あの頃(舞台)15

2020-04-30 06:38:02 | 日記
Uに怪我をさせてしまった。

綺麗な顔にすぅーと流れる鮮血。

もう、無理だ…。

「大丈夫!もう一回やろう!」

流れる血を軽く袖口で拭い、何事も無かったかのように、Uが乱闘シーンのスタートラインに立つ。

また、鮮血が流れ出す…。

流血しながら笑ってくれている彼女を見ると、私の方が泣きそうだ。

人に怪我をさてしまう…思いがけない展開…、

もう…信じられないくらいメンタルが落ちてしまった。



「ちょっと休憩しよう!」

誰かが声を掛けてくれた。

数分後、私は屋上に立っていた。

思うように出来ない…。

ふぅー。

深いため息をついた。

そういえば、

昨日までの雨が嘘のように、その日は抜けるような青空だ。

薄汚れたベンチに横になってみた。


まるで青春映画のようだけど、

体をめいっぱい青空にあずけてみた。

私の今の落ち込みなんて、小さいよな~。

「大丈夫!大丈夫!」

Uの声が聞こえた気がした。




あの頃(舞台)14

2020-04-29 08:00:48 | 日記
帰りがけに病院に寄った。

特に心配は無い…という状況だったけど、
1メートルの高さの台から落ちたので、打ち所が悪かったのか、足腰が痛い💦

まぁ、ちょっとしたアクシデントがあったが、気を取り直して、とにかく頑張ろう❗

先生に「お?やるな!」と言わせたい。


その日もまた、例のシーンの稽古だ。

ドンドン❗バタバタ❗

大きな音を立てて、Uを振り回す。

「迫力…無くなったね…。仕方ないか…、あんなアクシデントがあった後だしね」

仲間がボソッと言う。

腰が痛いせいか、思うように力が入らない💦
肝心なところで手加減をしたように見えるようだ…。

乱闘シーンは、ハラハラするような迫力で魅せたい。

だけど。。。
今度はUを怪我させてしまうんじゃないかと思うと…コワイ。

手加減をしてしまう。

手加減をしても、それがそういう風に見えなければいいのだが、そんな高度な技術は私には身についていない。

「大丈夫!大丈夫!納得行くものが出来るようになるまで何度でもやってみよう!」

Uが私の焦りを察して、優しい言葉を掛けてくれた。

「アンコ、私を突き飛ばす瞬間に、躊躇するよね。躊躇しなくていいよ。思いっきり突き飛ばしてみて!」

私の躊躇している瞬間も見抜いていた。

うん。

私を信じてくれるUの気持ちに報いるように、精一杯頑張ろう❗

ドンドン❗

足音を響かせてUに歩み寄ると、むんずとUの髪の毛をひっつかむ。

グイッと引っ張り、振り回す…と、足元が滑ったような気がした💦

一瞬、Uを突き飛ばすタイミングを間違えた‼️と思った。

危ない‼️…と、

あわてて、再びUを掴んだのがいけなかった。

二人の動きが止まった瞬間、Uの顔を見ると、流血している💦💦

やってしまった💦💦

怪我をしないように、爪を深く切ってはいたが、それでもその深爪でUの額を引っ掻いたようだ。

「大丈夫!大丈夫!」

大丈夫じゃない💦💦
自分の流血に気づいたUも、私がこれ以上動揺しないように、何事も無かったかのように、笑顔になった。

ダメだ~💦💦

このシーンだけは、出来ない💦💦

怪我をしたUよりも、私の方が泣き出しそうだ。



あの頃(舞台)13

2020-04-28 08:39:17 | 日記
こりゃ~、とんでもないぞ~💦💦

乱闘シーンは、思った以上に大変だ。

時間が空けば、Uにお願いして、乱闘シーンの稽古をした。

先生がいない時に、出来るようになって「お?やるな!」っと思わせたかった。


どんどん、ぼん‼

どたどた、ばん‼️

乱闘シーンのすごい音だ。

手は加減をしてるけど、音だけでも『凄さ』を伝えるために大きな音を立てた。

その時❗

ーーガタ~ン‼

「キャー‼」

派手にバタバタと乱闘したせいで、平台が外れてしまった。

坂道と階段のセットが崩れたのだ。

私は1メール程の高さの台から落下、投げ出された。

1メール程なのでたいした高さでは無いが、打ち所が悪かったのか、足と背中に激痛が走った。

「大丈夫?💦💦」

皆、駆け寄って来たが、すぐに立てない。

Uは、落下トラブルには運よく巻き込まれ無かったが、平台落下があまり大きな音だったので、私を見て心配して泣きそうになっている。

「大丈夫!大丈夫!」

皆に心配掛けたくないのと、事故トラブルで役を降ろされては大変なので、思いっきり平気な顔をした。

それにしても…足腰が痛い😖💥

その日の稽古の帰りに、心配したUが、無理やり病院に連れていってくれた。

打撲という程度で、捻挫もなく、問題無かった。

良かった…。

あの頃(舞台)12

2020-04-27 08:02:54 | 日記
いかり…怒り…怒りっ💢…ぶちっ❗←キレる音

乱闘‼

…と、怒り→乱闘までの芝居が難しい💦

私の怒りを受け止める相手はU。

「思いっきり来ていいよ❗」

…と言ってくれる。

ト書には、『怒りに任せ、髪をひっ掴み、引きずり回す』と、書いてある。

このト書通りの事をすれば、絶対にケガをする💦💦

ここで、アクションの勉強をした成果が表れる。

力を加減しながらも『力任せ』に見えないといけない。

これは、加害者(?)だけで出来る技術ではない。

被害者も、『力任せ』に振り回されるような演技、リアクションをしてくれないと、そうは見えない。

相性も大切ですね。

被害者のUが私を信頼してくれて、どの程度の力加減で、どの程度の振り回され方をすればいいのか…の微調整が大切。

私がちょっと遠慮をすると、見る側からすると、『あれ?』ってなってしまうし、遠慮しないと、本当に力が入ってしまう。

「大丈夫だよ。多少ケガしても仕方ないよ」

なんて、Uは言ってくれるけど、当然、多少でもケガをさせてはいけないんです。

だいたい、引きずり回す…なんて、想像できますか?

ちょっとあり得ない光景ですよね💦

とりあえず、やってみた。

案の定、Uは「痛い!」と言って、しゃがみこんだ。

力の加減が本当に難しい💦

参った💦💦

私には、こういうのが、一番難しい…💦💦

Uは、笑顔で「大丈夫❗大丈夫❗何度でもやりましょう❗」…と言ってくれる。

先生は…と、言うと、他人事のような顔をして、親指で鼻をほじる。

再び挑戦‼

髪の毛をひっ掴み…からの~振り回す~。

「うっ💦」

と、声にならない声を出すと、Uがうずくまった。

「だ、大丈夫?!」

「大丈夫。大丈夫!」

いやいや、大丈夫なんかじゃない…。Uは痛そうだ。

どこが痛いのか?…というと、頭ですね。
髪の毛を引っ張るワケですから…。

しかも、乱闘シーンを披露する場所が平坦な場所ではない…坂道…そして、すぐ横には階段…という設定なので、平台に平台を斜め掛けして坂道と階段を作っての場所。

あまり豪快に振り回すと、坂道、または階段的なセットから被害者が落ちてしまうと、微調整なんて何の意味も無くなって、大怪我必至だ…。

こりゃ~とんでもないぞ~💦💦



あの頃(舞台)11

2020-04-26 08:21:43 | 日記
「社長さんな❗わたいだって、そげな気持ちじゃやってられませんわ❗」

ぱ~ん‼️

(けつ捲り)

カッコいいトランクス❗

こんな感じと。。。


こんな感じを。。。



足して2で割ったみたいな下着になりました。


…まぁ、そんなにカッコよくは無かったですが、まぁ、こんなパンツを大衆の面前で披露する私の覚悟と言うか、勇気と言うのか、先生は親指で鼻をほじりながら、ニヤリと笑った気がした。

やった✨

このニヤリは、合格のニヤリ…です。

先生は、あまりホメたりしない人なので、ホメ言葉は期待できません。
だけど、あまり笑わない先生が笑うのは、ポジティブに受け止めていいものなんです。

やっぱり、試されてたのかな…?💦

まぁ、いいや❗私の頭で考えられる精一杯の策だったので、満足です。



そして、私的な難問がもう1つ。


乱闘シーン…。

もちろん、私自身乱闘なんて未経験です。

殴られる側ならいいのですが…乱闘を仕掛ける側ですから…かなり難しい💦💦

怒り…怒り…怒り…我慢の限界…そして、ぶちっ❗←キレる音。
~そして、その頂点の乱闘ですから💦💦

この表現はなかなかのものです。

もちろん、こんな気分になったことなどありません💦💦

ぶちっ❗…とキレる瞬間があるわけですよね。…それが、思ったように上手く表現できるだろうか💦💦