君は誰?28 2024-11-30 12:31:52 | 日記 「あれ、なんだろう…。」松田は、階段の踊り場に懐中電灯の灯りをあてた。「何?」「椅子?」階段途中の踊り場にピアノの椅子のようなベルベットの布張り椅子がポツンと置いてある。「さっき、あったっけ?」「さっき上に昇る時は、ここの階段使ってないから」「なんでこんなところに椅子なんか…」そう言うと、松田は腰をおろした。そして、懐中電灯の灯りを顔の下から照らした。「やめろよ」
君は誰?27 2024-11-26 09:32:15 | 日記 用務員室を出て、再び歩き出した3人。漆黒の闇も慣れてきたせいか、うっすらと周囲の気配は感じられる。「もう、出よう」「入って来たところから出よう」「懐中電灯も、電池がキレたらマズイよ」「スマホもあるから、一気に暗くなることはないけどね」先頭を歩く松田は、懐中電灯をぐるぐると回し、あちこち広範囲に照らしながら歩いた。「…ん?あれ、何?」階段の途中の踊場を照らした。
君は誰?26 2024-11-22 08:59:54 | 日記 ゴトッ…。部屋の奥から音がした。「何?!」目をこらすが何も見えない。ガサガサ…。「何かいる💦」松田が声を潜めてつぶやいた。「ゴキブリ?」「まさか…、あんな大きい音する?」「じゃ、ネズミ」「あ、そうかも…」「ネズミでもゴキブリでもイヤだなぁ…」「もう、出よう」松田は、ネズミでもゴキブリでもイヤだ…と、言いつつ、少しホッとしたような顔をした。「よし、もう出よう…」3人は、用務員室を出ることにした。
君は誰?25 2024-11-18 10:53:46 | 日記 松田は、楽しげに宝箱に入っていた謎の鍵をポケットに入れた。さらに用務員室の探索は続いた。奥にも部屋がある。正人は、落書きだらけの引き戸に手をかけた。「ん…ん…、開かない」「錆び付いてるるわじゃない?」松田も一緒に扉に手をかけた。「本当だ…。せーので開けるよ」「うん」「せーの!」正人と松田は、力ずくで扉を引いた。ずずず…。やっと、人ひとり通れるくらいの隙間が開いた。「え?」「何?」「人が居たような気がした」「まさか、こんか暗闇で…」「でもさ、人が居たような匂いじゃない?」「うん…言われてみれば…」「汗くさい…というか…。」
君は誰?24 2024-11-15 09:45:41 | 日記 ギギギ…。鈍い音をたてて宝箱が開いた。正人が懐中電灯で照らすと、入っていたのは、鍵。「なんの鍵だ?」「さらに、どこか、宝のありかの鍵だったりして」正人は笑った。「そうかも知れないな…、こんな箱に入れて置くんだもんな…この校舎のどこかに、本物の宝箱があるのかも!」松田は、小さな鍵をポケットに入れた。「やめろよ。物を盗ったらヤバいよ」「こんなの、本物の宝箱の鍵のワケないよ。もし、さらに宝箱があっても、盗んだりしないし。」「そうそう、箱を開けるまでが、宝探し!もしも、貴重品とか出てきたら警察届けるから」松田は、心霊スポット巡りからいつの間にか宝探しに変化してしまったように、興奮気味だった。