。
すごいです‼
また、しっかりとした演技は、ファンも多く、存在感があります。
本当に頼れる人です。



芝居の嘘と演じる矛盾

2018-11-04 19:58:45 | 日記
『芝居の嘘』という言葉があります。

展開的にはあり得ないこと…や、無理があること…などなど、『芝居の嘘』という言葉で片付けられます。

例えば、Aという偉人とBという偉人は同じ年月に会うことはあり得ないのに、敢えて共演させたり、「正確にはその時期にはスマホは無い」けど、「あることにする」とか…。

それは、その方が面白いので…とか、便宜上その方が都合がいいので…などなど…理由は様々ですが…。

そういえば、あるドラマの話しなのですが…。
そのドラマは私が住む地元、すぐ近所で撮影をしていました。

完成したドラマを見て「え?なにこれ?あり得ない!💦」となったことがあります。

なぜあり得なかったのが…。

理由はこうです。

恋人が大怪我!という一報を受けて、女優さんが血相を変えて病院に走る…というシーンがありました。

商店街を抜けて、並木道を走って…!その時です、絶対あり得ない「土手」を走り始めたんです。

なぜあり得ないか…というと、商店街にも並木道にも繋がっていないだけか、その土手にわざわざ降りる…という事はかなりの遠回りで無理やりな設定だからなんです。

だけど、川面に映る夕焼けが女優さんの顔に映りこんでキレイだったので、監督さんはコレを撮りたかったんだろうなぁ…と思いました。

これも、芝居の嘘というものだと思います。
様々事情はあるけれど、演出上、『その絵』が欲しいからとか、『そのシチュエーションが欲しい』から、無理な設定だとしても進めてしまう…ということですね。

ーー演じる矛盾に関して言うと…。

前述にある『役作り』をした場合の話しから起きてくる問題です。

うちの役者からもその様な問題が発生した事があります。

『役作り』をしたからこそ、「どうしてもこのセリフは言えない…」という事があります。

例えば、奥ゆかしく、自分の事を語らない主人公が突然過去の出来事を誰かに懇切丁寧に話し始めるとした場合、役に成りきれば成りきるほど、『人が変わったように過去を話すシチュエーション』に違和感を感じたりするワケです。

…『無理です』と言われましたが『やってください!』と言うことがありました。

なぜこのような矛盾が発生するかと言うと、いくら奥ゆかしく自分を語らない…という設定でも、過去を知るのはその人しかいなければ仕方ないんです。
しかも、お客様がその過去を知らなければドラマが成り立たないなら尚のこと。

そんな矛盾に出会って戸惑いながら苦悩しながらドラマを作っていくワケです。

あ、見ている人に過去を知らせる方法として回想シーンという方法もありますが、尺(時間)の問題もあるワケなんですね💦いろいろな問題とすり合わせてなんとかかんとか納得いくものを作り上げていくわけです。

ちなみに、昨日の稽古では、あちこち変更!私的に今一つしっくり来なかった箇所を変更してみました。

バラバラだったところをまとめてみたり…みんなの一体感が欲しかったんです。

一体感が感じられると、一人のセリフもみんなのセリフ(同意)に聞こえてくるから不思議。

役者紹介です。

どんな時も前に進むUちゃん。
前に進むと前向きとはちょっと違うんです。(私的な論理ですが😃)どう違うかというと、芝居のダメ出しでも要求でも、出来ないとか言わない人。とりあえず何でもやるってくれる人。これが私的には、感謝感謝の一言。
かつて、無理なシーンをお願いしたことがありました。
能動的なラブシーンやら、着物を乱れながらの乱闘シーンなど、普段なら戸惑うでしょう…が、一切ネガティブなことを発さずやってくれました。無茶ぶりばかりで、ごめんなさい💦