次男さんに相談すべきかどうか…と思いながら過ごしていると、枝美ちゃんがレッスンに来なくなった。
電話にも出ない…。
イヤな予感が頭をよぎったが…、
…まさかね…💦
そういえば、実家に帰る…なんて話しをしていたような気がする。
枝美ちゃんにとって、失恋が思った以上にヘビーで、しばらく魂が抜けたようになっていた。
次男さんに相談する前に彼女の家に行ってみよう…と、思った。
彼女のアパートは、静まりかえって、人の気配は無い。
アパートの通路から見える台所の窓越しには、見たことのある布巾が掛かっていた。
枝美ちゃんは、引っ越してはいない。
「ピンポーン!」
何度か呼び鈴を鳴らしたが気配がない。
やっぱり、実家に帰ったのかも。
…と、思った瞬間。
ゴトンッ!
部屋の中から、大きな物音がした。
枝美ちゃん、居るの?
もう一度呼び鈴を鳴らす。
「……」
今度は、気配がない。
「プルルル…」
電話のベルが鳴った。
「プルルル…」
誰も出る気配がない。
やっぱり、留守なんだ…。