ライバル 16

2022-05-31 09:53:08 | 日記
「そこで、またひとつ心配事が増えたんです。」

達也さんたちとすっかり意気投合した亜由美さんが…
『また4人で飲もう!』と提案。

後輩も乗り気で…。

だけど、例の『嫌がらせメールの言い回しに見覚えがある…』と後輩と達也さんに言ってしまっている。

もちろん亜由美かも知れない…とまでは言っていない。

次回の飲み会で、その話題が出たらどうしよう…って…。

亜由美は、"それって、私の事?"って気付くんじゃないか…。

今、そんな話題になったら、すごく気まずい…。

占いには、『悪魔』のカードが出た。
一難さってまた一難…。

神出鬼没の亜由美さんの存在に、結子さんはすっかり振り回されている。

ライバル 15

2022-05-29 09:33:09 | 日記
達也さんの力になれた…という達成感が、結子さんに自信をつけていました。

だけど、後輩の悩みの相談に乗っているうちに、いつの間にか、引き際を逃して、『友人』になってしまわないか…と不安でした。
「お礼にご馳走させて!」

達也さんから相談にのってくれたお礼にご馳走させて欲しいと誘われた。
 
「はい!」

あらためて二人で出掛けられることが嬉しかった。

「彼女もお礼がしたいって」

え?あ、そうか、後輩も一緒か…。
好きな人に誘われたというのに、結局二人きりではなかった…。
まぁ、でも、どんな機会も大切にしたい。

そして、3人で飲みに行くことになった。


3人での飲み会の後、結子さんは占いに向かった。


「後輩が一緒だったのは、まだいいんです…。3人で飲みに行ったお店に、偶然亜由美が来たんです。」
「え?もしかして、4人で飲んだとか?」
「そうなんです…。まさかの…展開ですよね…」
「でも、嫌がらせメールの主は彼女かも知れない…って言ってたよね。それを彼に伝えたんじゃないの?」
「伝えてないんです…。言い回しが亜由美に似てるってだけだし…。」
「でも、達也さんが犯人探しするらしい…って言ったら、嫌がらせメールが来なくなったんでしょ?」
「それが…その後、一通だけ来てるんです。…だから、亜由美犯人説は、不確かだから…言ってないんです。」
「…そうか…そうだよね…間違っててもマズいしね…。で、どうだった?飲み会?」
「楽しそうでした…亜由美が。彼女は、もともとおしゃべり上手だから…。後輩も、すっかり意気投合してました…。」
「亜由美さん犯人説は消えた訳じゃないのにね…。」
「そこで、またひとつ心配事が増えたんです。」


ライバル 14

2022-05-28 11:14:07 | 日記
「わかりました。『引き際』がわかるかどうか、心配だけど、とりあえず前進してみます」


そして、数日後…。
結子さんは、とりあえず、イジメにあってるという達也さんの後輩の話を達也さんと一緒に聞きに行った。
内容は…というと、
社内の彼女のパソコンに嫌がらせのようなメールが届くという。
それも読んでみたが、差出人はわからず、アドレスでも見当はつかないが…、特徴のある書き方…というか、言い回しの文章だったという。
…もしかして…。
そのメールの差出人に思い当たる人とは、亜由美さんだった。

一見分かりにくいが、少し癖があって、その癖が結子さんはちょっと気になっていた。

結子さんは、達也さんに相談されたことを内緒で、『達也さんの後輩が嫌がらせのメールで悩んでる』と、話をしてみることに。

すると、亜由美さんは、とても興味を持って話しを聞いてきた。

そこで、結子さんは、思いきって
『達也さんが、犯人探しをするって言ってたよ』と言ってみた。

すると、そしたら、それ以来、嫌がらせメールは届かなくなった。

やはり、亜由美さんだったのだろうか…。


ライバル 13

2022-05-27 11:24:05 | 日記
「突然だけど、付き合って欲しいんだ…」

「え?!」

結子さんは、息をのんだ。

「その後輩の相談内容が少し深刻で…、結子さんにも一緒に聞いてもらえないかな?」

「あ…そうなんですね…💦」

一瞬、色めき立った自分が恥ずかしかった。

「どうやら、社内でいじめにあってるらしくて、男の自分にはわからない部分もあるので、
僕がいろいろ意見するには限界があって…」

「私でよければ…」



その後すぐに結子さんは占いを訪れた。

「達也さんの後輩の相談事を聞いてあげることは、どうなんでしょう…。相談にのってあげて大丈夫でしょうか?私が首を突っ込んで、厄介なことにならないでしょうか?正直、そういう話は、苦手なもので…」

友情と愛情。

確かに、難しい選択になることを告げられた。

「相談にのってあげた方がいいんだけど、引き際が肝心。あまり深入りすると、達也さんとも、ただの友達になってしまう恐れがある。」と…。


ライバル 12

2022-05-26 10:17:30 | 日記
急遽、達也さんと飲むことに。

仕事の話し、同僚の話し、上司の話し…と、お酒がすすんで盛り上がった。

ひとしきり世間話しをした後、お酒の勢いもあってか、どうしても達也さんの恋人の話しがしたくなった。

「達也さん、彼女出来たんですってね」

「……え?」

「後輩なんでしょ?」

「誰から聞いたの?」

「あ、その…噂というか…」

敢えて、亜由美の名前は出さなかった。

突然、達也さんは、ふっと笑った。

…え?何?

「確かに、同じ大学の後輩の女の子と飲みに行ったりしたよ。ちょっと相談に乗ってたんだ…。かわいい子だけど、とりあえず付き合ってはいないよ」

「え?…そうだったのね…。」