君は誰?19

2024-10-28 09:39:46 | 日記
3人は、廊下の隅まで着いた。

「特に何もないね!」

正人が強気の声をあげた。

「3階って無いの?」

「ここの校舎は2階建てだよ。」

「3組のやつがここへ肝試しに来たらしいんだけど、用務員室がヤバいらしい」

「ヤバいって?どんな風に?」

「人が住んでるみたいだった…とか…。」

「本当に人が住んでんじゃないの?」

「こんな電気も通らない場所に?真冬の夜なんて凍死するよ」

「…そっか」

「とりあえず、用務員室探そう」

松田は強気だ。

「一階の北側の一番奥、まだ見てないよね。」

「よし、行ってみよう」


君は誰?18

2024-10-25 09:27:58 | 日記
「廊下の奥に誰いる」

松田は、懐中電灯を廊下奥を照らし、じっと目を凝らす。

「気のせいだよ!」

正人も、笑いながら懐中電灯を照らした。

「そうか…」

「奥に行こう!」

直樹は、怖くなっていく雰囲気を消すために、少し大きめな声を出した。

ミシ…ミシ…と、音をたてながら3人は前に進む。

雲が切れて月灯りが差し込んだ。

懐中電灯がなくても奥が見渡せる。

「ほら、誰もいないだろ!」

「ホントだ…」

正人と松田は深い溜め息をついた。

君は誰?17

2024-10-21 10:10:54 | 日記
突然の鏡の存在に怯えながらも、二階へ。

二階はさらに漆黒の闇かと思ったら、うっすらと月灯りが差し込んで来ていた。
それでも、雲が多いせいか、行く先の障害物の気配くらいは感じ取れる程度だ。

二階は教室だけのようだ。

パタパタパタ…。

鳥の羽ばたきだ。

どんな音も、暗闇で聞くと恐怖を感じる。

「あっ!」

「え?」

「廊下の奥…、人の影があったような…」

「人?…気のせいだろ」

「いや、気のせいじゃない…と、思う…」

松田が声を潜めた。



君は誰?16

2024-10-17 15:02:23 | 日記
「ぎゃ~~!!」

二階への階段を昇る途中の踊場にたどり着いた途端、心臓が止まるかと思うほどに、凍りついた。

…向こうからも懐中電灯を持った男が現れた…と、思ったからだ。

そこには、自分たちの全身が写る鏡が置かれていた。

「鏡だよ!!」

「いきなり叫ぶの止めてくれよ!心臓が止まるよ💦💦」

「なんで、こんなとこに、鏡なんか…💦💦」



君は誰?15

2024-10-14 09:42:02 | 日記
暗闇では、何かしらが動く気がしてしまう。

何かが動いたのは、たぶん気のせいだ。

直樹は、先頭に立って二階への階段を登った。

ギシッ…ギシッ…。

嫌がおうにも踏み込む軋みが響き渡る。

「……ふん🎵…ふん🎵」

「な、なんだよ!」

突然、松田が鼻歌を歌い出した。

「なんか、怖いんだよ。気を紛らわそうと思って💦」

「…かえって怖いんだよ💦」