休憩☕😌💕
まゆみさんは、ホームセンターの雑貨売場の品出しなどの仕事をしていた。
数ヶ月あとに入ってきたマリ子も同じ場所で同じ仕事をしていた。
少し先輩のタカシは、バイトリーダー的な存在だが、主に雑貨売場周辺のバイトの管理もしていた。
何かと理由を作っては、タカシと会話をしているマリ子を横目で見て、まゆみさんは、積極的なマリ子がうらやましいと思っていた。
そして、わかりやすいいじめも続いていた。
それは、大切な連絡事もマリ子は直接タカシから聞いてくると、まゆみにだけ伝えない。
しかも、仕事上の大切な連絡を知らなかったために、まゆみさんは、致命的なミスを犯してしまった。
それは、例のごとく、マリ子がわざとまゆみさんをハブいたからだ。
そして、まゆみさんは、雑貨売場から園芸売場へと移動になった。降格というわけでは無いが、売場移動は、何かしらの処置だということはわかっていた。
悲しかった。
そんな話も玲子は聞いていたが、何も出来ずに、見守るしかなかった。
それから少しして、、、
再び、まゆみさんは、玲子のもとを訪れた。
それは、いよいよタカシとマリ子は、二人きりで出掛けているらしい…という噂を聞いたからだ。
「タカシは恋愛に遠いタイプだと思うけど…。押しに弱いタイプでもあるんだよね…。だから、マリ子さんって人がすごく積極的なら、断れない…って事もあり得るかも…。なんとなくタカシに探りを入れてみようか?」
「それはやめて!」
まゆみさんは、タカシの気持ちが、嫌いなマリ子に向いていることを認めないといけなくなるのが嫌だったようだ。
それから玲子は、時々、タカシとマリ子の進行状況と、マリ子のまゆみさんへのいじめの状況を、まゆみさん自身の口から聞くことになった。
ある時、まゆみさんは、深刻な顔をして玲子に会いに来た。
「どうしたの?」
「うん…。」
なんだか、言いにくそうだ…。
「タカシのこと?」
「……うん。タカシくん、好きな人…いるのかな?」
「恋に遠いタイプ…って、言ったけど、何かあったんだね…」
「うん。バイト先の後輩のコと、とても仲が良くて…。もしかして…と思って。」
「…たぶん、何も無いと思うよ。タカシは、誰にでも優しいから、勘違いされやすいんだよね…。」
「…でも、タカシくんがその子が好きなら仕方ないと思うの。ただね…」
「ただ…?」
まゆみさんは、急に口ごもった。
タカシを狙ってるらしい後輩、マリ子にまゆみは嫌がらせを受けていた。
地味で言葉少ないまゆみに、イライラするらしい。
タカシは、頭もよく、仕事も出来て、見た目もスマート…。まさにモテるタイプだった。
まゆみがタカシに好意を持っている事には気づかれていないが、知られたらさらに嫌がらせがエスカレートするかも知れない…と、思うと、まゆみも恐かった。
まゆみさんの好きな人は、タカシさん。
まゆみさんの半年前から、バイト先のホームセンターで働いていた同い年の先輩。
実は、玲子は、タカシとは同じクラス。
そんなこともあって、あまり自分のことを話さないタイプのまゆみさんは、玲子に相談してみたようでした。
「タカシかぁ…」
「何か、あるの?彼女がいるとか?」
「ううん、彼女はいないと思う。逆に、恋に遠いタイプのような気がして、恋愛の対象としては、難しい人かもね。」
「恋に遠い…?」
「男友達とばかり、行動してるし、恋なんて、全く興味ない…なんて、先日言ってたし…」
同じクラスとは言え、玲子がなぜ、タカシの事を知っているのか…というと、『天文学部』で一緒だったから。
特別に仲がいいワケでは無いが、よく世間話をする仲間だった。
「…そうなんだ…。恋愛に遠い人…なんだ…。」