「いらないかも知れないけど、お土産!」
笑子がどんな気持ちで過ごしていたかも知らず、勇一はお気楽にお土産を差し出した。
「ありがとう。」
とりあえず受け取ったが、次に続ける言葉が無い。
「嬉しくないよね…。大阪出張は、笑子も行ってるしね…」
「……」
「…ご、こめんね。」
「……何に謝ったの?」
「え?」
「お土産、いらなかっただろうに…ってこと?それとも……」
「あ、いらなかったかな…って…」
「そう……」
「元気ないね。どうしたの?」
「……もう、会うのやめよう。」
「……?」
「どうして、私と無理に会うの?」
「無理に…って、どうしてそんなこと…」
「私なんかよりも、もっと会っていたい人がいるでしょ」
「………」
勇一は黙ってしまった。